妊娠後期や臨月に息苦しい原因は?眠れない時・パニック時の対処法も紹介!

【医師監修】妊娠後期に「息苦しい」と感じる妊婦さんは意外と多くいます。妊娠後期や臨月に息苦しい原因や、息苦しいときに眠れない場合などの対処法を紹介します。胎児に与える影響や、病院には行くべきかなど、妊娠後期の妊婦さんにすぐに役立つ情報ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

Contents
目次
  1. 妊娠後期や臨月に息苦しいのはなぜ?酸欠?
  2. 妊娠後期に息苦しい原因7選!
  3. 妊娠後期や臨月の酸欠が胎児に与える影響は?流産の可能性も?
  4. 妊娠後期や臨月に息苦しい時の対処法は?
  5. 妊娠後期や臨月に息苦しくて眠れない時どうする?
  6. 妊娠後期や臨月に息苦しい時の予防法
  7. 妊娠後期や臨月に息苦しい時、どう乗り切った?〜先輩ママの体験談〜
  8. 妊娠後期や臨月に息苦しい時は病院に行くべき?
  9. 妊娠後期に息苦しいのは要注意な場合も!

妊娠後期や臨月に息苦しいのはなぜ?酸欠?

妊娠後期になったら、入院の準備などを始める妊婦さんも多いのではないでしょうか。しかし、妊娠後期を迎えた妊婦さんは体と心のバランスが崩れ、息苦しいと感じることが多くあります。あまり活発に動くことはできないかもしれませんね。

妊娠後期の妊婦さんが息苦しいと感じてしまう原因の多くは酸欠です。眠れないほどの息苦しさを感じてしまう人も多いですよ。妊娠後期の息苦しさを放置することはおすすめできません。いつ酸欠におそわれるのか、ということに恐怖心を感じて、パニックを起こしてしまう可能性があるからです。もしパニック障害になってしまった場合、治療をすることはとても難しいですし、パニックを起こすことに対しての恐怖で鬱になってしまう場合もあります。

妊娠後期になると、どうして酸欠などの息苦しい症状に悩まされてしまうのでしょうか?妊娠後期に酸欠になってしまう原因や対処方法などを紹介していきますので、参考にしてくださいね。

(臨月に息苦しい場合の対策については以下の記事も参考にしてみてください)

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妊娠後期に息苦しい原因7選!

妊娠していない方なら、山の上など酸素が薄い場所に行くことで酸欠状態になりますよね。しかし、妊娠後期の妊婦さんがそんな場所に行くことはほぼ考えられません。では、なぜ酸欠になってしまうのでしょうか?妊娠後期の妊婦さんが息苦しいと感じる原因を7個紹介します。

(臨月の腰痛の原因については以下の記事も参考にしてみてください)

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1. 胎児に血液を送るため、貧血になる

妊娠初期は、胎盤など赤ちゃんを成長させる組織作りで血液が足りなくなってしまいますね。それに対して妊娠中期や妊娠後期の妊婦さんは、成長した赤ちゃんに多くの栄養や酸素を届けるために、貧血になってしまうことが多いです。

妊娠後期の妊婦さんが貧血になった場合、当然体は血液を作ろうと働きます。血液の中には、赤血球や酸素のほか栄養素がたくさん含まれているのが普通ですね。しかし、妊娠後期の妊婦さんの血液は、増やしても増やしても中の酸素の量が足りない状態です。

血液の中の酸素が薄くなるとますます赤血球が少なくなり、酸素が体に行きわたりにくくなってしまいます。赤ちゃんが大きく成長した妊娠中期から妊娠後期にかけて酸欠で息苦しいと感じてしまうのは、このためです

カズヤ先生

産婦人科医

妊娠中は、母体は分娩時の出血に耐えるために血液増産体制に入りますので鉄分が不足します。分娩時期には循環血漿量は非妊娠時の1.5倍程度になります。また、胎児に必要な鉄分も供給されるので、かなりの頻度で母体は鉄欠乏性貧血に陥ります。 血中ヘモグロビンの値が低下すると、息切れの症状が出やすくなってきます。

2. 子宮が肺を圧迫している

妊娠後期になるとお腹が急激に大きくなりますね。子宮が急激に大きくなると、周りにある胃や肺などが圧迫されてしまいます。胃や肺など周りの臓器が圧迫されて、息苦しさやめまいに襲われる妊婦さんも多くいますよ。

子宮が大きくなることで周りの血管を圧迫してしまうことも、息苦しさの原因の一部です。下半身から心臓に戻る血管を圧迫してしまうと体全体の血液の流れが滞ってしまいますね。体全体の血液が上手にめぐらず、めまいや呼吸の苦しさを感じてしまうのです。

3.切迫早産の薬の副作用

妊娠22週以降に「お腹の痛み・出血・張り」などの症状があり、流産の可能性がある状態を「切迫早産」といいます。切迫早産と診断されたら、絶対に早産になってしまうわけではありません。何もしなくても正常妊娠に戻る可能性もあります。しかし、医師によっては、子宮の収縮を弱めるための薬を処方される場合もあるでしょう。

子宮の収縮を弱める薬の中に「ウテメリン」というものがあります。ウテメリンという薬を飲むと、動悸や熱っぽさ、呼吸の苦しさを感じる場合があります(※1)。しかし「副作用が辛いから」と薬をやめるのは危険です。継続して薬を飲めるように、医師に相談をしましょう。

4. 低血圧・高血圧

妊娠後期に息苦しい場合、血圧が原因ということも考えられます。一般的に、妊娠初期から妊娠中期の血圧は低く、妊娠後期の血圧は高くなる傾向です(※2)。

妊娠初期から妊娠中期に血圧が低くなるのはつわりや貧血が原因です。つわりになると水分や食べ物をあまりとれなくなりますよね。血液の量が少なくなってしまうので、低血圧になります。妊娠中、血圧を上げたい場合はしっかり水を飲み、貧血の予防をしましょう。

妊娠後期に血圧が高くなる原因は、解明されていません。一般的には「胎児にうまく血液を送れないために血液を流そうとし、血管に負担がかかってしまう」という風に言われています。妊娠中に血圧を下げたい場合は、食事療法がとられる場合が多いです。重症な高血圧の場合は食事療法と並行して薬を使うこともありますよ。

5. 不安・ストレス

妊婦さんは「親になる」という新しい社会的役割を持つことや、出産後の仕事やお金など、いろいろなストレスや不安を抱えてしまうものです。妊婦さんの中には、妊娠中のストレスで不安障害を抱えてしまう方もいます。不安障害になると呼吸が苦しい…というだけでなくパニック・過呼吸になってしまう場合もあります。

妊娠中に不安やストレスを感じたら、まず、人に相談をしてみましょう。パートナーや友人以外に、地域の専用窓口を使ってもいいですね。不安障害でパニックになったり、過呼吸を起こしている場合は、産婦人科に相談をしてみましょう。

6. 花粉症など