妊婦の手のしびれは手根管症候群?妊娠中に起こる原因・治療法を解説

【医師監修】多くの妊婦さんが手のしびれに悩まされています。そのしびれは手根管症候(しゅこんかんしょうこうぐん)かもしれません。原因、診断法、治療法、自分で治す方法などについて先輩ママの体験談やドクターの助言を交えて解説します。妊婦さんはぜひ参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 妊婦さんが妊娠中に手のしびれが出るのはなぜ?
  2. 妊婦さんの手のしびれや痛みは手根管症候群の症状?
  3. 手根管症候群の診断方法
  4. 手根管症候群の治療方法
  5. 手根管症候群には妊婦さんが自分で治す方法がある?
  6. 妊娠中に手根管症候群になった先輩ママの体験談!
  7. 手のしびれや痛みが出たら医師に相談してみよう

神経伝導速度検査

神経伝導速度検査は電気による刺激を手首に当て、電気がどのように神経に伝わっているかをチェックする検査です。神経に伝わる速度の低下が確認された場合、手根管症候群であると確定します。

MRI検査

むくみによる神経圧迫ではなく、手根管内の腫瘍によって神経が圧迫されていると疑われる場合は、MRI検査が行われます。頸椎(けいつい)の神経が手根管症候群を誘発している可能性もあることから、判別をするために頸椎のMRI検査を行うこともあります。(※3)

手根管症候群の治療方法

妊娠中の手のしびれが手根管症候群であると診断された場合の治療法は大きく分けて2つあります。手術をしない「保存的療法」と「手術治療」です。妊婦であることを告げた上で、適切な治療法を医師に提案してもらいましょう。

保存的療法

手術をしない保存的療法では手の使い過ぎを避けたり、シーネ固定などで手首を安静に保ったりする治療法や、ビタミン剤や外用薬などを用いた薬物投与による治療法などがあります。痛みがひどい場合には手根管内に注射をするなどの治療法も行われます。保存的療法の中には妊娠中におすすめできない治療法もあるので、医師とよく相談してください。

手術治療

保存的療法で改善が見られない場合や、手根管症候群の原因が手根管内の腫瘍によるものである場合には手術治療が選択肢として挙げられます。手術方法は手根靭帯を切って神経の圧迫を取り除く治療法です。以前は手のひらを3cmほど切開して行う「手根管開放術」が主流でしたが、今は1cmほどの切開で可能な「鏡視下手根管開放術」がほとんどです。

鏡視下手根管開放術は術後の痛みが軽いうえに身体への負担が小さいです。日帰り手術が可能なため早いうちにいつもの生活に戻れる利点があります。出産してからもなかなか手のしびれが取れず日常生活に支障をきたしている場合は、手術による治療法を考えてみるのもいいかもしれません。

手根管症候群には妊婦さんが自分で治す方法がある?

妊娠中に手のしびれや違和感を感じたら、病院に行く前に自分で治す方法や対策はあるのでしょうか。妊娠中なので、なるべく薬は使いたくない妊婦さんも大勢いるでしょう。妊娠中の手のしびれはむくみからくる場合が多いので、むくみを解消する生活習慣を心がけてみてください。

妊婦さんの手のしびれを自分で治す方法1.塩分・水分の取り過ぎに注意する

塩分・水分の取り過ぎに注意しましょう。妊娠中は妊娠していないときにくらべて、むくみやすい時期でもあります。塩分や水分の取り過ぎのためにむくんでしまっていることも考えられます。妊娠中の手のしびれを解消するためにも、塩分や水分の取り過ぎないようにしましょう。

妊婦さんの手のしびれを自分で治す方法2.カリウムを多く含む食材を取り入れる

カリウムを多く含む食材を取り入れましょう。むくみやすい妊娠中は食事にも気を配ることが大切です。カリウムは身体の中にたまった余分な塩分を除去してくれる働きがあります。むくみを感じたり、手のしびれや痛みなどの症状を感じた際には、カリウムを多く含む食材を積極的に取り入れてみましょう。

カリウムを多く含む食材は納豆やほうれん草、りんごやバナナ、アボカドなどです。どれも簡単に手に入る食材ですし、あまり調理をしなくても食べられるものばかりです。妊娠中に手のしびれや痛みの症状が出てしまったら、早めに食生活を見直す対策をとってください。

(妊娠中の食事については以下の記事も参考にしてください)

妊娠中期の食事!適切な量や摂取したい&避けるべき食べ物・栄養素なども!

妊婦さんの手のしびれを自分で治す方法3.適度な運動