【医師監修】妊娠初期は流産しやすい?兆候や確率は?出血は危険?

【医師監修】妊娠が分かると、嬉しさで幸せいっぱいです。しかしその反面、妊娠初期は特に不安な時期でもあります。妊婦さんの約10人に1人がなるといわれている流産。そのため少しでも腹痛や出血があると心配になりますよね。ここでは妊娠初期の流産の症状や原因、そしてどんな兆候があるのかご案内します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 流産って?自然流産と人工流産の違いは?
  2. 妊娠初期の流産の兆候は?
  3. 妊娠初期に生じる流産の確率は?
  4. 妊娠初期の流産の原因とは?
  5. 妊娠初期の出血!気をつけたい症状は?
  6. 妊娠初期の流産で手術が必要な場合は?費用や時間は?
  7. 妊娠初期の流産の前処置や処置の流れは?
  8. 次の妊娠へ備えましょう

(さまざまな流産の種類については、以下の記事も参考にしてみてください)

流産の種類は?確率は?週数、年齢との関係性について!

妊娠初期の出血!気をつけたい症状は?

妊娠初期の出血は、お産を経験した妊婦のおよそ20%が経験しています。少量の出血から月経時を上回る大量の出血の場合もあります。

流産を経験した人によると、「レバーのような血塊や黒い塊が出た」「卵の白身のような透明状の物が出た」といった症状があるようです。似た様な出血に心当たりがある場合は、大至急医療機関に電話してください。

妊娠初期の出血の対策法

もし出血していることに気がついた場合には、症状を確認してから、焦らずに医療機関に電話してください。 その際は、下記のことについて伝えられるようにしておきましょう。

●いつくらいから出血しているか?出血量はどのくらいか?
●妊娠週数現在何週目であるのか?
●現在痛さは有るのか?どの程度の、どんな痛みなのか?
●腹部のハリは有るのか?どれぐらいハリがあるのか?


出血の量は微少?月経のような量?

出血の量にも用心するようにして下さい。少しの出血でも、長く続く際には注意が必要です。月経時と同等の出血量の場合は、切迫流産もしくは流産の危険度が高くなっていることがあります。直ちに産婦人科へ電話するようにしてください。

この時点で意識すべきことは、自分で判断しないことです。出血の色や量で原因を自己判断することは不可能です。僅かな出血だったとしても流産の危険を伴います。「量が多くないから」などとそのままにしないように、少しでも「おかしい」と思ったら病院へ行きましょう。

出血が止まると問題ない?

妊娠中の出血は、少しの量で止まる可能性もあります。また、腹痛も横になっていたら治まるかもしれません。しかし、出血や痛みを伴ったという事は、何らかの原因があったと考えるのが得策です。すぐ治ったからと安心するのではなく、万が一に備えて産婦人科を受診しましょう。

妊娠初期の流産で手術が必要な場合は?費用や時間は?

妊娠初期の流産において手術が必要な場合があります。これは、次なる妊娠に向けて準備を整えるためです。

不全流産や稽留流産の場合、手術が必要な場合が多いです。この手術では、絨毛組織(母体と胎児の物質の交換が起こる部位)を取り除く処置をします。この絨毛組織が残っていると、HCGというホルモンの分泌が続き、次なる排卵、妊娠ができないからです。

一方、完全流産は手術が不要な場合が多いです。絨毛組織がごく自然に排出されるので、HCGもいっきに減って月経、排卵が再び開始されることになります。つまり、自然と次なる妊娠に向けて準備が整うので、完全流産では流産手術での処置は不要です。 手術の有無は病院によって異なります。医師としっかり相談して決めることが大切です。

カズヤ先生

産婦人科医

不全流産や稽留流産の場合は、子宮内にい残物が留置されたままの状態になりますので、ダラダラと出血が続く原因にもなります。 きちんと産婦人科専門医のもとで処置をされることをお勧めします。