妊婦は転倒に要注意!妊娠中の転ぶ・尻もち予防策は?流産の影響についても解説

【医師監修】妊婦さんが転倒した時の胎児への影響を【妊娠初期・中期・後期】の時期別に紹介。妊婦さんの転ぶ・尻もちを予防する対策や、妊婦さんが転倒した時に確認すべきこと、転倒した時にやってはいけないこと、病院に行くべき症状もあわせて紹介します。

Contents
目次
  1. 妊婦さんが転倒するのは危険?胎児への影響は?
  2. 妊婦さんが転倒した時に確認するべき4つのこと
  3. 妊婦さんの転ぶ・尻もちを予防する対策
  4. 妊婦さんが転倒したときにやってはいけない5つのこと
  5. 妊婦さんが転倒…病院に行くべき症状は?
  6. 妊婦は転倒に気をつけて!

妊婦さんが転倒するのは危険?胎児への影響は?

妊娠中は胎児の成長に伴って体つきが少しずつ変わって行き、体の重心も変化するため、妊娠前に比較すると転倒したり尻餅をついたりする危険性が高まります。また、つわりなどの影響で集中力が弱まることも、転倒しやすくなる原因の1つです。

妊娠中の尻餅や転倒は、胎児への危険な影響がある場合があるので、注意が必要になります。胎児への影響は、初期・中期・後期といった時期によっても変化していくので、時期に応じた対処が必要です。

公務員

30代

妊娠5ヶ月に入り、お腹も大分大きくなってきました。と思ったら、妊娠前だったら何ともないような段差でつまずいてしまい、しかもうまくバランスが取れずにそのまま転倒。結局軽い打撲で、胎児にも影響はなかったけど、本当にひやっとしました。

また、胎児は大丈夫でも母体に影響がある場合もあるでしょう。いずれにしても、妊婦さんの転倒は慎重に対応する必要があるのです。

妊娠初期の転倒は要注意

妊娠初期は、まだお腹も大きくなく、体つきも妊娠前とそう変わらないので、転倒することはあまりないかもしれません。しかし、妊娠初期はまだ胎盤や卵膜、羊水といったお腹の中の胎児を危険な衝撃から守ってくれるクッションが完成していないため、妊婦さんの転倒は危険を伴います。

胎盤や卵膜、羊水がまだ完成していない状態では、転倒や尻餅をついた際の衝撃が胎嚢の中にある胎芽に直接伝わることになるのです。すると、胎芽が直接転倒の影響を受けることになり、結果として流産につながる危険があります。

胎盤は妊娠16週ごろに完成しますので、それまでの時期は転倒の影響を胎児が強く受けることを理解しておく必要があるでしょう。妊娠初期は、体のバランスはあまり変わりませんが、だからといって油断をして転ぶことのないよう細心の注意が必要です。

リエ先生

産婦人科医

妊娠しお腹が大きくなってくると、重心が定まりにくかったり、足下が見えないことで転倒しやすくなります。妊娠中はヒールの靴は控えた方がいいです。また、自転車での転倒は大きな事故に繋がりやすく、あまりおすすめはしません。

(妊娠初期については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠初期の腹痛とは?生理痛とどう違う?原因と対策!実体験も!

妊娠中期は胎盤剥離に注意

金融関係

20代

妊娠21週にして、初めて転びました。お腹も大きくなってきたなとは思ってはいたけど、思いがけないところでバランスを崩したことにびっくり。膝が痛いだけで、お腹が張ったりはしてないけど、我が子が心配です。

妊娠16週目ごろになると、妊婦さんのお腹の中では胎盤や卵膜が出来上がっています。卵膜の中は羊水で満たされ始め、胎児を守るクッションのような役割をするようになるので、妊娠初期に比較して衝撃から守られるようになるのです。

しかし、妊娠初期に比較して転倒衝撃から守られやすくなるとはいえ、転ぶなどして強い衝撃が加わった場合には注意する必要があります。なぜなら強い衝撃によって、卵膜は破れてしまう場合もあるからです。その場合には、破水に繋がってしまうでしょう。

あるいは、完成したばかりの胎盤は剥離しやすい状況にもあるため、転倒によって胎盤が剥離してしまう危険もあります。胎盤が剥離すると、早産や最悪の場合死産の危険もあるので、やはり転倒は予防するに越したことはありません(※1)。

(妊娠中期のお腹の張りについては以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠中期のお腹の張りの原因は?対処する方法はあるの?

妊娠後期の転倒は胎児が怪我をする場合も

専業主婦

40代

ただいま妊娠8ヶ月。体調は全然良くて、元気なんだけれど、お風呂場で足を滑らせてすっ転びました。お腹はぶつけてなかったし、特に変化もなかったから、特に受診しなかったけど。今日の定期検診で赤ちゃんは無事だと確認できて一安心!

妊娠後期になると羊水の量も増えるので、胎児はかなりの強い衝撃でなければ、羊水の働きで衝撃を吸収できると考えられています。妊娠後期はかなりお腹も大きくなり、転倒しやすい時期となりますが、そのような危険から赤ちゃんを守れるように、妊婦さんの体も変化しているのです。

ただし、妊娠後期でも妊婦さんの転倒は、衝撃による胎盤の剥離を引き起こす場合もあります。この他にも、切迫早産、転倒の衝撃による前期破水の危険もあるので、リスクを避けるためにも転倒にはくれぐれも気をつけたほうが良いでしょう。

リエ先生

産婦人科医

歩いていて転倒した場合、赤ちゃんには大きな影響はないことがほとんどです。ただし、その後出血や破水が起こったり、胎動がなくなった場合には病院を受診しましょう。

妊婦さんが転倒した時に確認するべき4つのこと