胎動が少ない・弱い・感じない…原因と対処法は?ダウン症などの可能性も?

【医師監修】胎動が少ない、弱い、感じない時、赤ちゃんはどんな状態なのでしょうか。胎動が少ない、弱い、感じない場合に考えられる原因と対処法について紹介します。また、胎動が弱いとダウン症の可能性があるという噂もあるようです。胎動で悩んでいるママの不安解消に役立ててくださいね。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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Contents
目次
  1. 胎動を感じるのはいつ頃から?
  2. 胎動が少ない、弱い、感じない、その原因は?
  3. 胎動が少ない、弱い、感じない時の対処法
  4. 胎動が少ない、弱い、感じない時の受診の目安は?
  5. 胎動が弱いとダウン症などの可能性があるって本当?
  6. 胎動が少ない、弱いのは元気がないわけじゃない
  7. 胎動の感じ方は人それぞれ!あわてず胎動があるか確認を

子宮の中の羊水の量が多い人は胎動を感じにくい場合があります。羊水の量は個人差があるため、多めだからといって異常があるわけではありません。もし妊娠20週を過ぎても胎動を感じにくかったり、胎動が弱くて気になるようであれば羊水の量について聞いてみてもいいでしょう。

羊水の量が多くても医師から指摘がなければ個人差の範囲なので特別な対処はまったく必要ありません。ただし、急に羊水が多くなったような場合は羊水過多症といって治療が必要になることもあります。エコーで羊水の量に異常がないかは医師が確認するため、妊婦健診の際に説明があれば指示に従うようにしましょう。

胎動が少ない、弱い、感じない時の対処法

胎動が少ない、弱い、感じない時は、それが赤ちゃんにとって問題がありそうな状況か判断し対処する必要があります。どのようにしたらいいのか対処法を紹介するので、ぜひ参考にしてみましょう。

胎動が少ない、弱い、感じない時はまず試そう!10カウント法

胎動が少ない、弱い、感じないなど気になる時は、胎動の数をカウントして調べる方法があります。もっとも一般的な10カウント法を紹介するので、気になる時だけでなくぜひ日頃から取り入れてみてください。

胎動がはっきりと感じられる20週ころから妊娠後期に入り臨月を迎えてお産の時期になるまで継続して行うのがおすすめです。日常的に赤ちゃんがどんなペースで活動しているのか知っておくとよいでしょう。

10カウント法のやり方は、体の左側を下にして寝転がった状態ではっきりとわかる胎動を10回確認するまでにかかる時間を計測します。弱くてわかりにくい胎動やしゃっくりはカウントには入れません。10回カウントするのにかかる時間は平均的に10~20分ほどです。30分以上かかった場合は時間をおいてやり直してみましょう。

●胎動を10回数え終わるまでに1時間以上かかる
●何度かやり直してみても10回数えるのに30分以上かかる
●日頃の結果よりも急に時間がかかるようになった

10カウント法を試してみて、上記の3点のような結果だった場合には対処する必要があるか医師に確認するようにしましょう。赤ちゃんも日によって動きは違うので、日頃から計測しておくことで対処する必要があるかどうか判断しやすくなります。

(胎動カウントについては以下の記事も参考にしてみてください)

胎動カウントとは?いつからやるべき?やり方や平均も知りたい!

少ない、弱い、感じない場合に胎動を感じやすくする方法

女性

(20代後半)

お腹の赤ちゃん、夜中になると元気になってよく動く!私が横になるとすごい動き出すんだよね。胎動すごすぎてなかなか眠れないこともあるけど、寝る前に「今日も元気だよ!」って教えてくれてるみたいで安心するな。

このように寝る前などはママもリラックスしているため、夜の時間帯は胎動を感じやすいです。胎動を感じやすくするにはリラックスしていることが大切です。テレビやスマートフォンなど視覚から刺激が入ると脳が興奮状態になりリラックスができません。なるべく目を閉じて横になりゆったりする時間を作るようにしましょう。

お腹の赤ちゃんに向かって話しかけたり、お腹をなでたりすることも刺激となって赤ちゃんが反応する場合があります。妊娠8ヶ月を過ぎると赤ちゃんはお腹の中にいても周りの音や人の声を感じられるようになるといわれています。ぜひ赤ちゃんに話しかけてみましょう。

また、普段よく赤ちゃんが蹴ってくる場所をトントンと刺激してみると蹴り返してくれることもあります。臨月になるころには、ママのお腹の皮膚の上からでも赤ちゃんの足や手の形がわかるほど強く押し返してくることもあるでしょう。

中には胃腸が動くことが刺激になるのか食事中に胎動を感じる人もいます。胎動を感じにくい人は食事中に赤ちゃんが動く感覚がないか少しお腹に集中してみましょう。

胎動が少ない、弱い、感じない時の受診の目安は?

胎動が少ない、弱い、感じないなど気になる場合は、まずは先ほど紹介した10カウント法を実施してみましょう。当然赤ちゃんも睡眠を取ったり動かない時間があるため胎動を感じない時間があっても異常ではありません。

しかし、継続して胎動をまったく感じない場合は深刻な状況であることも考えられます。半日以上胎動を感じない場合にはすぐに医師に相談し対処しましょう。

「赤ちゃんが元気かどうか気になる」という理由で妊婦健診以外で受診することに気が引ける人もいるかもしれません。しかし、赤ちゃんの異常を察知できるのはママだけです。赤ちゃんに異常がないか調べてほしいとお願いして怒られたり断られることはありません。不安な時は電話で問い合わせをするなどひとりで抱え込まないようにしましょう。

胎動が少ない、弱い、感じない時に気をつけたい「胎児機能不全」

胎動が弱い、少ない、感じないという場合に気をつけて欲しいことに「胎児機能不全」というものがあります。これは胎盤の機能の低下やへその緒に異常がある場合などに、胎児へ送られる酸素量が不十分で胎児が弱っている状態のことをいいます(※2)。

前置胎盤や常位胎盤早期剥離など胎盤の機能が低下している場合は妊娠高血圧症などを引き起こす可能性もあるため、一刻も早い対処が必要です。

妊婦健診で何か注意すべき点があると説明されている場合にはより注意が必要です。10カウント法を日頃から実施するなど、臨月を迎え出産するまで胎動を気にかけておく必要があります。胎児機能不全を起こす原因となる症状を抱えている妊婦さんは、胎動が感じられない時間が長いと思った時点ですぐにでも相談をした方がよいでしょう。

胎動が少ない、弱い、感じないなど不安な時は妊婦健診で聞いてみよう