妊婦は納豆にも要注意?食べ過ぎ・食べ合わせの注意点や、つわりにオススメの食べ方も紹介!
【医師監修】こちらの記事では妊婦さんは毎日納豆を食べてもいいのか、食べ過ぎた場合の影響、納豆に含まれる栄養素や効果を紹介しています。妊婦さんが注意すべき納豆と他の食材との食べ合わせや、妊娠中につわりがひどい妊婦さんにオススメの納豆の食べ方・レシピも解説しましょう。
目次
妊娠中に納豆を毎日食べても大丈夫?

納豆は多くの日本人に愛されている発酵食品です。特に納豆は栄養豊富なことが特徴で、多くの栄養を必要とする妊婦さんにとって積極的に取り入れたい食品と言えるでしょう。妊娠中には食べ物の好みに変化が出る人も多く、揚げ物が食べたくなったりトマトばかり食べたくなる、と言う人もいます。
食べ物の好みの変化に応じて納豆ばかり食べたくなるかもしれませんが、毎日納豆ばかり食べるのはおすすめできません。栄養豊富な納豆ですが、毎日食べると栄養が偏ってしまいます。また納豆は肉や卵と同じたんぱく質ですので、一緒に食べるとたんぱく質を摂り過ぎてしまうことにもなるのです(※1)。
ひとつの食べ物ばかりを食べ過ぎてしまえば、栄養が偏り体に悪影響を及ぼすことになるので注意しましょう。
(つわりでご飯を食べられない時の対処法については以下の記事も参考にしてみてください)
妊婦さんが納豆を食べすぎるのは悪影響?

納豆を食べることそのものについては、妊婦さんへの悪影響はありません。しかし、食べ過ぎている場合は注意が必要です。ここからは、食べ過ぎてしまった場合に納豆が妊婦さんに与える悪影響を紹介していきます。
イソフラボンの摂り過ぎ
納豆は大豆を発酵させた食品です。その大豆には「大豆イソフラボン」という成分があります。毎日食べてイソフラボンを摂り過ぎることでホルモンバランスが乱れたり、胎児やママの体にも良い影響を与えないことがわかっています。また、乳がんの発生を高める可能性があるとも言われているのです(※1)。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」のような働きをする特徴があり、若々しさや肌をいきいきと保つなど女性に嬉しい効果があります。一日2パックくらいは食べても問題ありませんので、摂り過ぎないように注意してバランス良い食事を心がけましょう。
リエ先生
産婦人科医
納豆に限らず、どのような食材も食べ過ぎはよくありません。バランスよく、色々な食べ物を食べるようにしましょう。また、納豆のタレには塩分が含まれているため、血圧を注意されている人は気をつけましょう。
(妊婦のイソフラボンの摂取量については以下の記事も参考にしてみてください)
塩分やカロリーの摂り過ぎ
納豆には小分けの醤油が付いていることが多いですが、味が濃くついていますよね。つまり、塩分も多いといえるでしょう。毎日納豆ばかり食べ過ぎていると塩分の摂り過ぎになってしまいますので、注意が必要です。塩分が気になるママは、納豆を食べる時の醤油の量を調節するといいでしょう。
また、栄養豊富な納豆は意外と高カロリーです。納豆1パックのカロリーは約100kcalなので、ご飯1杯分のカロリーと合わせると350kcal~400kcalくらいになり、毎日食べ過ぎれば太る可能性もあります。妊娠中は体重管理も必要になりますので、食べ過ぎには注意して下さいね。
納豆にはどんな栄養素が含まれている?効果は?

