妊娠後期や臨月は貧血になりやすい?症状は?胎児への影響・対策法など詳しく解説

【医師監修】妊婦さんの多くが貧血に悩まされています。なかでも妊娠後期や臨月は貧血になりやすいのでしょうか。その原因、症状、胎児への影響、食べ物の工夫など対策法について先輩ママの体験談やドクターの助言を交えて詳しく解説します。妊婦さんはぜひ参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 妊娠後期や臨月は貧血になりやすい?
  2. 妊娠後期や臨月に貧血になる原因は?
  3. 妊娠後期や臨月の妊婦に起こる貧血の症状は?
  4. 妊娠後期や臨月の貧血は胎児に影響がある?
  5. 妊娠後期や臨月の貧血の症状に効く食べ物などの対策法
  6. 妊娠中は貧血に注意しよう!

妊娠後期の貧血の症状【頭痛】

妊娠後期の頭痛はホルモンの変化や貧血などが原因で起こることがあります。脳貧血状態の時は、頭が圧迫されたような違和感を感じることもあるでしょう。頭痛薬を飲めないことで不安を感じる妊婦さんは多いものです。また臨月には、出産への不安や重くなった体で体調が優れずストレスがたまり頭痛を引き起こすことも考えられます。

主婦

30代後半

もともと頭痛持ちだったので、頭痛薬は必ず持っていました。妊娠中は薬が飲めないと思うと、それだけで心配になりました。病院で相談して漢方薬を処方してもらいました。

妊娠前から頭痛に悩まされている人の場合、妊娠中はいつもの薬が使えなくなるケースも多いでしょう。頭痛などを直接的に感じない場合は医師に伝えるのをためらう人もいますが、気軽に相談してください。

妊娠後期の貧血の症状【赤ちゃんの成長の妨げ】

妊娠後期の貧血は、ひどくなるとおなかの赤ちゃんの成長の妨げる事態にもなりかねません。おなかの赤ちゃんはママの血液から酸素や栄養をもらっています。ところが、母体が貧血状態で酸素や鉄分などの栄養が十分に行き渡らないと、赤ちゃんの成長が遅れがちになる場合があるでしょう。

妊娠後期の貧血の症状【陣痛が長引く】

妊娠後期の貧血で体力が落ちてしまうと、微弱陣痛になり、陣痛が長引く恐れがあります。お産が長引くことによって体力が奪われ、場合によっては帝王切開になる可能性もあります。出産という大仕事に向けて貧血を改善することはとても大切です。きちんと健診を受けて出産に向けて心と体の準備を整えましょう。

妊娠後期の貧血の症状【産後の出血異常】

妊娠後期の貧血は産後の出血異常を招く恐れがあります。

出産の時の出血は、通常の月経時のおよそ5倍といわれています。個人差はありますが大量の血液を失うことになるため、貧血への対策は必須といえるでしょう。また分娩時に子宮の収縮がうまくいかないと大量出血を起こす危険性もあるので注意が必要です。妊娠後期や臨月には、出産に備えて鉄剤を処方されることもあります。

カズヤ先生

産婦人科医

産後は子宮が急激に収縮し、元のサイズに戻ろうとするため、後陣痛という痛みが発生します。 しかし、これは正常のメカニズムであり、この後陣痛がおこらない状態を弛緩出血といって、産後に出血が続く原因になります。 この場合、子宮収縮剤などを投与して対応します。

妊娠後期の貧血の症状【産後の体の回復が遅れる】

臨月まで貧血だった妊婦さんは、出血が止まりにくかったり、母体の回復が遅れる傾向にあります。また、授乳などによって鉄分が多く排出されることからさらに貧血が重度になることも考えられます。

妊娠後期の貧血の症状【母乳への影響】

妊娠後期の貧血は母乳への影響もあります。赤ちゃんに飲ませる母乳は、母体の血液から作られています(※6)。母体が貧血状態だと、血流が悪いうえに母乳の出かたにも影響する可能性があります。生まれたばかりの赤ちゃんは、母乳から栄養をもらって成長します。まずはしっかりと母体を健康な状態に保つことが大切です。

(妊娠後期の貧血対策については以下の記事も参考にしてください)

妊婦の「鉄分」補給!不足しない取り方は?食事やサプリで貧血対策!

妊娠後期や臨月の貧血は胎児に影響がある?

妊娠後期になると赤ちゃんも大きくなってきて、多くの栄養が必要になってきます。血液を作るのに必要な鉄分は優先的に赤ちゃんに送られるため、赤ちゃんがすぐに貧血になることはありません。しかし、母体が重度の貧血になると、必要な酸素や栄養が運ばれなくなり、低体重児や早産になる恐れもあります。

また、貧血によってお産が長引いたり出血異常があれば、赤ちゃんにも影響がでてしまいます。出産はママと一緒に赤ちゃんも頑張っているということを覚えておきましょう。

(妊娠中の貧血については以下の記事も参考にしてください)

【助産師監修】妊婦の貧血!妊娠中でも対策できる?胎児への影響は?