妊婦は生魚を食べちゃダメ?刺身や寿司を食べたいけど影響はある?

【医師監修】妊婦は生魚を食べないほうが良いとされています。でもたまにはお寿司やお刺身を食べたくなるときもあるでしょう。絶対に食べてはいけないのか知りたい方もいるはずです。今回は妊婦がお寿司やお刺身などの生魚を食べたときの胎児への影響や、気をつけるべき点などをご紹介します。

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専門家監修
島袋史
ゆいクリニック(沖縄市)院長。琉球大学医学部卒業。「生まれてからもずっと結ばれていたい」という母と子の想いに応えることが出来るような、祝福に満ちた場を創りたいという想いの下、・・・
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Contents
目次
  1. 妊婦は生魚を食べてはいけないって本当?
  2. 妊婦がお寿司やお刺身を食べた時に心配される影響は?
  3. 生魚に含まれている水銀とは?
  4. 一番懸念されている水銀による影響は?
  5. お寿司やお刺身などの生魚を食べたいときはどうすればいいの?
  6. 妊婦が生魚を食べる際に気をつけること
  7. 魚を食べることで得られる良いこともある
  8. 適度に取り入れ、健康的な生活を!

妊婦がお寿司やお刺し身を食べることにより、心配される影響をいろいろと見てきました。実際に食べるときに注意しなければいけないことは以下の2つです。このポイントを守れば妊娠中でも我慢せず、お寿司やお刺し身を食べることができるでしょう。

●鮮度が良いものを選び、食中毒に気をつける
●1週間に食べてよい量を把握し、過剰摂取に気をつける

生魚以外のおすすめの魚の調理法

生で食べるのが心配であれば、加工調理してとり入れるのがおすすめです。「煮魚」「焼き魚」「ムニエル」などにして野菜を添えれば、栄養もバランスよくとれるでしょう。また「ししゃも」「丸干しイワシ」「しらす」「ちりめんじゃこ」など丸ごと食べられる魚も、とても栄養価が高いです。

島袋史

産婦人科医

生で食べることよりも、魚に含まれる有害な重金属の過剰摂取を控えるために魚はできるだけ頭からしっぽまでみえるくらいの大きさの魚を捕るようにしましょう。小魚はおすすめです。又、刺身は大型魚なので、有害金属が心配です。量をたくさんとることは控えましょう。

魚を食べることで得られる良いこともある

魚には体に良い栄養素がたくさん含まれているので、積極的に取り入れたい食材でもあります。最後に魚を食べることで得られる良い点を見ていきましょう。

魚を食べることで得られる良いこともある【妊婦のカルシウム補給に最適】

魚には「カルシウム」や良質な「たんぱく質」「DHA」や「EPA」「タウリン」など、体に良い栄養素がたくさん含まれています(※1)。特に妊娠中は胎児に栄養を送るためにカルシウム不足になりがちです。

カルシウムが足りないとイライラしてしまい、妊娠中にメンタル面で大きな負担となります。おやつに「煮干し」を食べたり、「しらす」や「ししゃも」など骨まで丸ごと食べられる魚を取り入れたりしましょう。積極的にカルシウム補給を心がけてください。(※2)

魚を食べることで得られる良いこともある【子どもの脳の発育に好影響】

スペインの環境疫学研究センターの研究で、次のことがわかっています。妊娠中に多くの魚を食べた妊婦から生まれた子どもは認知機能テストで高い得点を記録したそうです。また発達障害の発生も少ないことがわかっています。

子どもの認知機能の発達には魚の脂とDHAがとても有効です。妊娠3か月までに摂取すると最も効果的であるという結果が出ています。DHAは神経組織の発達や脳に必要な成分です。胎児の発達にも良い影響をもたらすといえるでしょう。(※2)

島袋史

産婦人科医

魚を摂ることで、不飽和脂肪酸を摂取することができて、より血液さらさらになります。

魚を食べることで得られる良いこともある【子どもの運動能力に好影響】

アメリカのハーバード大学医学部の研究では次のことがわかっています。週2品の魚料理を食べた妊婦から生まれた子どもは「空間認知能力」「手指の運動能力テスト」で好成績を収めたそうです。また「視覚」「言語能力」の面でも良い結果が出ています。

「良質なたんぱく質」「カルシウム」を積極的に取り入れることで、胎児の体作りにも良い影響を及ぼしているのです。

適度に取り入れ、健康的な生活を!