【助産師監修】臨月の頭痛や吐き気の原因は?解消法・緩和法は?

【医師監修】臨月に頭痛や吐き気に悩まされる人は少なくありません。一般的な症状ではありますが、特に頭痛は危険なものもあります。臨月に起こる不快な症状、頭痛、吐き気、むくみなどの原因を知り、適切な解消法・緩和法を覚えておいて、快適な毎日を過ごしましょう。

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専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
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Contents
目次
  1. 臨月に起こりやすい不調って何?
  2. 臨月に起こる頭痛は大きく分けて2種類
  3. 臨月に起こる偏頭痛
  4. 臨月に起こる緊張性頭痛
  5. 妊娠中に頭痛薬を飲んでも大丈夫?
  6. 臨月にもできる頭痛への対処法・緩和法
  7. 臨月に起こる吐き気の原因とは?
  8. 臨月に起こるむくみの原因とは?
  9. 臨月の貧血はなぜ起こる?
  10. 妊娠高血圧症には要注意
  11. 適切な対処法を知れば、出産までの毎日はもっと楽しくなる

臨月に起こりやすい不調って何?

妊娠30週目になると、血液量の増加がピークを迎えます。また、臨月に入ると、子宮の位置が下がり、体は出産の準備を始めます。それに伴い、頭痛や吐き気、むくみなど不快な症状を感じる方も少なくありません。今回は特に、頭痛、吐き気、むくみの3つの症状に焦点を当て、原因や解消法・緩和法をご紹介しましょう。

臨月に起こる頭痛は大きく分けて2種類

臨月に起こりやすい頭痛には大きく分けて偏頭痛と緊張性頭痛の2種類があります。この2種類の頭痛は症状のほか、原因や解消法・緩和法も異なっているため、どちらの頭痛なのか見極めて対処する必要があります。まず、2種類の頭痛の見分け方は「どのような痛みか」と「吐き気があるかどうか」を確認することです。

臨月に起こる偏頭痛

偏頭痛の症状は脈を打つたびに、目の周りやこめかみがズキンズキンと痛みます。また動くとさらに痛みが強くなるのも偏頭痛の特徴です。逆に、しばらく安静にしていると痛みが和らぎます。

さらに、偏頭痛が起こっている時は音や光、においが平常時よりも気になります。そうした刺激に敏感になるほか、吐き気を伴うこともあります。ですので、目の周りやこめかみの辺りに脈を打つような痛みを感じるような頭痛や、吐き気を伴う場合は偏頭痛の可能性が高いといえます。

臨月に起こる偏頭痛の原因

偏頭痛は脳内の血流量が増えることで血管が拡張し、神経を圧迫することで起こるとされています。臨月には、妊娠前に比べ血液量が40~50%程増えるほか、ホルモンバランスが変化するので、脳の血管が広がりやすくなります。そのため脳の血流量が増えやすく、偏頭痛が起こりやすくなるのです。

偏頭痛は血流量が増えることで引き起こされる頭痛ですから、体を温める、動かすなど血行が良くなることをすると痛みが悪化してしまう可能性がありますから注意が必要です。

(妊娠後期に起こる頭痛の原因については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠後期の頭痛!痛みの種類と原因・対処法!妊娠中毒症の可能性も? | AKANBO[あかんぼ]

臨月に起こる緊張性頭痛

緊張性頭痛は頭全体を強く締め付けられたような痛みを感じます。また、動くと痛みが強くなる偏頭痛とは逆に、緊張性頭痛は軽く体を動かすと痛みが緩和するのが特徴です。緊張性頭痛の場合には吐き気を伴いません。

ですので、頭全体が強く締め付けられているような痛みがあり、吐き気を伴わない場合は緊張性頭痛の可能性が高いといえるでしょう。

臨月に起こる緊張性頭痛の原因

緊張性頭痛の原因は偏頭痛とは逆に、血行が悪くなり、血流量が減ることだとされています。臨月には大きく重くなるお腹や乳房を支えるため、首や肩などの筋肉が緊張した状態が続きます。そのため血行が悪くなりやすくなるのです。

それに加えて、臨月には子宮に羊水を蓄えるため、母体は水分不足に陥りやすく、このことも血行の悪化につながります。それらの要因によって緊張性頭痛が起こりやすくなるのです。

緊張性頭痛は血行が悪くなることで引き起こされる頭痛なので、長時間動かずにいたり、体を冷やしたりすると痛みが悪化する可能性が高いので注意が必要です。

妊娠中に頭痛薬を飲んでも大丈夫?