正期産とは?正産期との違いは?いつからが早産・過期産との分かれ目?

【医師監修】長かった妊婦生活もようやく終わりに近づいています。妊娠後期によく聞く「正産期」「正期産」「臨月」について、正期産と正産期の違いや、早産・過期産の分かれ目について紹介します。そして正産期によくあるマイナートラブルや、過ごし方の注意点も一緒に紹介していきます。

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Contents
目次
  1. 正期産とは?正産期との違いは?
  2. 正産期と臨月の違いは?
  3. 正期産と早産・過期産の分かれ目はいつからいつまで?
  4. 正期産でも低出生体重児が生まれることがある?原因は?
  5. 正産期によくあるマイナートラブルは?
  6. 正産期の過ごし方の注意点は?運動はどこまでOK?
  7. 正産期は出産に向けて準備をしよう!

母体の合併症が影響している

母体側が妊娠前より甲状腺や血液、糖尿病や心臓病などといった疾患を患っている場合も低出生体重児が生まれる原因になる場合があります(※)。また、もともと子宮の形状に異常があり、赤ちゃんが発育するためのスペースが大きくなりにくいというケースもあるのです。

正産期によくあるマイナートラブルは?

正産期に突入すると、もうすぐ赤ちゃんと会えるという嬉しい気持ちがある反面、よくあるマイナートラブルに悩まされている人もいるのではないでしょうか。正産期によく起こるマイナートラブルやその解決方法を紹介していきます。(※)

お腹の張り

妊娠後期や正産期に突入するとお腹が張りやすくなります。妊娠中のお腹の張りは子宮が収縮することで起こります。また、張りとともに生理痛のような痛みを感じることもあるでしょう。

妊娠後期にお腹が張りやすくなるのは、身体が出産に向けて準備をしているからです。すぐに落ち着く張りや、痛みをともなわない張りの場合は心配しなくても大丈夫でしょう。しかし、出血をともなう場合や普段の張りとは違う場合、なかなか張りがおさまらない場合には、すぐに病院を受診するようにしましょう。

お腹の張りを対処するためには、なるべく横になり休むようにしましょう。横になって休むことが難しいときは楽な姿勢で座り、安静にしましょう。臨月や正産期に入ってお腹の張りや痛みがなかなか治まらず、いつまでも続く場合は陣痛の可能性があります。その場合は張りや痛みの間隔を測っておくといいでしょう。

頻尿

正産期は赤ちゃんが大きく成長することで子宮が膨らみます。膨らんだ子宮で膀胱が圧迫されて頻尿になる人は多いでしょう。頻尿の症状は、尿が少し膀胱に溜まっただけでトイレに行きたくなります。頻尿の対策は我慢せずトイレへ行くことです。

頻尿にならならいために水分をあまりとらないでいると、脱水症状になる恐れがあります。またトイレを我慢しすぎると、膀胱炎や腎盂炎になりやすくなります。トイレは我慢をしないようにしましょう。膀胱炎や腎盂炎などの尿路感染を防ぐには排尿して細菌を洗い流したり、外陰部を清潔に保ったり体を温めたりすることが効果的です。

頻尿は妊娠初期や中期にもよくある症状です。妊娠期間すべてを通して尿路感染には気をつけましょう。

後期つわり

妊娠初期に多く見られるつわりは、妊娠後期にも現れることがあります。これは正産期になると胎児が成長し、子宮が大きくなることで子宮が周りの腸や胃などを圧迫するからです。吐き気や胸焼け、胃痛や胃もたれ、げっぷなどが症状として挙げられます。

後期つわりは、出産が間近になると楽になることが多くあります。これは、出産に向けて赤ちゃんが子宮から出てこようと骨盤あたりまで下がってきて、腸や胃の圧迫がなくなり楽になるからです。つわりはいつからいつまでといった明確な期間がなく、個人差が大きいです。しかし、必ず終わりがあります。つわりがひどい場合は無理をしないようにしましょう。

つわりの対処法は、1度の食事で食べる量を多くしすぎず、胃への負担が少ない食べ物を食べるようにすることです。また、水分を取り過ぎないことや食後すぐに横にならないこと、上半身を高くして寝るようにすることなども挙げられます。1度の食事で食べる量が多いと胃に負担がかかってしまいます。1回の食事の量を減らして食事の回数を増やすといいでしょう。

胃に負担の大きい食べ物は香辛料など刺激の強い食べ物です。刺激が強い食べ物は胃酸の分泌を促し、胃痛の原因となります。つわり中はうどんや豆腐、納豆などの刺激の少ない食べ物を食べるようにしましょう。

水分を取り過ぎてしまうと胃痛の原因にもなります。また、食後にすぐ横になると胃酸が上がりやすく、胸焼けやげっぷの原因になります。食後すぐに横になることはやめましょう。上半身を高くして寝ると胃酸がのどの方まで上がってこなくなり、胸焼けやげっぷを防ぐこともできます。

(臨月にお腹が下がるということについては以下の記事も参考にしてみてください)

臨月にお腹が下がるとは?出産の兆候?写真での比較や始まる時期など体験談をもとに紹介!

むくみ

妊娠後期になると足のむくみがひどくなる人も多くいます。ホルモンバランスの変化や大きくなった子宮が静脈を圧迫することで下半身がむくみやすくなるのです。また、静脈瘤という足の静脈が瘤状に浮き上がってしまう症状がある人は足のむくみも併発することがあるでしょう。

むくむと、足が重くなったりふくらはぎがパンパンになったりします。そのほかにも足の甲がふっくらとして、靴がきつく履けないという症状も起こります。むくんだときは足を下にして休んだり、弾性ストッキングを着用すると改善されることが多いでしょう。

しかし、足のむくみは妊娠高血圧症候群の兆候の場合もあるため、むくみがひどく気になるという人はかかりつけの産科医に相談するといいでしょう。

腰痛