稽留流産が原因でつわりがなくなる？兆候は体の変化に現れる？

通常、妊娠初期の基礎体温は高温期が続き、人によっては妊娠ホルモンの分泌によって通常の高温期よりも更に高い体温となっている場合もあります。しかし、稽留流産の場合、妊娠中高いはずの基礎体温が低くなる事が多いです。1日だけの体温の低下であれば外気の影響や睡眠不足、体調不良などの影響も考えられますが、2日以上続けて基礎体温が低下している場合は稽留流産の兆候として考えられます。

この場合は基礎体温が下がっている旨を病院に連絡して、医師の指示を仰ぎましょう。必要であれば受診を促される場合もあります。その際は基礎体温表を忘れずに持参しましょう。

市販で売られている妊娠検査薬の多くは生理予定日1週間後から使用できるもので、hCGの分泌量が50IU/L以上で感知できます。生理予定日1週間後であればhCGの分泌量は50IU/Lを超えており、妊娠検査薬の判定線は終了線並みに濃く出ます。しかし、一度濃い反応だった妊娠検査薬が、後日また検査した際に薄い反応が出た場合はhCGの分泌が停止し、減少していると考えられます。（※3）

hCGが減少しているという事は正常に妊娠が継続している状態とは言えません。もしかすると流産になっている場合もあるので、妊娠検査薬の結果が日に日に薄い反応になる場合は次回の検診を待たずに、医師に相談した方が良いでしょう。

妊娠初期は着床後に急激に増加するプロゲステロンというホルモンの影響で、乳房や乳首が痛くなったり、胸の張りなどの症状が現れます。プロゲステロンは胎盤が出来上がる頃に次第に分泌量が減少しますので、妊娠5カ月頃になると胸の張りも落ち着いてきます。

しかし、まだ胎盤が出来ていない時期なのに胸の張りや痛みが治まった場合は、母体の不安定な体調が原因である場合もありますが、稽留流産の兆候の可能性があります。

基礎体温や妊娠検査薬について、更に知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。

稽留流産後は精神的ストレスなどの影響から、ホルモンが乱れがちになります。しばらくは基礎体温のグラフもガタガタし、流産前の安定した基礎体温に戻るには最低でも2周期程かかります。また、胸の張りや痛みなどは流産後比較的早く治まる場合が多いですが、なかなか胸の張りが治まらない人もいます。この場合は次回生理予定日になる頃には落ち着いてきますので焦らず過ごしてください。

そして、妊娠検査薬ですが、通常であれば流産手術後2週間程度で反応が消えます。2週間経っても妊娠検査薬の反応が強い場合は子宮内組織の取り残し、あるいは子宮外妊娠の可能性も出てきます。流産手術後は血液検査などでホルモン値を測り、流産後の体を経過観察する病院もありますが、血液検査をしていない場合は異常の発見が遅れる事もあるので医師に相談しましょう。

(妊娠初期の流産の症状については以下の記事も参考にしてみてください)