流産の種類は?確率は?週数、年齢との関係性について!

【医師監修】妊娠がわかると、喜びを感じると同時に心配になるのは流産のこと。どのような種類の流産があるのか、どれくらいの確率で流産が起こってしまうのか、気になりますよね。今回は流産の確率だけでなく、流産の種類や週数、年齢との関係性まで細かく紹介していきます。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 流産は状態によって種類が分けられる
  2. 症状によって種類が分けられる流産
  3. 流産の進み具合によって種類分けされるもの
  4. 流産の時期によって種類分けされる「化学流産」
  5. 切迫流産には妊娠継続の可能性も
  6. 流産の確率は週数によって変わる?
  7. 年齢と流産の確率は関係がある?
  8. 流産の原因は種類によって違う?
  9. さまざまな流産に不安になりすぎないで

流産の多くは早期に起こる

流産の多くは早い週数に起こり、妊娠12週までに起こる初期流産は流産全体の80%と言われています。非常に残念なことですが、ほとんどの流産は赤ちゃんの心拍確認前に起こっているということになりますね。また、流産に至る確率は全妊婦さんの15%もあり、年齢関係なく起こるので決して珍しいものではありません。(※1)

妊娠週数別の確率は妊娠7週までが44%、12週までが48%、それ以降は9%までに下がるので、妊娠12週までは特に気を付けて過ごしたい時期と言えるでしょう。

(妊娠初期の流産については、以下の記事も参考にしてみてください。)

妊娠初期の流産には兆候が?確率は?症状や原因を知っておきたい!

年齢と流産の確率は関係がある?

流産は誰にでも起こる可能性があることを紹介してきましたが、流産と年齢は関係ないのでしょうか?流産の起こる確率と年齢の関係について紹介していきます。

年齢によって変わる流産の確率

流産のリスクと年齢の関係を示すグラフです。流産は年齢関係なく誰にでも起きる可能性はありますが、起こりやすさは年齢に比例して上がっていきます。35歳を境に大きく上がり、それ以降下がることはありません。その人によって出産に適した時期は違いますが、年齢ともに流産のリスクは上がるということを頭に入れておきましょう。

カズヤ先生

産婦人科医

このグラフに示されているように、年齢的にも若く、全く夫婦ともに問題がなくても10〜20%の確率で流産してしまいます。
この確率では、医学的には”稀”ではありません。ごく普通に起こり得る現象の一つです。
ですので、必要以上に落ち込む必要はないですし、次も問題なく妊娠は可能ですので、その後の産婦人科専門医の指示に従ってください。
しかし、後述されているように、仮に一般の自然流産の確率を10%としても、3回連続で流産するようであれば、
1/1000、0.1%の事象が起こっているということで、これは偶然起こったとするのではなく、母体になんらかの不育症の原因(代表的なものは抗リン脂質抗体症候群など)があるかを検索していく必要が出てきます。

流産の原因は種類によって違う?

流産には様々な種類がありますが、流産の原因は流産の種類によって違うのでしょうか。また、原因としてどのようなことが挙げられるのか、詳しく見ていきましょう。

種類ではなく時期によって違う

流産の原因は流産の種類ではなく、時期によって異なります。早期流産の原因は主に胎児自体にあり、染色体異常や遺伝子病などが原因です。胎児の染色体に異常があるかどうかは受精時に決まっているため、悲しいことではありますが、この場合の流産はある意味避けられないものと言えるでしょう。

後期流産では子宮筋腫や子宮頸管無力症など母体側に原因があって起こります。また、ストレスなど母体に過度の負荷がかかることも、流産だけでなく早産の原因になることがあるので注意しましょう。3回以上流産を繰り返している習慣流産の経験がある人は、不育症の場合もあります(※2)。病院で原因を詳しく調べてもらいましょう。

(流産の原因やリスクについては、以下の記事も参考にしてみてください。)

妊娠初期の流産の症状と原因は?出血量や基礎体温に兆候がみられる?
妊娠6ヶ月は体重やお腹の張りに注意!胎動は?流産のリスクは?

どんな種類の流産でも自分を責めないで