子供の中耳炎の症状は?自然治癒でOK?治療は必要?40度の高熱でお風呂はNG?

子供の中耳炎について症状と原因、治療法、保育園や学校に行けるかなど説明しています。幼児に多いのが風邪の後になる急性中耳炎。耳の痛み、耳垂れ、熱などの症状があり、自然治癒が難しい病気です。病院での薬などの治療を怠ると滲出性中耳炎へと移行するので注意が必要です。

目次

  1. 中耳炎ってどんな病気?
  2. 中耳炎の種類と原因
  3. 子供の中耳炎の症状は?痛み・耳垂れ・熱など
  4. 子供が耳を痛がる時の応急処置
  5. 子供の中耳炎は自然治癒でOK?治療は必要?
  6. 子供が中耳炎で保育園・幼稚園・学校は行ける?
  7. 中耳炎の子供はお風呂・プールに入れる?
  8. 子供の中耳炎について知っておこう

中耳炎ってどんな病気?

中耳炎は、幼児が風邪や鼻喉の病気にかかった時に併発しやすい病気です(※1)。鼓膜(こまく)の奥にある「中耳」が炎症を起こし、耳の痛み・耳垂れ・難聴・発熱・耳が詰まった感じなどの症状を伴います(※2)。

中耳炎にかかった時は、適切な治療をしないと治癒するまでに時間がかかったり、何度も繰り返して重症化してしまう可能性があります。そのため、できるだけ早めに対処することが重要です。

(赤ちゃんの中耳炎の見分け方については以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんの中耳炎の症状の見分け方は?耳垂れ・発熱・痛み?治療法も!

中耳炎の種類と原因

中耳炎にはさまざまな種類がありますが、特に子供がなりやすい中耳炎としてよく挙げられるのは「急性中耳炎」「滲出性中耳炎」です。どちらも名前に「中耳炎」とついていますが、原因や症状は異なります。

以下から、急性中耳炎と滲出性中耳炎の原因を詳しく見ていきましょう。

急性中耳炎

急性中耳炎は、鼻や口につながる耳の奥の器官「中耳」に細菌やウイルスが入りこんで炎症を起こした時に起きる中耳炎です。

約8割の患者が風邪や肺炎球菌、インフルエンザウイルスへの感染が原因で発症しているので、幼児が感染症にかかった後は注意が必要です。鼻水やのどの炎症に続いて高熱や耳の痛み、耳垂れが出たら急性中耳炎を疑いましょう。(※2)

しかし、なぜ幼児は急性中耳炎になりやすいのでしょうか? 中耳の奥は「耳管」という管で鼻や喉とつながっています。子供は大人に比べて「耳管」が短くて太い上、咽頭までの傾斜が水平に近いため、鼻やのどについた風邪などのウイルスが、耳管を通って中耳にまで入りこみやすい構造だからです。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、喉と耳をつなぐ管がうまく働かないことが原因で、粘膜からしみ出した液が中耳に溜まる病気です。溜まった液体のせいで鼓膜が震えにくくなるため、耳の聞こえが悪くなったり、つまる感じがしたりします。

急性中耳炎を繰り返したり、急性中耳炎の治療を途中でやめたりすると「滲出性中耳炎」に移行するケースが多くみられます。滲出性中耳炎にならないよう、急性中耳炎が完治するまできちんと治療を続けることが大切です。(※2)

子供の中耳炎の症状は?痛み・耳垂れ・熱など

子供が中耳炎にかかると激しい耳の痛み・発熱・耳だれ・難聴・耳がつまった感じ……などの症状が起こります。乳幼児は言葉で痛みを訴えられないので、機嫌が悪くなる・泣く・ぐずる・しきりに手で耳を触るなどの異変を見せることが多いです。

以下から中耳炎の症状を詳しく紹介しますので、幼児が耳の異常を訴えてきた時や、乳児の行動に異変を感じた時はぜひ参考にしてみてください。

(赤ちゃんの中耳炎のチェック方法については以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんが耳を触る原因や対処法は?中耳炎かも?チェック方法は?

