稽留流産が原因でつわりがなくなる?兆候は体の変化に現れる?

【医師監修】妊娠が判明して嬉しい半面、つわりがパタリと止まり、不安になり病院へ行ったら稽留流産と言われた…など、妊娠中は予期せぬ事態が起きてしまう場合もあります。今回は妊娠中起きてしまうかもしれない稽留流産について、つわりやその他妊娠症状との関係性も合わせてご説明します。

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専門家監修
鈴木元晴
日本産科婦人科学会専門医医学博士。2000年に埼玉医科大学産婦人科学教室に入局。大学病院や同大学総合医療センターで勤務。主に生殖医療に従事し、不妊に悩む女性に寄り添う治療を行ってきました。・・・
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Contents
目次
  1. 稽留流産とは
  2. つわりと稽留流産は関係あるの?
  3. つわり以外の稽留流産の兆候
  4. 症状が落ち着くのはいつ頃?
  5. 稽留流産と診断されたら
  6. 稽留流産後の妊活はいつから可能?
  7. つわりなどの症状をよく観察しましょう

つわりの種類

つわりにはいろんな種類があり、つわりがひどくなる人もいれば、胃のむかつき程度しか感じない人などそれぞれです。一般的によく知られているつわりの種類は下記の通りです。

●食べ物を受け付けず吐き気や嘔吐する「吐きつわり」
●空腹になると気持ち悪くなり常に食べ続ける「食べつわり」
●口内のよだれの分泌が止まらないせいで気持ち悪くなる「よだれつわり」
●いつでも何をしても眠気が起きてしまう「眠りつわり」

この中でも妊婦さんの多くは「吐きつわり」のタイプに当てはまります。食事が喉を通らず、1日に嘔吐を何度も繰り返しつわりがひどくなる場合は「重症妊娠悪阻」と言われ、入院での治療が必要となります。入院を避けるためにはつわりがひどくなる前に、通院で点滴治療を行うなどの対処方法もあります。

つわりは変化する場合も

通常、胎盤が出来上がる16週頃にはホルモンの増加も落ち着き、次第につわりがなくなってきます。しかし、つわりの症状が出始め、これからつわりがひどくなるはずの時期に急に症状がなくなってしまった場合などはホルモンの増加が停止しまったとして、稽留流産の疑いがあります。

しかし、つわりにはその日によって波があるので、つわりが弱くなったと思っても翌日つわりがひどくなるという事もあります。吐きつわりから食べつわりなど、つわりが変化する事も珍しくありません。いつもの体調と違う症状が出たら、それは流産の兆候ではなくてつわりの変化かもしれません。つわりの変化で流産の心配に惑わされないようにしたいですね。

もともとつわりがない人もいます

妊娠は十人十色。体質の影響もあるので、つわりがひどくなる時期にも関わらずつわりを感じていなくても妊娠が順調な方もいます。

つわりがないとどうしても周りと比べがちで「皆はつわりあるのに私はないから流産?」と余計に不安に思う事もあると思います。この場合、流産ではなくもともとつわりを感じにくい体質である場合が多いのですが、どうしても心配な場合は医師に相談して妊娠が順調なのか確認しましょう。

稽留流産後はつわりはなくなるの?

通常、稽留流産の場合は子宮から胎嚢や厚くなっていた内膜を取り出すために「子宮内容除去術」という流産手術を行います。この流産手術によって妊娠ホルモンであるhCGホルモンの分泌は停止し、体の妊娠状態は終了するのでつわりもほとんどなくなります。

また、ごくまれのケースですが、流産手術で胎嚢の一部などが取り残してしまった場合につわりが続いてしまうことも。その際は再度流産手術を行い、摘出しきれなかった子宮内容物を取り出します。「稽留流産の手術を受けたのにつわりがひどくなる」という場合は、早めに病院へ行きましょう。

(つわりについては以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠初期のつわりや疲れやすさはいつまで?理由と対策は?
妊娠初期につわりの症状!吐き気の原因と対策!つわりにも種類がある?

つわり以外の稽留流産の兆候

稽留流産の兆候にはつわり以外の症状もあるのか気になりますよね。実は「胸の張りが落ち着いたような…」「基礎体温が昨日より少し下がった」などの胸の張り具合、基礎体温の変化も稽留流産の兆候である場合があります。症状に関しては個人差もあり、あくまで参考ですが下記ではつわり以外の稽留流産の兆候についてご紹介します。

基礎体温の変化

出典:https://www.pinterest.jp/pin/760967668274777145/