納豆は栄養豊富な食材ですが、具体的にはどのような栄養が含まれているのでしょうか。ここからは、納豆の栄養素やその効果について紹介します。
(つわりに効く飲み物については以下の記事も参考にしてみてください)
たんぱく質・脂質
納豆には良質なたんぱく質が豊富で、9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。筋肉や皮膚、内臓や血液といった体を作るための大切な成分です。また納豆には脂質も含まれており、体を動かすためのエネルギー源になります。
ビタミン類
納豆にはビタミン類も豊富で、ビタミンK2・ビタミンB1・ビタミンEが含まれています(※2)。これらのビタミンは、体の中の酵素を活性化させて健康を維持するという特徴があります。他にも肌を健やかに保つ働きがあり、納豆は美容にも良い食品なのです。
イソフラボン
イソフラボンは女性ホルモンに似たはたらきをする栄養素で、アンチエイジングや女性ホルモンが低下することで骨がもろくなる骨粗しょう症の予防にも効果があります(※3)。女性にとって良い影響を与える特徴のある栄養素です。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼとは納豆のねばねばに含まれる成分で、酵素の1つです。血管の中に血栓ができるのを予防して血をさらさらにするという特徴があります(※4)。ナットウキナーゼは熱に弱いので、熱を通さずそのまま納豆を食べた方がナットウキナーゼの効果が得られるでしょう。
食物繊維
納豆には食物繊維も豊富に含まれており、整腸作用や生活習慣病を予防するという特徴があります。
ミネラル
納豆にはカルシウムやカリウム、鉄や亜鉛、銅などのミネラルも豊富です。これらの成分は、骨や歯を強くし肌や体調を整える特徴があります。
大豆サポニン
納豆に含まれる大豆サポニンという成分は、血液や血管をきれいにして動脈硬化を予防したり生活習慣病を予防する特徴があります(※5)。
大豆ぺプチド
大豆ペプチドは体内に吸収されるのが早い物質で、基礎代謝を上げたり疲労を回復させたり、集中力を上げるという特徴があることがわかっています。
妊婦さんが注意すべき納豆と他の食材との食べ合わせは?

納豆を適度に食べることで妊婦さんにとってもいい影響のある納豆ですが、食べ合わせには注意が必要です。注意すべき納豆と他の食材との食べ合わせを紹介していきます。
(妊娠中に食べられるお寿司については以下の記事も参考にしてみてください)
妊婦さんが注意すべき納豆との食べ合わせ①納豆×生卵
納豆に生卵を入れて食べる人は結構いるかもしれませんね。実際に食べるとおいしい組み合わせですが、納豆と生卵の食べ合わせは良くありません。
卵に含まれるアビジンという成分が、納豆に含まれるビオチン(ビタミンの1つで皮膚や爪の健康を維持したり脱毛予防の効果がある)の吸収を悪くしてしまうのです。しかしこのアビジンは卵白の部分にしか含まれず卵白に火を通せば効果もなくなります。
妊婦さんなら、生卵は食中毒の心配もあるので火を通して食べた方が良いでしょう。
妊娠6ヶ月
20代
妊娠中は納豆には半熟卵を混ぜて食べるようにしてます。なんとなく生卵は心配だから。本当は納豆には生卵がいいけど今は我慢!
白身が白くなればアビジンの効果はなくなるので、納豆に半熟卵を混ぜて食べるレシピは妊婦さんにも人気です。
妊婦さんが注意すべき納豆との食べ合わせ②納豆×アツアツのご飯
納豆に含まれるナットウキナーゼが熱に弱いことはすでに紹介しましたね。納豆はご飯と合わせて食べるのが一般的ですが、熱すぎるご飯の上にかけるとナットウキナーゼの効果が薄れてしまうのです。そのため、納豆とアツアツのご飯との食べ合わせはおすすめしません。少し冷めたご飯の上に納豆をかけて食べると良いでしょう。
妊婦さんが注意すべき納豆との食べ合わせ③納豆×キムチ
納豆とキムチは栄養や味の面では実はとても良いのですが、妊婦さんにとっては気を付ける必要があります。キムチには乳酸菌が含まれており納豆がキムチの乳酸菌を増やす働きがありますが、下痢をして体力を消耗してしまう可能性もあるのです。また、キムチには塩分も多く含まれていて食べ過ぎることで塩分の摂り過ぎも心配されます。
納豆とキムチの食べ合わせはおいしいのでつい食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。納豆やキムチなどを適度に食べる分には問題はありませんので、食べる量には気を付けてくださいね。
妊娠5ヶ月
30代
納豆キムチは妊婦に良くないの!?毎日食べたいくらいキムチ大好きなのに…。
妊娠中も辛い物は食べても大丈夫です。しかし塩分も多いので、食べ過ぎには気を付けて食べて下さいね。
つわりがひどい妊婦さんにオススメの納豆の食べ方・レシピ5選