急性中耳炎の症状

急性中耳炎になると、中耳に膿が溜って腫れることで、ズキズキとした激しい耳の痛みや発熱、耳だれなどの症状が出ます。

発熱に関しては、子供により差がありますが、40度近くの高熱が出る場合もあります(※2)。一方、耳だれは、炎症により鼓膜が破れ、鼓膜の奥に溜まっていた膿が流れでた状態をいいます(※2)。子供が耳を気にしたり、触ったりするような動作が見受けられた場合注意が必要です。

滲出性中耳炎の症状

発熱や痛みを伴うことが多い急性中耳炎と異なり、滲出性中耳炎では炎症反応が弱いために発熱、痛みを生じることはほとんどありません。主な症状は、中耳腔の滲出液のために鼓膜の振動が障害されて起こる難聴、耳の詰まった感じなどです(※2)。

子供の難聴の原因として、最も頻度の高い病気ですが、症状を訴えることのできない幼児などは、難聴の存在に周りで気づくことが重要です。

子供が耳を痛がる時の応急処置

中耳炎の子供は、夜に耳の痛みを感じることが多いです。しかし夜間に診察できる病院は限られていますし、電話をしても緊急性がない限り夜間診療を控えるようアドバイスされることが多いですね。以下から、子供が耳に痛みを感じる時の応急処置を見ていきましょう。

解熱鎮痛剤を飲ませ、痛みを和らげる

子供用の解熱鎮痛剤で痛みを和らげ、子供の睡眠を助けるのも良い方法です。市販されている子供用の薬を常備しておくと、こういった時に役立ちます。朝になったら、子供を病院に連れて行ってくださいね。

(赤ちゃんへの薬の飲ませ方については以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんへの薬の飲ませ方&使い方!粉薬・シロップ〜目薬まで種類別のコツ!

耳の後ろを冷やす

耳の後ろを冷やすと痛みが和らぎます。タオルに包んだ保冷剤や冷たくしたタオルなどで耳の後ろを冷やしてあげましょう。

横にならない

中耳炎の時に横になると、鼓膜が圧迫されて耳が痛みます。椅子に座ったりパパやママの体に寄り掛かるように座らせたりして、できるだけ横にならないようにすると痛みが和らぐでしょう。

耳垂れや鼻水は拭き取る

耳の外に出てきている耳垂れは拭き取りましょう。耳垂れや鼻水などをこまめに拭き取り、清潔な状態を保つことも重要です。

子供の中耳炎は自然治癒でOK?治療は必要?

多くの子供は、風邪やインフルエンザなど咳や鼻水を伴う病気にかかると中耳炎を併発しています。しかし「よくある病気だから」と中耳炎を軽く見てはいけません。あまりに長時間放置していると、聴力が落ちたり顔の神経に影響したりするからです。

特に乳幼児は自分の症状を訴えることができないので、長期間放置するとどんどん悪化する可能性があります。中耳炎は、悪化すると手術をせざるを得ないこともありますが、早期に発見すれば簡単な処置で完治させることが可能です。

以下から受診するべき科や治療にかかる時間などを紹介しますので、子供の中耳炎が疑われる際はぜひ参考にしてください。

(子供のものもらいの自然治癒については以下の記事も参考にしてみてください)

子供の『ものもらい』の症状・治療法は?放置で自然治癒はNG?登園・登校はできる?

中耳炎が治るまでにかかる期間

中耳炎の炎症の程度によって治るまでの期間は異なりますが、急性中耳炎が完治するまでの期間は、早くて1~2週間です。

なお、自然治癒を待ち病院に行かなかった時や完治するまでしっかり薬を飲まなかった時はは、滲出性中耳炎へと移行することが多くあります。一度滲出性中耳炎になると、完全完治まで最低3ヶ月以上の時間が必要です。

中耳炎になったら何科に行くべき?

子供が鼻水や喉の痛み、耳の痛みなどを訴え中耳炎が疑われる時、耳鼻科と小児科のどちらを受診するべきなのか迷ってしまう人が多くいます。

黄色い鼻水で痰がらみの咳をしているような場合は、耳・鼻・喉をしっかり調べられる耳鼻科をおすすめします。発熱だけの時やおなかの症状が中心の時は小児科を受診してくださいね。

中耳炎になったらすぐに病院に行くべき?

中耳炎の治療が遅れると耳の聞こえが悪くなるのでは……と過剰に心配するママもいます。しかし、多少治療が遅れても中耳炎の経過は変わりません。耳垂れが出てきたとしても、急いで病院に行く必要はありませんよ。

急性中耳炎の治療方法

急性中耳炎にかかったら、最後まできちんと治療を行うことが重要です。適切な治療を行えば、ほとんどの場合きちんと完治します。しかし、あまりにも痛い治療だと子供が嫌がり、なかなか通院を続けることが難しいですね。

小児耳鼻咽喉科学会が提唱している『小児急性中耳炎の診療ガイドライン(2009年版)』によると、急性中耳炎の治療方法は以下の通りです。軽症、中等症、重症により①~④の適切な治療を行います。(※3)

