正期産とは?正産期との違いは?いつからが早産・過期産との分かれ目?

【医師監修】長かった妊婦生活もようやく終わりに近づいています。妊娠後期によく聞く「正産期」「正期産」「臨月」について、正期産と正産期の違いや、早産・過期産の分かれ目について紹介します。そして正産期によくあるマイナートラブルや、過ごし方の注意点も一緒に紹介していきます。

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Contents
目次
  1. 正期産とは?正産期との違いは?
  2. 正産期と臨月の違いは?
  3. 正期産と早産・過期産の分かれ目はいつからいつまで?
  4. 正期産でも低出生体重児が生まれることがある?原因は?
  5. 正産期によくあるマイナートラブルは?
  6. 正産期の過ごし方の注意点は?運動はどこまでOK?
  7. 正産期は出産に向けて準備をしよう!
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正期産と早産・過期産の分かれ目はいつからいつまで?

ここからは正期産と早産、過期産について紹介します。この3つの分かれ目はいつからいつまでなのでしょうか。早産と過期産の違いやいつからいつまでのことを指しているのかなど詳しく紹介していきます。

早産とは

早産とは漢字の通り、赤ちゃんが早く産まれてしまうことです。早産は正期産より前の時期である妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を指しています。それより前の妊娠22週未満の出産のことは早産ではなく流産になります。(※)

早産で産まれてきた赤ちゃんは体重が2500g未満のことが多いため、出産後すぐに保育器へ入れられることがあるのです。

早産の中でも30週未満の出産であった赤ちゃんは体重が1500g未満の場合が多く、身体の機能もまだ未発達の部分があります。しっかりと発達するまではNICUという新生児集中治療室で治療と療養をします。この治療はいつからいつまでといった明確な期間はありません。赤ちゃんがしっかり成長し担当医の許可が出てからNICUでの治療は終わります。

過期産とは

妊娠42週以降に出産することを過期産と呼びます。正産期を過ぎると胎盤の機能が低下して、胎児へ充分な栄養を運ぶことができなくなります。そのため、過期産に出産した赤ちゃんは皮膚が乾燥していたりはがれていたり、痩せて見えることがあるのです。(※)

過期産の出産になると分娩時に外傷や胎児の体重が増えることから、正産期と比べて母体への負担が大きくなってしまいます。過期産にはそのほかにも、分娩が途中で止まってしまう分娩障害や、産後の出血が止まらなくなってしまうことなどのリスクがあるのです。(※)

過期産の赤ちゃんへの影響は皮膚の乾燥や痩せて見えるということ以外にも、汚れた羊水や胎便を飲んでしまい生まれてから呼吸障害が起きることもあります。また分娩の時に鎖骨が骨折してしまったり、首から肩にかけての神経に障害が起きてしまうこともあるのです。そのため、42週を過ぎないように誘発分娩を行うことが多いでしょう。(※)

(誘発分娩については以下の記事も参考にしてみてください)

出産予定日を超過しても陣痛が来ない!誘発分娩で出産する時の流れは?

正期産でも低出生体重児が生まれることがある?原因は?

正産期を迎えて生まれた赤ちゃんは、身体の機能が充分に発達しているため出産しても特に問題が見られないことが多いでしょう。まれに正期産でも低出生体重児が生まれることがあります。では、正期産に出産しても低出生体重児が生まれる原因は何なのでしょうか。

妊娠中の生活習慣が影響している場合

低出生体重児が生まれる原因は母体側にある場合があります。妊娠中の過ごし方、特に生活習慣は赤ちゃんの体重に影響します。妊娠中の過度なダイエットや妊娠高血圧症候群、妊娠中の飲酒や喫煙などが低出生体重児が生まれる原因となることもあるのです。

そのほかにも妊娠前から身長の低い人や体重の軽い人は、生まれてくる赤ちゃんの体重が軽い傾向があることは否定できません。(※)

過度なダイエットや妊娠高血圧症候群は体内の赤ちゃんへ充分な栄養が届けられなくなり、低体重につながることがあります。妊娠中の飲酒や喫煙も同じで赤ちゃんの成長を遅れさせる原因になります。赤ちゃんが何らかの障害を持って生まれてしまうなどの影響も考えられるため、妊娠中の飲酒や喫煙はやめましょう。

子宮内発育不全の場合

低出生体重児となる原因は、妊娠中の生活習慣のほかにも子宮内発育不全が関係していることもあります。子宮内発育不全とは胎児発育不全(遅延)とも呼ばれ、妊娠の週数に比べて胎児の体重が少ないことを言います。(※)

この子宮内発育不全は母親の過ごし方が原因で起こることはありません。発育不全は2つの分類に分けられています。ひとつは妊娠中期から胎児の発育が遅れることで頭も身体も小さいケースです。これは早発型子宮内胎児発育遅延と呼ばれていて、胎児側に原因があると考えられています。

もうひとつは妊娠後期に胎児の推定体重の増加が緩慢で、頭の大きさは正常でも身体が小さいというケースです。これは遅発型子宮内胎児発育遅延と呼ばれていて、胎盤やへその緒などといった血流を送るための臓器に原因があると考えられています。