妊娠中のつわりがひどく、ほとんど食べられずに苦しい思いをする妊婦さんも多いのではないでしょうか。ここからは、つわりがひどい妊婦さんにオススメの納豆レシピを紹介しますので、チェックしてみてくださいね。
(つわりでも食べられる物については以下の記事も参考にしてみてください)
1. 胃に優しい納豆とろろご飯
ごはん1膳・長芋(適量)・納豆1パック・だし醤油(適量)・お好みで寿司酢(適量)・お好みでネギや海苔(適量)を準備します。長芋をすりおろし、だし醤油をまぜておきましょう。納豆は付属のタレも加えて混ぜ、長芋と納豆、お好みで寿司酢やネギや海苔を乗せたら完成です。
栄養も摂れて匂いもなく食べやすいので、つわりの時の簡単レシピになります。ぜひ試してみてくださいね。
2. もずく納豆
納豆1パック・もずく酢1パック・ご飯を用意します。納豆を別容器に移して、その中にもずく酢を入れて混ぜます。味が薄い場合は納豆の醤油を混ぜてもいいでしょう。混ぜたらご飯にかけて出来上がりです。もずく酢のさっぱり感がつわりを和らげてくれます。
3. 梅しそ納豆そうめん
1束半のそうめん・梅しそ・納豆1パック・めんつゆ小さじ1~2杯を準備します。まずはそうめんを茹でて水を切っておきましょう。梅しそを細かく刻み納豆とめんつゆを混ぜて、茹でておいたそうめんと合わせれば出来上がりです。塩分が気になる人はめんつゆを少なめにするといいでしょう。夏にもピッタリのレシピです。
4. トマトと納豆のさっぱりそうめん
そうめん1束・トマト半分・納豆1パック・かつお節適量・味付け海苔適量・米酢大さじ1杯・醤油大さじ1杯・ラー油小さじ1杯・キャベツなどの余っている野菜をお好みで準備します。トマトは角切りにして、米酢と醤油・ラー油と和えておきましょう。そうめんを茹でる時に、余り野菜を一緒に茹でておくのがおすすめです。茹であがったら冷やして水を切ります。
水を切ったそうめんを器に入れて、納豆・かつお節・味付け海苔・味付けしたトマトを盛りつけて完成です。妊娠中のつわりがひどくても、ラー油の辛さが食欲をそそるレシピになっています。
5. 納豆とほうれん草の簡単和え奴
ほうれん草(好きな分量)・納豆1パック・絹ごし豆腐1パック・めんつゆ大さじ1/2・味付け海苔(適量)・ごま油少々を準備します。ほうれん草は茹でるかレンジでチンして水にさらしておきましょう。茹でたほうれん草は細かく切ってめんつゆと和えます。更に混ぜた納豆とめんつゆと和えたほうれん草を混ぜます。
豆腐は好きなサイズに切って、その上に納豆ほうれん草を乗せてください。最後に味付け海苔をちぎり、お好みでごま油をかけて完成です。妊娠中のつわりがひどくご飯や麺類も食べられない時は、のど越しの良い豆腐は食べやすくおすすめします。
妊娠中に納豆を食べてた?〜先輩ママの体験談〜