①細菌を殺す。増殖を抑えるため、抗生剤を服用
②熱や痛みがある時は解熱消炎鎮痛剤を服用
③抗生剤が主成分の点耳薬の処方(ステロイド剤が配合されている場合あり)
④耳だれが出ている場合、鼓膜に穴を開けて膿をだす「鼓膜切開」処置

軽症なら抗生剤を使用しなくても治りますが、中等症や重症の場合はサワシリン・ワイドシリン・パセトシンなどの抗生剤を5日間使用することになります。 効果が見られない時はは抗生剤の量を増やしたり、細菌に効果がある「クラバモックス」という抗生剤に変更して10日間服用することになるでしょう。

それでもなお効果が出ない時は「メイアクト」という強い抗生剤を使ったり、抗生剤の点滴を行うことが推奨されています。抗生剤を投与した3~4日後は病態の推移を観察するため、かかりつけの耳鼻科に通院することになるでしょう。

また、抗生剤を投与した3~4日目後には病態の推移を観察する必要があるため、かかりつけの耳鼻科に通院する必要があります。


滲出性中耳炎の治療

問診によって滲出性中耳炎にかかっていることが分かったら、鼓膜を観察し聞こえの程度を調べてから治療の方針を決めていきます。

子供が滲出性中耳炎にかかっていたら、そのほかの鼻や喉の病気にかかっていないか検査し、同時に治していくことになるでしょう。慢性副鼻腔炎(ちく膿症)・アレルギ-性鼻炎・咽頭炎・ぜん息などの病気にかかった時、耳管を悪くしたり咳が原因で細菌を中耳に運びやすくなっていたりするからです。

滲出性中耳炎には、確率した治療法はありません。また、投薬によって改善するという医学的な根拠もありません。子供が滲出性中耳炎になった時は、まず聞こえや発音などの発達が妨げられないように経過観察をします。3ヶ月以上症状が続くようであれば「耳管通気療法」を行うことになるでしょう。

「耳管通気療法」は、中耳腔の水を抜くため鼓膜にチューブを挿入する治療法です。鼓膜を切開して水を抜いた後チューブを差し込み、固定させます。数ヶ月間チューブを入れたまま鼻や喉の治療を行います。チューブは数ヶ月後に自然と落ちることがほとんどですが、落ちない時は病院で除去をします。

チューブを入れた穴は自然とふさがることがほとんどですが、穴がふさがるまでは医師にきちんと経過を確認してもらいましょう。

子供が中耳炎で保育園・幼稚園・学校は行ける?

子供が中耳炎になった時、薬さえ飲ませていれば保育園や学校に行かせて良いのか、など悩んでしまうママは多いです。急性中耳炎の時は、炎症の程度を見て通園や登校の判断をしましょう。

炎症が軽く微熱程度でさほど耳の痛みを訴えない時は、1日学校を休ませる程度で問題ありません、しかし、炎症が強く発熱や激しい耳の痛みがある場合は、学校を2~3日休む必要があります。この間は医師から処方された薬を飲み安静に過ごさせてください。

発熱や耳の痛みのある時期を過ぎれば登校や登園は可能ですが、体育の授業は見学した方が良いでしょう。

中耳炎の子供はお風呂・プールに入れる?

夏の時期や子供がスイミングスクールに通っていている場合は、中耳炎の子供をお風呂やプールに入れても良いのか悩んでしまいますね。

一昔前は、中耳炎の子供をプールに入れてはいけないと言われていました。しかし現在では、特別指示がなければ子供をプールに入れることが可能です。耳に水が入り中耳炎が悪化することもありません。ただし、鼻水が出ている時は中耳炎の症状が悪化する可能性があるためプールを控えましょう。(※4)

また、温まると炎症が悪化するので入浴は控えましょう。シャワーだけなら体を温めすぎないので問題ありませんが、子供が痛がっている方の耳に水を入れないよう注意してください。

(中耳炎の時、プールに入れるのかについては以下の記事も参考にしてみてください)

中耳炎でプールに入れる?滲出性・急性で変わる?耳栓が必須?注意点も!

子供の中耳炎について知っておこう

中耳炎は風邪やインフルエンザなどの感染症にかかったとき、細菌やウイルスが中耳に入り込むことが原因で起きる病気です。中耳炎にかかる子供は多くいますが「みんなかかりがちな病気だから大丈夫」と油断してはいけません。自然治癒を待っているうちに悪化し、痛みを感じたり耳の聞こえが悪くなったりする可能性があるからです。

子供の機嫌が急に悪くなる、耳をしきりに気にする……など、少しでも気がかりなことがあったら耳鼻科医に相談しましょう。万が一子供が中耳炎になっていたら、完治するまでしっかり薬をのみ、通院を続けることが重要です。

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