子宮底長とは?長さの測り方は?臨月での平均や長い・短いの基準値も解説

【医師監修】子宮底長について、くわしいことをご存知でしょうか?この記事では、子宮底長の意味や測り方、臨月の子宮底長の平均の長さを紹介します。さらに、子宮底長が平均よりも長い場合・短い場合の原因やそれぞれのリスクも紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

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Contents
目次
  1. 子宮底長とは?
  2. 子宮底長の長さの測り方は?
  3. 臨月の時の子宮底長の平均の長さ・正常値は?
  4. 子宮底長が正常値よりも『長い・短い』場合のリスク
  5. 子宮底長が正常値よりも『長い・短い』と診断されたら?
  6. 子宮底長は「目安」と考えて

臨月の時の子宮底長の平均の長さはどのくらいなのでしょうか。臨月の子宮底長の平均値と正常値について解説していきます。

(臨月については以下の記事も参考にしてみてください)

【医師監修】妊娠38週の妊婦・胎児の状態は?症状は?臨月の注意点!体験談も

臨月の時の子宮底長の平均の長さ

専業主婦

30代

臨月は子宮底長が平均よりもだいぶ長かった気がする。お腹もパンパンに大きかったし、結局産まれた赤ちゃんもかなり大きめだった。子宮底長の数値って、やっぱり赤ちゃんの大きさに比例してるのかも。

子宮底長の目安の数値は、妊娠20週目以降の場合「妊娠月数×3+3cm」で計算することができます。すなわち、臨月の場合の目安の長さは「10×3+3」で求められます。この計算から出される「33cm」が、臨月の時の子宮底長の平均の長さとなるのです。

臨月の時の子宮底長の正常値

専業主婦

30代

臨月に子宮底長を測定したら、なんと36cmでした。正常値の範囲内におさまってなかったから不安だったけど、先生は心配ないって言ってくれて無事に出産もできたよ。子宮底長の測定方法って、本当に目安なんだなって思った。

臨月の時の子宮底長の平均値は33cmになりますが、目安として32〜34cmの範囲内は正常値であると判断されます。この数値よりも明らかに長い・短い場合は、医師の判断により超音波検査などで詳しく検査する必要もでてきます。ただし、子宮底長には個人差や誤差もあるため、正常値からはずれたからといって過度な心配は必要ありません。

子宮底長が正常値よりも『長い・短い』場合のリスク

子宮底長が正常値よりも長い・短いとされるのは、平均値と大きく異なる場合です。平均値は、妊娠5ヶ月未満までは「妊娠月数×3cm」で計算され、妊娠6ヶ月以降は「妊娠月数×3+3cm」で求められます。妊娠5ヵ月未満は、その平均値よりも5cm以上の差があると短いと判断でき、平均値よりも1cm以上長いと基準値よりも長いと判断できます。

妊娠6ヵ月以降は平均値よりも2、3cm以上の差がある場合、基準値よりも長い・短いと判断すると考えましょう。

子宮底長が正常値よりも長い・短い場合、どのような影響やリスクがあるのか心配になりますよね。ここでは、子宮底長が正常値よりも長い・短い場合の要因とリスクについて解説していきます。

カズヤ先生

産婦人科医

エコー検査ができなかった時代は、この子宮底長を測定することで、ある程度、胎児の予想体重や羊水過多の有無を推測していたそうです。 今は胎児エコーで予想体重も羊水量も精密に測定することが可能です。 エコー技術が発達してから産婦人科医になった身としては、当時の医療の難しさを慮ります。

子宮底長が正常値よりも『長い』場合に考えられる要因

パート

40代

3人目を妊娠した時今までの妊娠よりもずっと子宮底長が長めで、28週には31cmに。羊水量を測ったら少し多めだと言われました。今まで羊水が多いなんて言われたことなかったから、本当に不安で。でも、結果羊水過多まではいかず無事出産。本当に何もなくてよかった!

子宮底長が正常値よりも長い場合に考えられる要因が、お腹の中の赤ちゃんが大きいことや羊水が通常より多くなる「羊水過多」の状態です(※2)。また、胎盤が通常の位置よりも低い部分にある状態の前置胎盤によって子宮底長が長くなっている可能性も考えられます。

さらに、子宮底長が正常値よりも長い場合に考えられるのが、ママの体重の増加です。体重が明らかに増えすぎていると、その分子宮底長も長くなる傾向にあります。

(胎盤については以下の記事も参考にしてみてください)

胎盤とは?どんな役割?成長の目安は?完成したら安定期?

子宮底長が正常値よりも『長い』場合のリスク

パート

30代

23週に子宮底長を測ったらなんと7cmも長く、誤差の範囲でもなく長すぎるとなってエコー検査することに。検査の結果、子宮が縦に成長しているってことで、胎児が大きいわけでも羊水が多いわけでもなかった。こんなこともあるんだってびっくり。

子宮底長が正常値よりも長い場合に考えられるリスクが、出生時体重が4000gを超える巨大児の出産です(※2)。この場合、出産に長く時間がかかり母体や胎児へ負担がかかる心配もあります。

さらに、出生時体重が4000gを超えると新生児期の低血糖のリスクも高まります。しかし、このような巨大児が産まれる確率は近年低下傾向にあり、子宮底長だけで判断できることでもないため過度に心配しすぎる必要もありません。

子宮底長が正常値よりも長い要因が羊水過多だった場合は、早産や常位胎盤早期剝離のリスクが高まることも考えられます。しかし、子宮底長の長さだけで羊水過多とは判断できませんので、こちらも過度に心配する必要はないでしょう。