小児てんかんとは?原因や、種類と症状は?完治はするの?診断の流れも!

小児てんかんとは?という疑問をはじめ、小児てんかんの原因や、種類と症状、その見分け方を紹介していきます。治療法や、診断の流れも紹介していきますので、小児てんかんについて詳しく知りたいママはぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

目次

  1. 小児てんかんとは?
  2. 小児てんかんの原因
  3. 小児てんかんの種類と症状は?見分け方も!
  4. 小児てんかんは完治するの?治療方法は?
  5. 小児てんかんの診断の流れ
  6. 小児てんかんについて知っておこう

小児てんかんとは?

てんかんと聞くと、手足のけいれんを連想するママが多いでしょう。大人の病気、というイメージを持っている人も多くいますね。しかし、赤ちゃんや子供でもてんかんを発症することがあります。この記事では、小児てんかんの種類や症状について詳しく紹介します。

(子供の手のひらの湿疹については以下の記事も参考にしてみてください)

子供の手のひらの湿疹の原因は?症状やかゆみなどの対処法!受診の目安も!

小児てんかんの治療には時間がかかる?

小児てんかんは、生まれた時の脳の損傷や先天性奇形、先天性代謝異常などが原因で、乳児期や幼児期に発症する確率が高いと言われています(※1)。

成長にともなって改善されるてんかんもありますが、中には治りにくいと言われるてんかんもあります。どちらにせよ治療には長い時間がかかるので、医師と親、子供との間で信頼関係を築くことが大切でしょう。また、子供が日常生活を問題なく過ごせるよう、心理的な支援や管理をする必要もありますよ。

小児てんかんの原因

どうして小児てんかんになってしまうのでしょうか? 原因が気になるママも多いでしょう。てんかんが起きる原因は、大きく分けて2つあります。1つ目は出産時や生まれた後に大脳が傷つくこと、2つ目は遺伝です(※1)。

新生児が小児てんかんを起こした場合、お母さんのお腹の中にいる間や、分娩の際に何らかの原因で大脳に傷がつき、それが小児けいれんにつながった可能性があるでしょう。

また、生まれつきの代謝異常や脳の奇形が原因で小児てんかんを発病する可能性もあります。先天性の場合は、3歳くらいまでにてんかんを引き起こす可能性が高いでしょう。まれではありますが、頭のケガや感染症が原因でてんかんを起こす子供や、遺伝に関係なく小児てんかんを起こしやすい子供が生まれる場合もありますよ。

(乳幼児突然死症候群の原因については以下の記事も参考にしてみてください)

乳幼児突然死症候群の原因は?安全な寝かせ方など今すぐすべき予防策も!体験談多数

小児てんかんの種類と症状は?見分け方も!

小児てんかんの種類について詳しく知りたいママもいるでしょう。小児てんかんの症状や特徴について詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。(※2)

(結膜炎の種類については以下の記事も参考にしてみてください)

子供の結膜炎の症状は?原因・治療法、うつる・うつらない種類の見分け方も!

良性新生児家族性けいれん

良性新生児家族性けいれんは手足の麻痺や脳の障害などを残さない突発性全般てんかんの一種です。乳幼児期に発症する傾向があります。両親のどちらかに良性新生児家族性けいれんの既往歴があるとがあると、約1/2の確率で子供が発症すると言われています。

良性新生児家族性けいれんを発症する子供のうち約4割には、生後3日以内にてんかんの症状が見られます。ただし、生後3日以内にてんかんの症状がみられた赤ちゃんのうち約7割は、生後週間以内に発作がおさまると言われていますよ。

良性新生児けいれん

良性新生児けいれんも突発性全般てんかんの一種です。良性新生児けいれんを発症すると、生後5日前後に無呼吸発作や膝などを折り曲げ手足を一定のリズムで曲げ伸ばしする「間代発作」を何度も繰り返します。

全身に発作を起こす場合や身体の一部分に発作を起こす場合が多くありますが、両方を混在した症状を起こすこともあります。ただ、良性新生児けいれんには生後5日前後を過ぎると発作がおさまるという特徴があるので、赤ちゃんの健康をあまり心配する必要はないでしょう。

乳児良性ミオクロニーてんかん

乳児良性ミオクロニーは1~2歳の子供が発症するてんかんです。家族の中にてんかんやけいれんの既往歴を持つ人がいると、発症する場合があります。

乳児良性ミオクロニーは治療をすることで症状が改善されますが、軽い人格障害や知能発達の遅れを伴うケースもあります。

小児欠神てんかん(ピクノレプシー)

小児欠神てんかん(ピクノレプシー)は、6~7歳の子供によく見られる症状です。1日に数~数十回失神しますが、意識が混濁するのみで、けいれんを起こすことはあまりありません。過呼吸をきっかけに発作が誘発されることが多いので、運動の最中に急に動きが止め、ボーっとしてしまう可能性があります。

