化学流産する原因は?症状は?その後の妊娠への影響や妊娠検査薬を使うタイミングも解説

【医師監修】妊娠検査薬は陽性なのに、化学流産になってしまったというケースは少なくありません。改めて化学流産の原因、症状、その後の妊娠への影響、妊娠検査薬を使うタイミングなどについて、体験談やドクターの助言を交えて解説します。妊活中の方はぜひ参考にしてください。

Contents
目次
  1. 化学流産とは?症状は?
  2. 化学流産はいつからいつまでの期間に起こる?
  3. 化学流産する原因は?
  4. 化学流産を予防することはできる?
  5. 化学流産後の妊娠・生理への影響は?
  6. 妊娠検査薬を使うタイミングは?
  7. 化学流産を経験した人たちの体験談!
  8. 化学流産のことを知っておこう!

化学流産とは?症状は?

妊娠の極めて初期の時期に起きる流産のことを化学流産といいます(※1)。精子が卵子の中に入って受精し、受精卵の状態まで進んだもののうまく着床しなかった場合や、着床した後に着床が継続しなかった場合に化学流産と呼ばれる状態になるのです。

妊娠検査薬では陽性の判定になったにも関わらず、数日してから生理が開始したような場合も化学流産となります。また、産婦人科では胎嚢(たいのう)を確認した時点で妊娠と確定判断しますが、妊娠検査薬が陽性にも関わらず胎嚢が確認できないまま生理が開始したような場合にも、化学流産と判断されるのです。

カズヤ先生

産婦人科医

妊娠検査薬は妊娠が成立した時から分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を測定して陽性と判定します。 今の検査薬は精密に作られていて、一般的な妊娠検査薬は、尿中のhCGの量が50mIU/ml以上あると、陽性と判定されます。 これは早ければ排卵日から2週間前後で測定可能ということになります。


(妊娠4週目の状態については以下の記事も参考にしてください)

【妊娠4週目】胎児の状態と妊婦の変化は?流産の可能性は?体験談も

症状がなく通常の生理と変わらない場合も

化学流産の場合、症状がなく通常の生理と変わらない場合もあります。妊娠検査薬を使用していなければ流産したことに気づかないでしょう。

派遣社員

20代

化学流産だと発覚して痛いのかな?と思ってたけど、通常の生理と同じか、むしろ昔生理痛がひどかった時に比べれば大したことない痛みでした。出血もそんなに多くなかったかな?

特に前回の生理から4週未満、すなわち妊娠4週未満で妊娠検査薬を使用する前に化学流産をした場合には、通常とほぼ同じ周期で生理がくるので、妊娠していることも気づかない場合があるでしょう。

(流産については以下の記事も参考にしてください)

流産の種類は?確率は?週数、年齢との関係性について!

重い生理のような症状の場合も

重い生理のような症状の場合もあります。通常の生理よりも少し遅れた4週目以降の時期に化学流産をした場合には、胎嚢が作られ始めているためです。化学流産の前には、体のホルモンバランスはお腹の中で赤ちゃんを育てる準備をしている状態になり、ホルモンの作用によって子宮内膜が生理の時に比較して厚くなっているのです。

パート社員

30代

あまり普段は生理痛はない方なのですが、化学流産の時の痛みはひどかった!ぎゅーって感じの陣痛みたいな周期的な痛みの後、白っぽいような塊が出たら痛みは和らぎました。後日産婦人科に行ったら、子宮は綺麗(きれい)になっていると言われました。

厚くなった子宮内膜が化学流産によって剥(は)がれ落ちるために、人によっては普段の生理よりも強い痛みを感じる場合もあります。また、個人差はありますが、胎嚢が作られ始めていた場合には白っぽい親指の頭ほどの塊が出てくる場合もあるでしょう。

(妊娠初期の出血については以下の記事も参考にしてください)

妊娠初期の出血まとめ!原因と対処法!危険なものは?流産の可能性も?

化学流産はいつからいつまでの期間に起こる?

化学流産は、受精から妊娠6週ごろまでに判明することが多いでしょう。受精後、順調に着床して受精卵の発育が進んだ場合には、妊娠5週から6週目くらいに病院で胎嚢を確認することができます。しかし、化学流産の場合には胎嚢が確認できる前に妊娠が継続できなくなるのです。

妊娠検査薬が陽性になっても、赤ちゃんを包む袋である胎嚢を確認できない限り、病院では正式に妊娠だという判断は下しません(※1)。このため、妊娠検査薬が陽性になって病院に行ったものの、胎嚢が確認できないまま生理がきたことで、化学流産だと分かるケースが多くあります。

化学流産する原因は?