妊婦の旅行はいつまで大丈夫?妊娠中の旅行の持ち物や注意点まとめ!

【医師監修】近年「マタニティ旅行(マタ旅)」という言葉もメディアに取り上げており、「妊娠中に旅行を楽しみたい」という妊婦さんが多いことがうかがえます。今回はそんな妊婦さんに向けて、妊娠中の旅行での注意点や知っておくべきポイントをご紹介します。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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Contents
目次
  1. 妊婦さんは旅行にいっても大丈夫?
  2. マタニティ旅行(マタ旅)の裏側を知っておこう
  3. どうしても妊娠中に旅行にいきたい
  4. 妊娠中の旅行にいくならいつまで?
  5. 妊婦さんが旅行にいくときの持ち物と注意点
  6. 妊婦さんは温泉は入っても大丈夫?
  7. 妊娠中に飛行機に乗るのは問題ない?
  8. 妊娠中はお腹の子のことを最優先に考えた行動を

妊婦さんは旅行にいっても大丈夫?

近年、マタニティ旅行(マタ旅)という言葉が流行っており、安定期の時期に入ってから旅行に行く妊婦さんが増えています。ひと昔前は妊婦さんの旅行は危険とされ、安定期の時期であったとしても旅行へいくことはありませんでした。妊婦さんが旅行へ行くことで胎児に影響はあるのでしょうか。

妊婦さんは妊娠中を通してリスクがある

妊娠初期は流産の危険性が高く、妊娠中期から後期の時期にかけては早産や破水などのリスクがあります(※1)。妊婦さんは妊娠中ずっとリスクを抱えながら過ごしているのです。いつまでなら旅行にいけるのかという単純な話ではありません。生活圏からあまり離れずに直ぐにかかりつけ医に診てもらえるようにしておくことが大切です。(※2)

(妊娠中のリスクについては以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠6ヶ月は体重やお腹の張りに注意!胎動は?流産のリスクは?
妊娠2ヶ月目!流産リスクは?症状・つわり、気をつけること!

産婦人科医は妊婦さんの旅行をおすすめしていない

観光雑誌などではマタニティ旅行(マタ旅)の特集が組まれたりして楽しそうですよね。しかし、産婦人科医はマタニティ旅行を推進していません。妊娠中の時期は妊婦さんの体調が崩れやすかったり、胎児の状態が急変したりすることから警鐘を鳴らしている産婦人科医がたくさんいます。

マタニティ旅行(マタ旅)の裏側を知っておこう

マタニティ旅行(マタ旅)を計画している方は、マタニティ旅行の危険性を知っておくべきでしょう。マタニティ旅行についての産婦人科の意見を知ったうえで、旅行にいくかを検討してみてください。

マタニティ旅行の裏側【流行にはメディアや観光産業の商業的な意図がある】

マタニティ旅行(マタ旅)の流行には、妊婦さんという市場にアプローチして利益を得ようとしている側面があります。妊婦さんが楽しく過ごせるような情報やサービスを提供することは悪いことではありません。ところが、危険性を加味せずに情報を発信しているものも多いのです。マタニティ旅行はその代表的な例と言えるでしょう。

安定期の時期の旅行を強く勧めるている旅行情報サイトもたくさんあります。現代社会は情報社会とも言われていますので、情報の取捨選択をすることも必要でしょう。

マタニティ旅行の裏側【安定期でも妊婦へのリスクは常にある】

「安定期」は妊娠5~7ヶ月の3ヶ月間の時期を指します。勘違いされやすいですが、安定期は「胎児が流産や早産をしない時期」ということではありません。「胎児がしっかりと育つ環境が安定した時期」ということです。安定期でも赤ちゃんは外の世界で生きていく準備の真っ最中なので、早産や流産のリスクはまだまだあります。

また、安定期という言葉も日本独自のもので海外では安定期の概念はありません。妊娠中は出産の準備段階で、出産するまではいつまでも危険が伴うのです。赤ちゃんにとっては安全な状態が必需品と言えるでしょう。