小児欠神てんかんを発症した場合、思春期に意識をなくして手足を突っ張らせ、体がガクガクけいれんする「全般性強直間代発作」を発症する可能性があります。また、成人してもてんかんの発作が持続する可能性があるでしょう。成人してもけいれんの発作が続くようであれば、症状を抑える薬が必要です。

若年欠神てんかん

若年欠神てんかんは思春期に発症することの多いてんかんです。小児欠神てんかんと同じような症状が出ますが、発生頻度は少ないでしょう。

ただし、口を堅く食いしばって突然意識を失い、呼吸が止まったまま手足を伸ばした状態で数十秒間全身を叩く強直発作や、息が止まり膝などを折り曲げ手足を一定のリズムで曲げ伸ばしする間代発作などを併発する可能性があります。寝起き直後に起きやすいという特徴がありますよ。

若年ミオクロニーてんかん(JME)

若年ミオクロニーてんかん(JME)は8~20歳に発症するてんかんです。全身や手足など体の筋肉がビクッと収縮する発作を伴います。一瞬の発作なので自覚することが少ないとされていますが、筋肉の収縮が何回も連続して起こったり、持っているものを投げ飛ばしてしまったりするなどの強い症状を伴う場合もあるでしょう。

なお、若年ミオクロニーてんかん(JME)の主な原因は、遺伝だとされています。

覚醒時大発作てんかん

覚醒時大発作てんかんは、主に10代の子供に発症しやすいてんかんです。寝起き直後に全般性強直間代発作を起こし、意識をなくし手足を突っ張らせ全身をガクガクさせるなどの症状を起こすことが特徴です。欠神発作やミオクロニー発作と併発することもあります。

中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん(良性ローランドてんかん)

中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかんは、子供の頃に見られる原因不明のてんかんで、生後18か月~13歳頃に発症することが特徴です。眠りについた直後に口の周りの知覚異常、顔面の片側のけいれん、頬のけいれんや過剰なよだれなどの症状が見られます。

単純部分発作や複雑部分発作から始まり強直発作に至る、二次性全般化を起こす可能性もありますよ。ただ、思春期までに発作が消えることが多く、1度発作が消失すると再発することはありません。

良性後頭葉てんかん

良性後頭葉てんかんは、学童期後半に発症する原因不明のてんかんです。輝く星が見える、視野が暗くなる、錯覚や幻覚が見えるなど目の異常から始まります。

ウエスト症候群 (点頭てんかん、乳児スパスム)

ウエスト症候群は、生後3ヶ月~10ヶ月の男子に発症することが多いてんかんです。ウエスト症候群を発症すると、頭や手足に1~3秒間力が入る「てんかん性スパスム」の症状を繰り返します。

また、ウエスト症候群を発症すると知能や運動に障害を生じ、特徴的な脳波が見られることもあります。治りにくい上、レノックス・ガストー症候群という難病に移行する可能性もあるでしょう。

レノックス・ガストー症候群

レノックス・ガストー症候群は、2~8歳頃に、ウエスト症候群から移行する可能性のあるてんかんです。脱力発作や強直発作を起こします。

また、数十秒間意識が飛び、自分が何をしているのか分からないまま行動する非定型欠神発作を起こすこともあります。知能や運動に関して発達障害を起こしてしまうケースも多く見られます。

ミオクロニー失立発作てんかん

ミオクロニー失立発作てんかんは、主に2~5歳の子供が発症する小児てんかんです。ミオクロニー失立発作てんかんにかかると頭痛や吐き気といった自律神経症状が現れ、意識が薄れて主に両手を強くけいれんさせるでしょう。また、ミオクロニー発作や、急に脱力することが原因で転倒するミオクロニー失立発作を発症するケースもありますよ。

そのほか、全般性強直間代発作や非定型欠神発作、発熱が原因でけいれんを起こす熱性けいれんなどを合併することもミオクロニー失立発作てんかんの特徴としてあげられます。

ミオクロニー欠神てんかん

ミオクロニー欠神てんかんは、7歳になる前の男の子に多く見られるてんかんです。両方の上腕をけいれんさせたり、欠神発作を起こして1日に何度も意識が薄れさせたりします。

ミオクロニー欠神てんかんは治療することが難しいため、脳の発達障害をおこしたり他のてんかんに移行したりてしまう可能性もあるでしょう。

小児てんかんは完治するの?治療方法は?

てんかんが完治する可能性がどのくらいあるのか、疑問に感じるママも多いでしょう。以下から、てんかんの完治の可能性や治療方法などを紹介します。

(カンジダ皮膚炎の治療法については以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の症状・原因は?薬など治療法は?自宅ケアの仕方も!

