心筋炎とは?子供に多い病気?症状の特徴や原因、治療法・予防法も!

幼い子供でも心臓の病気になるの?、と心配される方も多いでしょう。重症化する恐れがある心筋炎は子供でもかかる病気ですが、子供に多い病気なのでしょうか?心筋炎の症状の特徴、見分け方、原因、治療法、予防法などについて紹介します。参考にしてください。

Contents
目次
  1. 心筋炎とは?子供に多い病気?
  2. 子供の心筋炎の症状と見分け方
  3. 心筋炎の診断
  4. 子供の心筋炎の原因!風邪ウイルスと同じ?
  5. 子供の心筋炎の治療法
  6. 心筋炎は早期発見・早期治療
  7. 子供の心筋炎の予防法
  8. 心筋炎は不整脈や心不全を引き起こす危険な病気

心筋炎とは?子供に多い病気?

心筋炎という病気はあまり聞いたことがなく、知らない人も多いでしょう。実は健康な人でもかかる可能性がある、心臓の筋肉(心筋)の病気です。免疫力の低い子供がかかる病気の一つでもあります。心臓は生命の要である臓器で、意思とは関係なく常に動き続けています。心臓を動かしている筋肉(心筋)に炎症が起きるのが心筋炎です。(※1)

心筋炎にかかると、心臓のポンプ機能が低下したり心不全や不整脈を引き起こしたりする怖い病気です。急性心筋炎の場合、自覚症状がないこともあります。心筋炎は適切な治療を行えば完治する病気です。しかし心筋炎にかかると、正常な心筋の状態に戻らなくなる危険があります。心筋細胞は他の細胞とは異なり、細胞の分裂、増殖ができないからです。

心機能が低下

心筋の炎症によって細胞が壊れてしまうと、心臓の機能が元の状態に戻らなくなる可能性があります。子供の頃に心筋炎になると、心不全や不整脈の炎症が治まったとしても心機能が低下したまま過ごすことになるでしょう。心筋炎の症状は風邪と似ているため、早期の判断が難しい病気でもあります。誰でもかかる可能性がある病気だからこそ、予防が大切な病気です。

(子供のダウン症については以下の記事も参考にしてみてください)

新生児のダウン症はいつわかる?特徴は?顔で判断できるの?

子供の心筋炎の症状と見分け方

誰でもかかる怖い病気だからこそ、心筋炎の症状と見分け方は覚えておきましょう。心筋炎の初期症状は風邪と酷似しているため、初回の受診で発見しにくい病気です。風邪だと思っていたら心筋炎だったということもあります。一方で発症していても症状が出ずに治ってしまうケースもあります。以下が心筋炎の初期症状としてみられる症状です(※2)。

・寒気や発熱
・頭痛
・咽頭痛
・筋肉痛
・全身の倦怠感
・食欲不振
・下痢
・嘔吐(おうと)

胸部の症状も要注意

胸部の症状も要注意です。上記の症状がみられた後に胸痛、動悸(どうき)、呼吸困難など胸部の症状が起こると心筋炎の可能性が高いです。子供の心筋炎では、失神したりけいれんしたりする症状もみられます。この場合、熱性けいれんと勘違いしてしまうことも多く注意が必要です。他にもチアノーゼや体のむくみが出ることもあります。心筋炎が重症になっているサインなので見過ごさないようにしましょう。

心筋炎の診断

心筋炎は症状以外に血液検査や心電図、心臓のMRIや心エコーで診断をします。心筋炎の場合、心電図の波形変化や心エコーでは心臓の動きの異常が確認できます。血液検査では炎症の有無をみる白血球の数を調べ、さまざまな検査をしたのちに心筋炎かどうか診断をします。

風邪に胸部症状ならセカンドオピニオンも

長引く風邪に動悸や呼吸困難など胸部の症状が加わったら、別の小児科受診などセカンドオピニオンも検討してください。子供の場合「胸が苦しい」と訴えられず、いつもより機嫌が悪いと感じることが多いかもしれません。大きい病院だと紹介状が必要なケースがあります。万一の際は救急で診てもらいましょう。

(新生児の呼吸については以下の記事も参考にしてみてください)

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子供の心筋炎の原因!風邪ウイルスと同じ?

子供の心筋炎を引き起こす原因の多くは、ウイルスによる感染です。風邪や胃腸炎を起こすウイルスと同じ種類のウイルスですよ。身近なウイルスが原因となることが多いため、誰でもかかる可能性がある病気なのでしょう(※2)。ほかにも細菌や薬剤の副作用、放射線の影響もまれにありますが、原因がわからないこともある病気なので発症からの経過観察で診断をしていきます。