妊婦は生魚を食べちゃダメ?刺身や寿司を食べたいけど影響はある?
【医師監修】妊婦は生魚を食べないほうが良いとされています。でもたまにはお寿司やお刺身を食べたくなるときもあるでしょう。絶対に食べてはいけないのか知りたい方もいるはずです。今回は妊婦がお寿司やお刺身などの生魚を食べたときの胎児への影響や、気をつけるべき点などをご紹介します。
妊婦は生魚を食べてはいけないって本当?【食べてもあまり影響のないお寿司やお刺身とは】
逆にあまり気にせずに食べられるお寿司やお刺し身もあります。以下の魚は水銀含有量はそれほど心配されていませんが、食べ過ぎには注意が必要です。またツナ缶の原料はマグロですが、厚生労働省の調べで影響が低いことが確認されています。どうしても気になる場合は、加熱調理済みの「ボイルエビ」や「穴子」「卵焼き」などを食べるとよいでしょう。
●サケ
●イワシ
●サバ
●カツオ
●サンマ
●タイ
●キハダ
●ビンナガ
●メジマグロ
●ブリ
●ツナ缶
●タコ
(妊娠中のその他の食事については以下の記事も参考にしてみてください)
妊婦がお寿司やお刺身を食べた時に心配される影響は?

妊婦が「お寿司やお刺身などの生魚を食べてしまった」「どうしても食べたい」といった時に、知っておいたほうが良いことをご紹介します。
妊婦がお寿司やお刺身を食べた時に心配される影響は?【トキソプラズマ感染症】
トキソプラズマ感染症とは、トキソプラズマという寄生虫によって引き起こされる感染症です。「犬」「猫」などの哺乳類や「ハト」「スズメ」などの鳥類のほぼすべてが持っています。一度感染すると免疫力がつくでしょう。
感染率は国や地域によって異なります。人への主な感染源は加熱が不十分な生肉や猫の糞便です。肉に関しては、日本では豚肉が危険視されています。魚からの感染はあまりありません。また感染経路ですが、空気感染や経皮感染はありません。

妊婦がトキソプラズマ感染症になると、胎児が先天性トキソプラズマ症になる恐れがあります。これはトキソプラズマが胎盤を通して胎児に感染することにより起こるのです。特に妊娠初期は感染率が高く、流産や死産になる可能性があります。生まれてきても「水頭症」や「視力障害」「脳内石灰化」「精神運動機能障害」になる恐れがあるでしょう。
他にも様々な障害の発症リスクが高くなります。国内ではトキソプラズマに対する承認薬や適応薬がありません。適応外での使用や個人輸入での治療しか今のところ方法がないのです。
妊婦がお寿司やお刺身を食べた時に心配される影響は?【食中毒】
食事の際にお寿司やお刺し身を食べることによって引き起こされる食中毒を紹介します。「リステリン菌」「黄色ブドウ球菌」「腸炎ビブリオ」「アレルギー様食中毒」です。妊娠中は免疫力が下がるので、食事には注意が必要といえます。
特にアレルギー様食中毒は「マグロ」や「カジキ」「サバ」「鮮度が落ちた魚」などに含まれる「ヒスタミン」や「アミン」が原因で引き起こされます。普段の食事では大丈夫でも妊娠中は注意したほうが良いでしょう。
これらは加熱用の「イカ」や「ブリ」などでも起こり得ることです。ヒスタミンは加熱調理では分解されないので十分注意してください。また貝類も「ノロウイルス」に感染しやすいです。しっかりと加熱調理してから食べることをおすすめします。魚介ではありませんが、生肉には「カンピロバクター」がいるので、こちらも十分注意してください。
(牡蠣については以下の記事も参考にしてみてください)
妊婦がお寿司やお刺身を食べた時に心配される影響は?【妊婦と胎児への影響】
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