小児てんかんは完治するの?

小児てんかんは、完治する可能性が高い病気です。外科手術が必要な場合もありますが、適切な診断と薬の服用を行っていれば、発作を起こさずに生活し、完治させることもできるでしょう(※1)。

とはいえ、てんかんには完治しやすいタイプと治りにくいタイプがあります。中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかんや小児欠神てんかんは大人になるまでに完治するケースがほとんどですが、ウエスト症候群やレノックス・ガストー症候群は完治が難しいと言われています。

ただ、新しい抗てんかん薬が開発されたことで、ウエスト症候群やレノックス・ガストー症候群を発症したても、効果的な治療を受けることで完治の可能性もあります。

外科手術で治す方法も?

発作を起こす原因が明らかに脳である場合や抗てんかん薬をどう工夫して与えても発作が改善されない場合の他、発作が起こるようになってから3~4年経っても症状が改善されない場合などは、外科手術によっててんかんを治療することになります。

外科手術では完全に発作を抑え、てんかんを完治する「焦点切除術」が行われる場合もあります。一方、てんかんの発作を少なくし、症状を軽くする「離断術」や「迷走神経刺激療法」が行われる場合もあるでしょう。手術の方法などについては、医師とよく相談をしてみてくださいね。(※3)

ケトン食療法

炭水化物の量を少なくし脂肪を多く摂る食事をすることで体内のケトン体を作り出し、薬を飲んでも改善されないてんかんの発作を改善することをケトン食療法といいます。(※4)

必要に応じて専用のミルクを併用し、医師や栄養士の管理の元で行うことが一般的です。ただ、外国ではケトン食専用外来を設けている病院が多くありますが、日本では限られた施設でしか行われていません。

ACTH療法

副腎皮質刺激ホルモンを決められた期間毎日投与するのがACTH療法です。ACTH療法を行うと開始から1~2週間で効果が出て、50~90%の確率でてんかんを完治させることができると言われています(※3)。ただし、副作用としてほぼ全員にムーンフェイスという顔のむくみがあらわれるでしょう。

小児てんかんの診断の流れ

どのような流れで小児てんかんだと診断されるのか、知りたいママも多いでしょう。

小児てんかんの疑いがあって小児科に行った場合は、出生時に異常がなかったか、発作を起こすまでにケガをした経験はないかなど細かな質問をされます。発達の状況についても聞かれますので、問診の時は母子手帳を用意してくださいね。

小児てんかんの発作を何度も繰り返し起こす場合は、動画を撮っておくと良いでしょう。発作に入る前、発作を起こした後の様子まで記録しておくと、より正確に症状を伝えることができますよ。

(自閉症スペクトラムの診断基準については以下の記事も参考にしてみてください)

自閉症スペクトラムの幼児の症状の特徴は?原因や診断基準は?親の対応も!体験談多数

小児てんかんだと診断された時に注意するべきことは?

赤ちゃんや子供が小児てんかんだと診断された場合に普段の生活の中で気を付けるべきことはないのか、心配になってしまうママは多いでしょう。

小児てんかんだと診断された場合は、入浴の仕方に気を付ける必要があります。お風呂の中で発作が起きると、子供がおぼれる危険があるからです。必ず他の人と一緒にお風呂に入れるようにしましょう。湯舟に入れるお湯の量を少なくしたり、湯舟に浸かることを止め、シャワーだけにしても良いですね。

万が一お風呂の中でてんかんの発作を起こしてしまった場合は、子供の顔をお湯からあげ、息をしやすいようにしてあげましょう。子供の顔をお湯から上げることが難しい場合は、湯舟の栓を抜いて意識が回復するのを待ち、ゆっくりお風呂から引き上げるようにしてくださいね。

チラチラする光や強い赤色、縞模様など視覚の刺激によって、てんかんの発作が起こりやすくなる場合があります。視覚的な刺激でてんかんの発作を起こしたことがある子供の場合は、なるべくテレビやゲームの画面をなるべく見せないようにしましょう。

テレビやゲームを止めることが難しい場合は、抗てんかん薬を飲ませた上で部屋を明るくし、画面から離れさせるようにしてくださいね。12インチ以下の小さな画面に変更することも大切です。青色のサングラスをかけ、視覚の刺激を和らげる方法をとっても良いでしょう。

小児てんかんについて知っておこう

赤ちゃんがけいれんするところを見たら、パニックを起こしてしまうママは多いでしょう。

種類にもよりますが、てんかんは完治できない病気ではありません。てんかんと診断されたら適切な治療を受けてくださいね。小児てんかんを発症しても、普通の日常生活を送ることは可能です。過保護になって子供の発達を妨げてしまわないよう、気を付けてくださいね。

関連する記事