発達障害のグレーゾーンって?診断名がある子・健常児との違いは?親の適切な対応も!

発達障害のグレーゾーンとはどのように判断されるのでしょう。発達障害のグレーゾーンって?という疑問をはじめ、診断名がある子・健常児との違い、診断基準などを解説します。また、二次障害や、普通級・支援級どっちにすべきか、親の適切な対応を【体験談】を交えて紹介します。

目次

  1. 発達障害のグレーゾーンって?
  2. 発達障害のグレーゾーンと診断名がある子・健常児との違いは?
  3. 発達障害の診断基準
  4. 発達障害のグレーゾーンの二次障害とは?
  5. 発達障害のグレーゾーンの子供は普通級・支援級どっちにすべき?
  6. 発達障害のグレーゾーンの子供への親の適切な対応
  7. 発達障害のグレーゾーンについて知っておこう

発達障害のグレーゾーンって?

最近メディアで盛んに取り上げられるので「発達障害」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。しかし、発達障害の具体的な定義や、発達障害のグレーゾーンについて明確に答えられる人はまだ多くありません。

以下から発達障害の種類や、発達障害のグレーゾーンについて詳しく見ていきましょう。

発達障害のグレーゾーンとは

一般的に、医師が子どもの様子を診察し、発達障害の診断基準を満たしているかを確認することで発達障害だと診断されます。(※1)。医師の診断時、子どもに発達障害の傾向が認められるが、診断の基準を満たさないことを「発達障害のグレーゾーン」と呼ぶのです。

近年はインターネットの普及により、自分が知りたい情報を簡単に入手できるようになりました。

子どもに発達障害や自閉症の傾向を疑った時、インターネット上で公開されている診断基準をあらかじめチェックする親は多くいます。しかし、全ての診断項目に当てはまることは稀です。パパやママが発達障害を疑ったが、実際に医療機関で診断しなかった場合も「発達障害のグレーゾーン」と言われます。

(赤ちゃんが一人で笑う理由については以下の記事も参考にしてみてください)

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注意欠陥・多動性障害(ADHD)

発達障害の中には、注意欠陥多動性障害(ADHD)と呼ばれる病気があります(※1)。注意欠陥多動性障害の主な特徴は、衝動性と多動性、不注意です。落ち着きがなくじっとしていられない、集中力が長く続かない、自分の衝動的な感情をコントロールできないなどの症状があると、注意欠陥多動性障害が疑われます。

症状が軽度だと「落ち着きがない子」「そういう性格の子供」として見過ごされ、注意欠陥多動性障害の自覚がないまま大人になる可能性があります。

自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症(ASD)

自閉症スペクトラム障害(ASD)という病名を聞いたことがある人は多いでしょう。自閉症スペクトラム障害の特徴は、興味や関心が限定されていること、対人関係を築くことが難しいこと、特定の行動を繰り返すことです(※1)。そのほか、知的障害や感覚鈍麻などの症状を伴うケースもあります(※2)。

ただし、自閉症スペクトラム障害の人は知能指数が高い傾向があります。知能指数が高いことで、自閉症スペクトラム障害を持っていても「変わった子供」だと障害を見逃されてしまうことがあるのです。

近年では、障害に関する情報が多く公開されています。「大人になってから生きづらさを感じて医療機関を受診したら、自閉症スペクトラムと診断された」という人が増えていますよ。

(自閉症スペクトラムの幼児の症状や特徴については以下の記事も参考にしてみてください)

自閉症スペクトラムの幼児の症状の特徴は?原因や診断基準は?親の対応も!体験談多数

学習障害(LD)

発達障害の中には、学習障害(LD)という障害もあります(※3)。学習障害の特徴は「書く」「話す」「計算する」「聞く」「推論する」「読む」のうち1つまたは、複数に困難があることです。

ただ、学習障害の子供は視覚機能や聴覚、知的発達には問題がないので、程度によっては学習障害だと診断されにくいでしょう。

発達障害のグレーゾーンと診断名がある子・健常児との違いは?

