高位破水とは?気づかない?原因・対処法、おりものとの見分け方も!

【医師監修】高位破水とは、どんな破水なのでしょうか。本人は気づかないのでしょうか。高位破水の原因や対処法、予防法 またおりものや尿漏れとの違い、見分け方についても、ドクターの助言を交えて説明します。出産前の大事な時期です。妊婦さんはぜひ参考にしてください。

Contents
目次
  1. 高位破水とは?気づかない?
  2. 高位破水の原因は?
  3. 高位破水と「おりもの」「尿漏れ」の見分け方は?
  4. 高位破水が起きた際の対処法
  5. 高位破水の予防法は?
  6. 高位破水に気づかないとどうなる?
  7. 高位破水に注意しよう!

高位破水とは?気づかない?

高位破水とは子宮口から離れた高い位置の卵膜が破れる破水の一種です(※1)。破水には、破れる位置によって「低位破水(完全破水)と高位破水の2つに分類されます。「低位破水」は赤ちゃんが通る子宮口付近での破水を指し、大量の羊水が勢いよく流れでるため、破水したことに気づきやすいと言われています(※1)。

一方、高位破水は子宮口よりも高い離れた部分の卵膜が破れるものです。低位破水とは違ってちょろちょろと少量の羊水が流れ出るため、尿漏れやおりものと勘違いするほど気づきにくいことが特徴です。

また、破れた時期によっても分けられ、陣痛が始まる前に起こる破水は、前期破水と呼ばれています。また、分娩開始後、子宮口が全開になる前の段階で破水した場合を早期破水、全開大に達してから起こる破水は適時破水と呼ばれています。

リエ先生

産婦人科医

高位破水は実際の医療現場では稀(まれ)なものではありません。高位破水でも、はっきり破水とわかるものもあれば、尿漏れと迷うようなものもあります。診断は病院で検査しないと分かりません。


(前期破水や早期破水については以下の記事も参考にしてください)

早期破水・前期破水とは?原因や症状、見分け方は?治療の流れや予防法も

高位破水の原因は?

高位破水はなぜ起こるのでしょうか。高位破水の原因とされていることをいくつか紹介します。

この原因は高位破水に限らず、低位破水を含む前期破水の原因とも考えられています。誰にでも起こる可能性があります。いつどんな破水が起こるかはわかりません。少しでも破水が起こるリスクを減らすように心掛けて生活しましょう。

絨毛膜羊膜炎

「絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)」は細菌が子宮に侵入し、羊膜まで感染することを意味します。これによって卵膜が脆(もろ)くなり、子宮が収縮することで破水する可能性が高くなります。高位破水に限らず、前期破水の代表的な原因です(※1)。

羊水過多や多胎児妊娠

薄い膜でできた羊膜が羊水過多や多胎児妊娠による子宮内からの圧力に耐えられなくなった場合、破水する原因となることがあります。妊娠初期から中期、後期へと至るにつれて、子宮内の羊水量はどんどん増えていきます。重い物を持ったり、咳(せき)をする時に腹圧がかかることもあるので、注意しましょう。

子宮頸管が弱い

子宮頸管が弱いことも破水の恐れがあります。早産や流産の原因の一つに子宮頸管(けいかん)無力症があります(※2)。赤ちゃんの出口となる子宮頸管が緩んでしまう症状のことです。赤ちゃんがまだお腹にいなくてはならない時期に頸管が緩み、子宮口が開いてしまうことで破水しやすくなり、予期せぬ早産や流産になりやすいとされています。自覚症状がないため、健診などで診断される場合がほとんどです。

喫煙や受動喫煙

妊婦さんであれば、喫煙や受動喫煙が母体や赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があることを耳にしたことがあるはずです。タバコの煙は有害物質を多く含むため、破水に関わらず低体重児出産や死産、生まれてすぐの赤ちゃんの死亡などのリスクが高くなるともいわれています(※3)。

妊娠中の夫婦生活

妊娠中の夫婦生活での激しい行為は子宮に刺激を与えたり、無理な体勢をとって腹圧が掛かることで、子宮が圧迫され高位破水に繋(つな)がる恐れがあります。

(臨月の過ごし方については以下の記事も参考にしてください)

【医師監修】臨月の過ごし方や外出の際の注意点!破水対策や陣痛に備えよう!