妊娠初期のむくみの対策は?足のだるさや指のむくみの原因は?

【医師監修】妊娠後期に起こりやすいむくみですが、妊娠初期からむくむという方は少なくありません。手(指)や足がむくんでしまい、指輪や靴がきつく感じたりすることもあるのではないでしょうか。ここでは、妊娠初期のむくみが起こる原因とその対策法について解説します。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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Contents
目次
  1. 妊娠初期のむくみとは?手足がむくみやすいの?
  2. 妊娠初期のむくみの原因は?
  3. 妊娠初期のむくみは赤ちゃんに影響がある?
  4. 妊娠初期むくみを解消するにはどうすればいいの?妊娠初期のむくみに対策法はある?
  5. 妊娠初期のむくみと妊娠高血圧症候群は関係ある?
  6. 妊娠初期をむくみなく過ごすために

むくみを解消するための5つ目の対策は、疲れたと思ったらすぐに休むことです。妊娠中は体重の増加が気になってしまうものですが、過度な運動や食事制限は体に負担がかかり逆効果になりかねません。

体がむくみやすくなるほか、胎児の正常な発育や成長にも悪影響を及ぼします(※3)。過度な運動や食事制限は控え、疲れたと感じたら、しっかりと体を休めるようにしましょう。

(むくみの解消方法については、下記の記事も参考にしてください)

妊婦のむくみ(浮腫)解消法11選!妊娠中に足がむくみやすい原因は?
妊娠後期はむくみやすい!原因と解消法は?妊娠中毒症の危険も!

妊娠初期のむくみと妊娠高血圧症候群は関係ある?

妊娠中に体のむくみがあると「妊娠高血圧症候群」なのではと心配になってしまう方もいるでしょう。しかし、妊娠中のむくみと「妊娠高血圧症候群」は必ずしも結びつきません。以前は「妊娠高血圧症候群」は「妊娠中毒症」と呼ばれており、症状としてむくみが含まれていました。しかし、妊娠中のむくみは妊婦の30パーセント程が経験します。

出典:https://www.pinterest.jp/pin/639863059550819494/

そういった事実から、むくみだけで「妊娠中毒症」と診断することは間違っているとされ、「妊娠中毒症」の項目から削除されました。現在は名称も「妊娠中毒症」から「妊娠高血圧症候群」となり、高血圧の症状こそが一番注目すべきと考えられています(※1)。

リエ先生

産婦人科医

妊娠高血圧症候群は妊娠20週以降の高血圧、尿蛋白異常と定義されています。しかしむくみに加えて妊娠前から血圧が高い人や尿蛋白が強陽性の人はより厳重な管理が必要です。むくみ以外の症状がなければ、生理的なものなのでそれほど心配する必要はありません。

急な体重の増加や尿の減少とむくみが併発した時はどうすればいい?

上記でむくみは必ずしも妊娠高血圧症候群と結びつけるものではないとお伝えしました。しかし、むくみに加え、体重増加・尿の減少などの症状が見られた場合は注意が必要です。このような場合は、妊娠高血圧症候群の可能性が出てきますので、病院を受診してください。

妊娠初期をむくみなく過ごすために

妊娠初期にむくみが出てしまう方の中には、つわりやホルモンバランスの変化により、体が思うように動かせないという方もいるでしょう。

適度な運動はむくみ解消の方法の1つとして非常に有効です。しかし、無理をして運動をするのは逆効果となり、むくみが発生しやすくなることもあります。そのような方は無理に運動するのではなく、塩分の摂りすぎに注意した食事を心がけるとよいでしょう。

それでも塩分を摂りすぎてしまうのであれば、カリウムを含んだ食品を積極的にとり、余分な塩分と水分を体外に排出するようにしてください。手(指)や顔、足のむくみや足のだるさを気にするあまり、過度な運動をするのは母体にも赤ちゃんにもよくありません。

「適切な食事制限」と「同じ姿勢で過ごさない」「足湯などでリラックスしながら血行をよくする」などの方法を併用しながら、むくみ防止に努めてください。妊娠初期よりも妊娠後期の方がむくみやすい傾向にありますので、妊娠初期の内にむくみを解消する生活習慣を心がけるとよいでしょう。