妊娠中に納豆を食べていた妊婦さんは結構います。そんな先輩ママの妊娠中の納豆エピソードを体験談として紹介しましょう。
納豆を食べてた妊婦さんの体験談①嫌いだった納豆が好きになった
妊娠8ヶ月
30代
妊娠した途端に今まで嫌いだった納豆が好きになって、大好きだったジャンクフードを食べなくなった。赤ちゃんが体にいい物欲しがってるのかな?お陰で健康的に過ごせてる気がする。
食の好みが変わるのは、妊婦さんの特徴の一つと言っていいのではないでしょうか。体に良いものを食べることは、お腹の赤ちゃんにも良い影響を与えますね。
納豆を食べてた妊婦さんの体験談②つわりの時期も納豆で乗り切った
妊娠6ヶ月
20代
つわりがひどく、妊娠初期は何も食べられなかったし、結局その後も食事が美味しく感じられないの…。でも納豆とか豆腐とかは食べられるから、何とか栄養摂らなくちゃね。
つわりがひどい妊婦さんは食事が摂れなくなるのが特徴ですが、赤ちゃんのためにも少しでも栄養を摂ることが大切です。納豆や豆腐は栄養も豊富で食べやすい食材なので、食べ過ぎに注意して積極的に取り入れるといいのではないでしょうか。
納豆を食べてた妊婦さんの体験談③親子で納豆が大好きに!
男の子のママ
30代
匂いとか味とか食感とか納豆の全てが嫌だったけど、妊娠中に栄養があるからと食べた納豆がめちゃくちゃおいしくてそこから納豆が好きになった!出産後も納豆食べてるし、息子も納豆大好きな子に育ってる。
妊娠中に納豆が好きになる妊婦さんは多くいますね。ママも納豆が好きだとお子さんも好きになるケースが多いので、色々な納豆レシピで更に美味しく食べて健康になりましょう。
納豆を食べてた妊婦さんの体験談④妊娠中も納豆があれば幸せ
双子妊娠中
20代
食べ過ぎには気を付けてるけど、妊娠中は時間に関係なく急な食欲に襲われます!もう夜中だけど、急に食べたくなった大好きな納豆ご飯に幸せを感じてる…妊娠中、ずっと納豆食べてるけど大丈夫かな…。
食べたいものを我慢してしまうとストレスにもつながるので、好きな物を食べながら栄養バランスには気を付けたいですね。つわりの軽い妊婦さんは逆に食べ過ぎてしまう特徴もあるので、軽い運動を毎日の習慣にするなど体調管理ができるといいのではないでしょうか。
(妊婦の運動については以下の記事も参考にしてみてください)
納豆を食べてた妊婦さんの体験談⑤妊娠中は納豆が食べやすい
妊娠4ヶ月目
30代
妊娠中に毎日のように食べてるのは納豆、味噌汁、大根おろし。和食は特に体に良い影響ありそうだし、ヘルシーな食事を毎日美味しく食べれてるのは良いことかな。
納豆やみそ汁など、つわりがひどくても和食なら食べられるという妊婦さんの声は、多くありました。健康的な食生活は赤ちゃんにも良い影響を与えますので、続けていけるといいですね。
妊婦さんには納豆がおすすめ!

納豆の特徴や毎日納豆を食べることで体へ及ぼす影響、納豆の悪い食べ合わせや、おしいい納豆レシピ、納豆を食べて過ごした妊婦さんの体験談を紹介しました。納豆は体にいい食材ですが、食べ過ぎは悪い影響を及ぼすこともあります。妊婦さんにとって適切な量の納豆を食べて、妊娠中も健康に過ごしましょう。
リエ先生
産婦人科医
納豆は基本的には栄養豊富で妊娠中におすすめの食材です。しかし、妊娠中、独特のにおいが苦手になったという人もいます。そのような場合には無理に食べる必要はありません。