妊婦が甘酒を飲んでも大丈夫?酒粕や米麹には良い効果がある!?

【医師監修】甘酒は体が温まるからと思わず口にしてしまい「もしかしてアルコール入てっる?」とどっきりした経験はありませんか。実は原料によって妊婦さんに「ぜひ飲んで欲しい甘酒」と「飲んではいけない甘酒」があります。便秘解消など、妊婦さんに嬉しい効果も含めてご紹介します。

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専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
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目次
  1. 昔から知られていた甘酒の健康効果
  2. 妊婦が甘酒を飲んでも大丈夫?
  3. 栄養豊富な米麹甘酒は、妊婦の強い味方
  4. 甘酒の飲み方…1日どれくらい飲んでいいの?
  5. 甘酒を買う?それとも自分で作る?
  6. 出産後の健康維持にも甘酒を!

昔から知られていた甘酒の健康効果

寒い季節になると、温かい飲み物が欲しくなりますね。特に妊婦さんにとって「冷え」は体調を崩す要因にもなりかねないので、注意が必要です。冷えた体をぽかぽかさせてくれる飲み物の代表格が、甘酒。最近はスーパーやコンビニなどでも見かけるようになり、飲み物としてのさまざまな効果が見直されています。

甘酒が日本の歴史に最初に登場するのは日本書紀。天甜酒(あまのたむざけ)と記載されているものが、甘酒の起源といわれています。

夏バテ防止の飲み物として庶民に普及

甘酒は、日本人が奈良時代から親しんできた飲み物ということになりますが、意外なことに江戸時代頃まで「夏の飲み物」として定着していたそうです。ブドウ糖やビタミン類など栄養豊富な甘酒は、食欲が落ちる夏期の「夏バテ防止飲料」として庶民の強い味方となっていたそうですよ。

栄養が豊富である、疲れた体を回復させる…そうです、妊婦さんにとって心強い味方となってくれる要素がぎっしりつまっているのが、甘酒なのです。

妊婦が甘酒を飲んでも大丈夫?

「体に良いかもしれないけれど甘酒ってお酒でしょ。飲んじゃったけど、大丈夫なの?」と疑問をもつ妊婦さんもいるでしょう。たしかにアルコールは、胎児に良い影響を与えません。実は甘酒は原料によって、アルコールが入っているタイプと入っていないタイプに分けられます。ノンアルコールの甘酒なら、妊婦さんでも安心して口にすることができるのです。

(妊娠中の食事については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠中の食事バランスガイド!摂取制限や食べてはいけない物は?
つわりに効く・悪化させる食べ物とは?おすすめの食事20選!

妊婦が飲んでもいい甘酒、妊婦が飲んではいけない甘酒

「米麹」を使って昔ながらの製法で作られた甘酒には、アルコールは含まれていません。「飲んじゃった」と心配する必要のない甘酒です。これに対して、酒粕を原料にして作られる甘酒には、微量ですがアルコールが含まれています。

大切なことは甘酒には2種類あると知っておくこと。そして購入する(飲む)際に、アルコールが入っていない製品を選ぶということです。

増田陽子

内科医

飲酒により引き起こされるもので有名な障害に、胎児性アルコール症候群というのがあります。この障害は軽いものは胎児の脳の成長が止まってしまったり、精神的に不安定になるから重いものは重度の精神障害を引き起こす大変深刻な障害です。

アルコールが胎児に与える影響とは?

ここでちょっとアルコールが胎児に与えるリスクについて、おさらいしておきます。どうして妊婦はお酒を飲んではいけないのか。妊婦さんが摂取した栄養素は、胎盤を通って赤ちゃんに届けられます。胎盤は一種のフィルターのような効果をもっていて、赤ちゃんに有害なものを遮断してくれますが、アルコールはそのまま通過してしまうのです。

妊婦さんがアルコール飲料を飲み過ぎると、胎児の成長にも影響を与えてしまいます。発達が遅れたり、奇形を発症するなど「胎児アルコール症候群」を発症するリスクが高くなるといわれているのです。「もともとお酒がすきだったから、妊娠しても飲んじゃった」ではすみません。

こうしたリスクが高まるのは、アルコールを日常的に過度に摂取した場合と考えられています。ほんのわずか、たまたま口にした飲料にアルコールが含まれていた…という程度では、胎児に与える影響はほとんどないでしょう。しかし赤ちゃんのことを思えば、妊娠中にお酒を飲むことは我慢するに越したことはありません。(※1)

(胎児に対するアルコールの影響については以下の記事も参考にしてみてください)