妊婦は牡蠣に注意!カキフライなど加熱したものは大丈夫?

【医師監修】牡蠣は栄養が豊富でおいしいですよね。しかし、食中毒の原因になることも少なくありません。妊婦さんは牡蠣を食べない方がいいとよく聞きますが、本当でしょうか。妊婦さんが牡蠣を食べてはいけない理由や、牡蠣を安心して食べられる方法を紹介します。

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専門家監修
増田 陽子
内科医 、救急医。平成22年St. Methew School of Medicine大学医学部卒業 、Larkin Hospital、J.N.F Hospitalにて勤務。日本医師資格に加え、・・・
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Contents
目次
  1. 妊婦だっておいしい牡蠣が食べたいけれど
  2. 妊婦は牡蠣を食べちゃいけないって本当?
  3. 実は妊婦さんにも牡蠣はおすすめな理由
  4. 妊婦さんにおすすめの牡蠣の食べ方は?
  5. 妊婦さんが牡蠣を食べる時の注意点とは?
  6. 牡蠣はしっかり加熱すれば妊婦さんも大丈夫

葉酸はお腹の中の赤ちゃんの成長にとっても、大事な栄養素の1つです。不足すると細胞分裂の促進や神経管の発育などに影響が出ます。そのため妊婦さんに最も欠かせない栄養素と言えるでしょう。牡蠣には、そんな葉酸が豊富に含まれています。(※2)

妊婦さんが1日に必要な葉酸の目安は400㎍です。牡蠣には100gで40㎍も含まれており、魚介類の中では高い含有量です。牡蠣100gというのは大体2個分にあたる量とされています。

(葉酸については以下の記事も参考にしてみてください)

葉酸の多い食品・食材は?葉酸が含まれる妊娠中におすすめの食べ物25選!
【妊婦と葉酸】摂取はいつからいつまで?妊活中・妊婦の食べ物のおすすめは?

赤ちゃんの成長に大切な亜鉛もたっぷり

亜鉛も赤ちゃんの成長にとても大事な栄養素です。亜鉛不足になると、生まれてくる赤ちゃんが低身長や低体重になる危険性があります。実は牡蠣には亜鉛の含有量が多く、食べ物の中でも最も高いとされています。

妊婦さんの1日の必要量が11mgとされていますが、牡蠣100g中には13.2mgが含まれています。1日に2個から3個食べれば満たせてしまうわけですから、ぜひおすすめしたい食材です。

牡蠣には他の食べ物よりはるかに多くの亜鉛が含まれています。ミネラル不足になりやすい妊婦さんにとって、牡蠣は効率良く亜鉛を摂取するのにぴったりな食材でしょう。

牡蠣のタウリンは滋養強壮に効果的

牡蠣には滋養強壮に効果的なことで知られているタウリンも多く含まれています。タウリンはその他にもさまざまな効能があるとされています。血中にある悪玉菌を善玉菌に変えてくれるので、動脈硬化や高血圧の予防効果にもつながるそうです。疲れ目や肝臓の機能を高めてくれるともされているので、妊婦さんの大事な健康を守ってくれます。

これらの3つの栄養素以外に鉄分やカルシウムなども豊富に含まれています。その他多くのビタミン類も摂れるので、お腹の赤ちゃんと妊婦さんにはうれしい食べ物です。

(妊娠中の食生活については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠初期の食べ物!食べたくなるものは?避けるべき食品は?
妊娠後期の食事!おすすめのメニューやレシピ!量など注意すべき点は?

妊婦さんにおすすめの牡蠣の食べ方は?

そんなに栄養価が高いなら「妊娠中も牡蠣を食べたい」と感じる妊婦さんもいると思います。生牡蠣ではなく、十分に加熱をすれば大丈夫です。妊婦さんが食べても大丈夫なおすすめメニューをご紹介していきます。

おいしくて食べやすい「カキフライ」

サクサクとした食感がおいしいカキフライは、揚げることで十分加熱しているので、妊婦さんでも安心できるメニューの1つです。ただし、外食や中食で販売されているカキフライには注意が必要です。牡蠣のトロリとした食感を残すために中心部までしっかり加熱されていないものもあります。

そのようなカキフライだと、食中毒の原因となるノロウイルスが牡蠣の中に残存している危険があります。あたる可能性はゼロではありませんので、食べすぎないようにしましょう。

妊娠中でも好きなものを食べたいという気持ちはわかります。しかし、お腹の赤ちゃんの健康を考えるなら、なるべくカキフライなどに加工して食べたいですね。

体の芯から温まる「鍋物」