流産の確率が高まる時期は?妊娠初期?心拍確認後・高齢出産の場合は?

【医師監修】妊活・妊娠中の女性は、流産しやすい時期や確率がつい気になりますね。この記事では、流産の確率が高まる時期、心拍確認後・高齢出産の場合の確率や、何度も流産を繰り返してしまう確率などを紹介します。流産になってしまう身近にある原因や、その予防法も紹介していきますよ。

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Contents
目次
  1. 流産とは?
  2. 流産の確率が高まる時期は?
  3. 心拍確認後に流産する確率は?
  4. 高齢出産だと流産する確率が高い?
  5. なんども流産を繰り返してしまう確率は?
  6. 流産後は妊娠確率が下がる?
  7. 流産の原因は身近にも?5つの予防法
  8. 流産の可能性が高い時期を乗り越えて!

すべての流産のうち一番多いのが、妊娠12週目までの早期流産です。その中でも特に、妊娠をしてから心拍確認ができるまでの期間に流産する確率が高いと言われています。昔から「心拍確認ができれば一安心」という風に言われているので、心拍確認ができたら一気に安心してしまう妊婦さんも多い事でしょう。

しかし、最近は検査をする機械の性能がかなり良くなっています。早い時期に赤ちゃんを発見できる分、心拍確認のあとでも流産をしやすい状況です。経腹エコーの場合、妊娠8週目までに心拍確認ができれば95%以上の確率で妊娠を継続できるといわれています(※3)。しかし、最近は妊娠初期の健診で経膣エコーを使うケースが増えていることをご存知ですか?

経膣エコーは妊娠5週目から心拍確認ができる代わりに、その後の流産の確率が16~36%に増えてしまう傾向があります。経膣エコーは経腹エコーよりも心拍確認後の流産の確率が高いということを頭に入れておきましょう。

(心拍確認については以下の記事も参考にしてみてください)

【医師監修】妊娠8週目で心拍は確認できる?腹痛や出血は?流産の確率も!

高齢出産だと流産する確率が高い?

高齢出産は流産のリスクが高いといえます。厚生労働省が発表している自然流産に関するデータでは、25~29歳が11%、30歳から34歳が10%であるのに対し、35~39歳で20.7%、40歳以上になると41.3%と年齢が上がるにつれて自然流産の確率が急激に上昇します。

高齢になると流産のリスクが高くなってしまう原因は、卵子の老化だと言われています。卵子が老化すると染色体異常が増えるので不妊・流産を繰り返す・ダウン症などのリスクが高くなります。高齢出産を望む女性に一番多いのは不妊ですが、妊娠できても「妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・常位胎盤早期剥離」などさまざまな症状との闘いになる可能性が高いのです(※4)。

高齢でも問題なく妊娠生活を送るママもいますので「妊娠・出産のリスクが大きいため妊娠は避けるべき」というわけではありません。しかし、20代・30代の女性と比べると高齢出産はリスクが大きい、ということも事実でしょう。

なんども流産を繰り返してしまう確率は?

1度目の妊娠で流産してしまった女性が2度流産を繰り返す確率は4.2%です。3回以上流産を繰り返す確率は0.88%だと言われています。

「流産を繰り返す原因は、手術などの処置の影響がある」という風に言われていますが、医学的には証明されていません。一方で、女性・男性にそれぞれ原因があって流産を繰り返すケースもあります。2度、3度と流産を繰り返すようであれば「不育症」という観点から染色体異常や子宮奇形などの検査をして原因を探る必要があります。

不育症だと疑われた場合、何も処置をしなければ流産を繰り返す確率がますます高くなります。2回流産をしたあとに流産を繰り返す確率が23%、3回流産をしたあとに流産を繰り返す確率は32%にもなりますよ(※5)。

リエ先生

産婦人科医

流産を繰り返す場合、不育症と診断されます。この場合、検査や場合によっては治療が必要です。不育症も診断されても適切な治療を受けることで次の妊娠の継続が可能になります。

流産後は妊娠確率が下がる?

「子宮の中にあったものがすべて出て、リセットされているから、流産した後は妊娠しやすい」という話を聞いたことがある女性も多いかもしれませんね。しかし、この説には特に医学的な根拠がありません。逆に「流産の手術をすると、長期的に不妊症・生理不順が起きる」という風に考える人もいますが、こちらも医学的な根拠はありません。

しかし、流産を繰り返す可能性も十分考えられますので、流産の予防や妊娠しやすい身体作りをすることは大切かもしれません。特に高齢出産の場合はさまざまなリスクがあるので、流産の予防・不妊症の予防をする事はとても大切です。

流産をしても、次に妊娠した時に元気な赤ちゃんを出産したママはたくさんいます。流産のあとに妊娠するタイミングは個人差が大きいですが、早い方だと流産の1か月後に妊娠する場合もありますよ。

流産の原因は身近にも?5つの予防法

流産のほとんどは、赤ちゃん側の問題が原因です。しかし、普段の生活に気を配ることで流産しやすい体質を改善することもできますよ。

流産の予防方法を5つ紹介しますので、特に流産を繰り返す危険性がある方、流産をしやすい高齢の方は意識してみてくださいね。

1. ストレスをためない

大きなストレスを感じ続けると、妊婦さんの血行が悪くなります。血行不良になると、流産しやすい身体になってしまう可能性があります。妊娠初期は、ホルモンバランスの変動が著しく、つわりなど体調を崩しやすいですよね。体調が悪いと、どうしてもストレスがかかってしまいがちです。

特に、流産を繰り返すリスクがある女性にとって妊娠初期はつらい時期でしょう。家事や仕事の負担を減らしたり、なるべくゆっくり休むなど、ストレスを溜めないように気を付けましょう。

2. バランスのとれた食事をとる

流産の確率を下げるにはバランスの取れた食事を摂ることも大切です。つわりが酷い場合には、満足に食事を摂ることができない可能性もありますね。そんな時は1日3食にこだわらず「食べられる時に少しづつ食べる」という風に工夫をするのがおすすめです。

また、妊娠中はたくさんの栄養素を摂ることが大切です。中でも、葉酸とビタミンEは特に摂取すべき栄養素になります。葉酸には赤ちゃんの細胞を作る働きがあり、神経の障害の予防もしてくれます。妊娠前・妊娠初期から摂取することで、流産しやすい体質・流産を繰り返す体質を改善できる可能性がありますよ。

一方ビタミンEは、女性ホルモンの分泌を活発にしたり、血行を良くする働きがあります。しかし、葉酸とビタミンEを自然の栄養素で補うのはとても大変です。厚生労働省では、妊娠の可能性がある女性にサプリをおすすめしています。妊婦さん用の、美容成分を摂取できるサプリもありますのでぜひチェックしてみてくださいね。

3. 身体を温める