発達障害を持っているなら、発達障害だと診断された方がママとしても子どもとしても生活しやすそうですね。グレーゾーンの子どもと診断名を持っている子どもとの間にどんな違いがあるのか、気になってしまうママは多いでしょう。

発達障害のグレーゾーンにいる子どもと診断名がある子どもには、どのような違いがあるのでしょうか? 以下から詳しく見ていきましょう。

エリアごとに見るとわかりやすい

発達障害の診断がつく子ども、グレーゾーンの子どもと健常児は、エリアで分類されています。エリア0はいわゆる健常児で、従来の保育や教育が通用する子供です。

グレーゾーンの子どもは、さらにエリア1.2.3に分かれています。エリア1の子どもは少し不器用な部分がある子ども、エリア2は集団行動が苦手、ルールが守れないなど人間関係で問題を抱えがちな子どもです。ただ、エリア2までは診断名がつきません。

エリア3は自閉症や学習障害など発達障害の診断名がつく子ども、エリア4はダウン症や脳性麻痺など知的障害の診断がつく子供です。

(子供の成長目安や自閉症の示唆については以下の記事も参考にしてみてください)

2歳4ヶ月の成長や発育目安は?子育てのコツは?自閉症の示唆などは?

発達障害の診断基準

発達障害の診断は、子どもにとってもママにとっても重いものです。発達障害の診断がどのような基準で行われているのか、詳しく知りたいママは多いでしょう。

子供の発達障害は「DSM-5」という、アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版に基づいて診断されます(※4)。ただし、診断基準は一つではありません。DSM-5のほかにも、心理検査や生理学的検査、問診などの診察を組み合わせて判断します。

以下から、心理検査や問診、生理学的検査で行われることをより詳しく紹介します。

心理検査

心理検査では、それぞれの能力のバランスを把握するために言語性IQ・全検査IQ・動作性IQなどの知的能力を測定します。

生理学的検査

自閉症などの発達障害が疑われた時は、生理学的検査としてMRIや頭部のCT、脳波検査などを行います。自閉症などの発達障害に似た症状が現れる、別の疾患が隠れていないかを確認するためです。

(赤ちゃんが他の子よりも泣かない場合は以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんが泣かない理由を知りたい!よく寝ているけど自閉症・障害?

問診

発達障害の診断をする際は、必ず問診をします。問診では、症状や子どもの成育歴、ママやパパそれぞれの家系に発達障害もしくは精神疾患のある人がいないかどうかなどが質問されます。

子供が学校や幼稚園・保育園に通っていると、集団生活している時の様子や成績について質問されることもあります。

(赤ちゃんが笑わない場合は以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんが笑う理由は?よく笑う子に育てるには?笑いがないと自閉症?

発達障害のグレーゾーンの二次障害とは?

発達障害のグレーゾーンではっきりした診断名がつかなかったり子供や周りが発達障害だと気づかなかったりすると、生きにくさから二次障害の症状が現れる可能性があります。発達障害の二次障害、と聞いてもどんな症状なのか想像しにくいと感じる人が多いでしょう。

以下から、発達障害における二次障害についてくわしく紹介します。

不安障害、気分障害(うつ病など)などの精神疾患

発達障害の二次障害として、不安障害や気分障害など精神疾患が現れることがあります。

発達障害の症状から、周囲に溶け込めず適応できないという悩みを抱える子どもは多いです(※5)。

しかし、発達障害のグレーゾーンで診断名が付かない、本人や周りの大人が発達障害に気付かないという状況が続くと「周囲に適応できないのは自分のせいだ…」と子どもが自分を責め、悩んでしまうことがあるのです。

一人で悩む状況が長く続くと、子供が不安障害や気分障害(うつ病)などの精神疾患にかかる可能性があります。子どもが何かに悩んでいる時は、周りの大人が相談に乗ってあげられると良いですね。

睡眠障害

夜になっても寝付けなない、昼間眠くなる、など睡眠に障害が出ることを「睡眠障害」といいます。周りに適応できない不安や焦りを感じていると、不安障害や気分障害と一緒に発症しやすいです。

子供が昼間眠そうにしたり、夜寝つきが悪かったりしたら一度医療機関に相談してみると良いでしょう。

不登校、ひきこもり、就労の継続が困難 など

子どもがある程度大きくなると、通学しますね。子どもが発達障害だと周りの大人が気づけていないと、社会生活に上手に適応できなかったり上手に会話できなかったりすることに不安や焦りを感じ、不登校になる可能性があります。

就職してから職場の人間関係に馴染めず、仕事をうまくこなせないと悩んでしまうこともあります。職場の人間関係や仕事がうまくいかず、仕事を辞めてしまうケースも見られますよ。

発達障害のグレーゾーンの子供は普通級・支援級どっちにすべき?

