排卵誘発剤とは?注射が内服薬より良い?種類や費用、副作用は?体験談も!
【医師監修】不妊治療に欠かせないのが、排卵誘発剤です。排卵誘発剤とはどんな薬で、注射が内服薬より効果があるのでしょうか、排卵誘発剤の種類や費用、副作用などについて、ドクターの助言や先輩ママの体験談を交えて説明します。妊活を考えている方はぜひ参考にしてください。
排卵誘発剤ってどういうもの?
不妊治療はまず「タイミング法」から始め、「人工授精」「体外受精」と治療を進めていきます。これらの治療をするにあたり、妊娠の確率を上げる役割を果たすのが排卵誘発剤です。また排卵誘発剤は「無排卵月経」や「多のう胞性卵巣症候群」などの、排卵に障害が見られる不妊症を治療するため使用されることもあります。(※1)
(不妊治療については以下の記事も参考にしてください)
排卵誘発剤には注射と内服薬がある
排卵誘発剤といってもその種類は様々で、注射タイプのものもあれば内服薬もあります。ではどのような種類があるのでしょうか。(※1)
排卵誘発剤には注射と内服薬がある【hCG(注射)】
hCGはヒト絨毛性(じゅうもうせい) ゴナドトロピンというホルモンの一つで、排卵を促す役割を持っています。つまりhCG注射をすれば、排卵のタイミングを意図的に特定させることができるのです。妊娠の確率を上げるのに、かなり有効的であるといえます。
hCG注射のもう一つの役割は、妊娠しやすい環境を整えることです。排卵されたあと着床しやすい環境にするために、本来は子宮内膜を厚くするLH(黄体形成ホルモン)が分泌されます。このLHの分泌が少ない場合に補充の役割で投与されるのが、ほぼ同様の作用を持っているhCGなのです。
また排卵障害が原因の不妊症を治療する際、多くの場合クロミッドという排卵誘発剤(内服薬)を使います。それでも改善が見られない場合には、hMG-hCG療法(ゴナドトロピン療法)という排卵誘発法を行うのです。この時hMG注射と共に使われるのがhCG注射となります。(※1)
まずhMG注射を打って卵胞を育て、卵胞が十分成長したタイミングでhCG注射を打ち、排卵を促すのです。
排卵誘発剤には注射と内服薬がある【hMG(注射)】
hMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)は閉経した女性の尿からつくられる性腺刺激ホルモンのことです。FSH(卵巣刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が配合されています。LHの配合率によってさまざまな種類があるのです。hMGは卵巣に直接作用するのが特徴で、卵胞を大きくする役割を持っています。(※1)
カズヤ先生
産婦人科医
hMG製剤の使い方には注意が必要で、多嚢胞性卵胞(たのうほうせいらんそう)の患者さんなどには、卵胞発育を促しすぎると 卵巣過剰症候群(OHSS)を引き起こす可能性があります。 不妊専門医と相談しながら、慎重に使用していきましょう。
排卵誘発剤には注射と内服薬がある【セキソビット(内服薬)】
セキソビットは錠剤の内服薬でシクロフェニルとも呼ばれる排卵誘発剤です。主に「無排卵月経」や「希発月経」の方の治療に使われます。脳下垂体前葉に作用し、性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)である「FSH」や「LH」を分泌させるのです。卵胞の成長を助け、排卵も促します。内服剤の中でも特に作用と副作用が軽いという特徴を持っています(※2)。
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