帝王切開後の悪露は少量で長引く？いつまで鮮血が出る？自然分娩との違いも！

悪露は減ったり増えたりしながらなくなっていくので通常は問題ありませんが、子宮復古不全や子宮内感染などの異常がある時があります。例えば、腹部の痛みや発熱、悪露の色が鮮血状のまま変化しない、鮮血状の塊が出続けている、悪臭がする、悪露が異常に長引くなどの症状があれば注意が必要です。

悪露は、子宮の回復状態を知るためのバロメーターになります。このような症状がある場合は、病院を受診しましょう。

帝王切開の時も自然分娩の時も悪露は出ます。しかし、少し違う点もあります。帝王切開の場合は、量が少ないことが多く、一般に長引く傾向にあるという点です。帝王切開の方が悪露が少ない理由は、帝王切開時に子宮の中をきれいにしていることが多いためです。

ただ、これはあくまで一般論です。自然分娩で悪露が数カ月も長引いたり、異常に少ないということもあります。逆に帝王切開をしたのに、すぐに悪露が落ち着くこともあります。

産後は体力的にも精神的にも大変な時期です。つい自分のことは後回しになってしまいますが、悪露の状態は自分の体の回復度合いを知るためにも重要です。常に気に留めておくようにしましょう。

入院した産院でもらうお産セットの中に、清浄綿が含まれていることがよくありますよ。清浄綿は、きちんと滅菌されている脱脂綿のことです。衛生面を考え、鮮血の悪露が出ている間はこの清浄綿でケアをすることをおすすめします。会陰切開をしている場合は、清浄綿で傷口を刺激しないように軽くふき取ると良いでしょう。

産褥（さんじょく）パッドや生理用ナプキンは1日4～5回程度は交換し、細菌による感染予防のために常に外陰部は清潔に保つように心がけましょう。

入浴については、産後の1カ月検診で医師から異常なしと診断されてからであれば可能です。これは、産後の身体の免疫力が著しく低下しているためです。この時期に無理に入浴をすると細菌に感染するリスクがあります。産後の経過が順調ならば入院中にシャワーのみ許可されますが、帝王切開の場合はシャワーの許可が出るまで時間がかかるかもしれません。

産後の出血が、悪露か生理の再開か不正出血のどれに当てはまるのかを見分けることは難しいです。出産直後の出血は悪露だと判断できますが、産後1カ月以上経った頃の出血は特に判断しにくいでしょう。

まず、産後の生理再開の時期は個人差が大きく、早い人では産後6週間頃、遅い人だと産後1年半ということもあります。生理再開の時期は人によって大きく異なるので判断材料にはなりにくいですが、生理であればお腹に鈍痛を伴うことが特徴の1つでしょう。また、出血が1週間程度で治まるのであれば生理の可能性が高いです。

次に、不正出血の場合です。一旦悪露が落ち着いたのに、生理程の量ではないけれど少ない量の出血が続く、という時は不正出血かもしれません。あまりにも長引く場合や、出血以外にも何か症状がある場合には病院を受診しましょう。

（不正出血については以下の記事も参考にしてください）

産後の悪露は煩わしいものですが、ママの身体が順調に回復しているかどうかを判断するための大事なものです。悪露が長引く、あるいは悪露の量が異常に少ない、または色や臭いが気になるという場合には迷わず病院に行くようにしましょう。

いつまでも続くなど、悪露に異常が起きているということは、身体に何らかの異常が起こっているというサインかもしれません。ただ、帝王切開の場合は、少し悪露が長引く傾向にあるということは気に留めておいてください。

産後は、慣れない生活でつい無理をしてしまいがちですが、ママの身体を回復させることが最優先です。特に帝王切開であれば、通常よりも回復に時間を要します。パートナーや家族にサポートしてもらいながら、なるべくゆったりと過ごすようにしましょう。