子どもを健常児が集まる普通級に通わせるか、発達障害の子供が集まる支援級に通わせるかはママと子どもにとって問題です。発達障害のグレーゾーンだと診断されたら、どちらに通わせるべきなのか悩んでしまいますね。

以下から発達障害グレーゾーンの子供を持つママ達の体験談を見ていきましょう。

普通級を選んだママの体験談

小学校2年生のママ

40代後半

発達障害グレーゾーンで診断は降りなかったのですが、私は黒に近い灰色なんじゃないかと感じています。

ただ、親が諦めたらダメだと思って普通級に通わせることにしました。もちろん、発達障害の特性を勉強し、子どもに困ったことがあったらすぐにアドバイスできるよう準備しています。

小学1年生のママ

40代前半

我が家は、子供に発達障害の傾向があることに気づいたのが小学校に入ってからだったので、最初は普通級に入れました。しかし、その後トラブル続きで支援級に…でも、いざ支援級に入ってみたら周りの子どもより症状が軽くて、また普通級に戻りました。

発達障害グレーゾーンではあるが比較的症状が軽度な時と、子供の可能性を潰したくないという考えがある時は普通級選ぶ親が多いです。

普通級と支援級をある程度自由に行き来できる学校なら、子どもの様子を見ながらどちらの教室に通わせるか判断しても良いですね。

支援級を選んだママの体験談

1児の母

40代前半

できれば普通級に通ってほしかったんですが、親のエゴだなって気づきました。日々息子の成長に目を向けていこうと思います。

小学1年生のパパ

40代前半

子供が小学校にあがるときに散々家族会議をして、支援級に通わせることにしました。これからまだまだ学び成長していく年齢なので「これができない」「あれができない」とできないことばかりを突き付けられるより、自分の速度で成長できる環境の方が良いだろうと。

子供に無理せず成長して欲しい、という気持ちで支援級を選ぶ親もいます。

発達障害のグレーゾーンの子供への親の適切な対応

日常生活において、発達障害の子どもや発達障害のグレーゾーンの子どもと関わる機会は意外と少ないですね。どのように接するべきなのか分からず、困惑してしまうこともあるでしょう。以下から、発達障害のグレーゾーンの子供に対する適切な対応を体験談を元に見ていきましょう。

二次障害の治療

女子中学生のママ

40代後半

娘にADHDの傾向があるといわれました。空気が読めないので、クラスメイトから仲間外れにされ、鬱になりかけているのに気づいて慌てて病院に行きました。

もう中学生なので「鬱の薬だよ」としっかり説明した上で飲ませています。

発達障害のグレーゾーンの子どもは、周囲に適応できないなどの悩みからうつ病や睡眠障害などの二次障害が出やすいといわれています。

二次障害の症状が出ていたら、まずは二次障害の治療ができる病院を受診しましょう。

発達障害グレーゾーンの人が利用できる相談先を見つける

1児のママ

30代前半

子供の発達障害を疑い病院に相談・受診したけどグレーゾーン。どうすれば良いのか分からず困っていたら、友人から市内の支援センターの存在を教えてもらいました。今は子供の特性や傾向を理解するよう努力しています。

グレーゾーンだと、発達障害のことをどこに相談するべきなのか分からず困ってしまいますね。

発達障害のグレーゾーンの子どもについて相談できる支援先や施設は自治体ごとに開設されていますので、積極的に利用しましょう。

ただし、市区町村によって発達障害グレーゾーンの人への支援内容が違うので、傷害保険福祉窓口でも相談できる場所がないか聞いてみてくださいね。

二次障害を防ぐ環境づくりが大切

2児のママ

40代前半

うちは下の子が発達障害グレーゾーン。ちょっとこだわりが強いです。

周囲への適応や相手に合わせることが苦手なので、幼稚園には入園前から相談しました。あと「何でも上手にできなくて良いんだよ」と自分や子どもに言い聞かせて、なるべく二次障害にかかりにくい環境を作っています。

周りに適応できない、上手に言葉を使えない、人の話を聞けないなどの性格から、社会生活でストレスを感じやすいといわれています。発達障害のグレーゾーンの子どもも、うつ病や不安障害を発症しやすいと自覚することが重要です。

発達障害の子どもは環境の変化やストレスに対する耐性が低いことが分かっています。入園や入学など環境が大きく変化する時は、子どものストレスを上手に逃す方法を考えてあげましょう。身近に相談できる人を作ったり、リラックス方法を一緒に探したりしてあげると良いでしょう。

発達障害のグレーゾーンについて知っておこう

発達障害は身近にある障害のひとつです。

万が一自分の子供に発達障害の傾向が出てきた場合に対応できるよう、発達障害やグレーゾーンについて知っておくことはとても大切です。グレーゾーンだと診断名が出ないので、進級の際に悩んでしまうこともあるでしょう。ぜひこの記事の体験談を参考に、子どもの発達や進級などについて考えてみてくださいね。

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