体外受精のリスクとは?流産・ダウン症・障害の確率は?
【医師監修】不妊治療として行われている体外受精はリスクを伴います。母体への負担や赤ちゃんの障害など、どれだけのリスクがあるのかを知ったうえで、治療を検討したいですよね。今回は体外受精によるリスクにはどのようなものがあり、確率はどのくらいなのかについて説明します。
体外受精ってどういうもの?
体外受精とは卵子と精子を体外で受精させ、子宮に戻して着床を促す治療方法です。自然受精で妊娠しない方でも体外受精により妊娠するという方はいます。人工授精の妊娠率が約5〜10%なのに比べ、体外受精の妊娠率は約20%を超える程です。移植あたりの妊娠率としては25〜30%程度です。
体外受精でのリスクは何があるの?
体外受精を検討したいという方で「母体への負担」や「流産」「障害児」として生まれてくるリスクを心配する方も多いでしょう。実際にどのくらいの確率でどのようなリスクがあのか説明します。
体外受精でのリスクの種類
体外受精におけるリスクは以下通りです。自然受精と体外受精で確率がさほど変わらないものや、確率的に極めてまれなものもあります。
●高額な医療費による金銭的なもの
●高齢出産による赤ちゃんのダウン症の確率が増える
●赤ちゃんの双子(多児)の可能性が増える
●卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になるリスク
●流産になる確率が増えるリスク
●赤ちゃんがキメラという症状になる可能性
●採卵時の腹腔内出血、膀胱出血や麻酔による母体への負担
●骨盤内感染症になる可能性
●先天性異常などの障害児となる可能性
●子宮外妊娠が起こる可能性
体外受精における母体へのリスク
まず体外受精をすることによって受ける「母体への負担」や「リスク」がどのくらいなのかを詳しく説明します。
体外受精における母体へのリスク【卵巣過剰刺激症候群(OHSS)】
体外で受精卵を作るために、卵巣から卵子を採取する際、排卵誘発剤を使用します。(※1)多くの卵子が必要になるからです。卵子が無事に受精し、細胞分裂を繰り返して良い受精卵になる確率は50%以下といわれています。
排卵誘発剤を使用することにより、卵巣が過剰に反応して腫れ上がったり、様々な症状を引き起こしたりします。それが卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という病気です。
基本的には卵巣の腫れやわずかな腹水が見られる程度の軽症で済みます。稀に下腹部の不快感や痛みが酷くなったり、腹水や胸水の量が多くなったりと、重症化することがあるでしょう。重症化した場合には入院が必要になるなど、母体への負担も大きくなります。
その他にも血液がドロドロになったり、呼吸困難に陥ったりすることもあり、重篤化する確率は1~2%です。
(排卵誘発剤については以下の記事も参考にしてみてください)
体外受精における母体へのリスク【リスクを減らす方法】
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