【医師監修】妊娠20週の妊婦・胎児の状態は？症状と注意点！性別はわかる？

妊娠20週頃になると子宮がへその辺りまで大きくなるため、妊婦さんの中にはお腹の張りが気になってくる人も出てきます。お腹の張りは主に子宮が収縮することによって起こります。子宮収縮が原因の場合お腹がかたくなります。お腹の張りの原因はストレスや疲労、胎動による子宮収縮などがあげられます。お腹の張りを感じたらまずは安静にしましょう。

また便秘がお腹の張りを引き起こすこともあります。子宮が大きくなることで腸を圧迫し、腸の圧迫が便秘を引き起こし、さらに便秘がお腹の張りを引き起こすという具合です。普段から食物繊維の多い食べ物を摂り体を温めて血行を良くしておきましょう。

気を付けて欲しいのがお腹の張りと共に激しい痛みや出血があった場合です。お腹の張りと痛み、出血が同時に起こった時は常位胎盤早期剥離（胎盤が剥がれてしまう症状）や切迫早産の可能性があるため（※4）、すぐに病院で診てもらいましょう。

妊娠中期に起こる妊婦さんの症状の一つとして頭皮のトラブルがありますが、その中でもよく見られるのが頭皮のかゆみとフケです。この症状は脂漏性皮膚炎（しろうせいひふえん）という皮脂の多い場所に起こりやすい皮膚炎の一つで、マラセチアというカビが皮膚を刺激することが原因とされています（※5）。マラセチアは普段から人の体に存在している菌ですが、ホルモンバランスが崩れたり生活環境の変化、ストレスなどで異常繁殖します。

このマラセチアがかゆみの症状を引き起こし、それによってできたかさぶたが剥がれてフケのように見えるのです。この症状が出た場合シャンプーは低刺激や無添加のものを選ぶことをおすすめします。また症状がひどい時は病院に相談してみましょう。

妊娠20週の妊婦さんの悩みの一つに歯や口内のトラブルがあります。妊婦さんは女性ホルモンの影響で唾液の分泌量が減ります。そのため唾液による殺菌、潤滑作用も減り歯肉炎や歯周病を引き起こしやすくなります。歯のトラブルは一見妊娠に何の影響もないように感じます。ですが歯の周りの炎症は子宮の収縮を引き起こしお腹の張りに繋がります。これにより早産や低体重児のリスクが高まるという、実は怖いトラブルなのです。

つわりの間は歯ブラシを口に入れても気持ち悪くなり歯の手入れができない人もいます。ですが、つわりもおさまるこの時期になったら一度歯科健診をして歯を健康な状態に保っておくことも大切です。

妊娠10週を過ぎると血液量が増加します。これは妊娠20週になっても続く症状の一つで、循環血漿量の増加と血管透過生の亢進が原因で起こるとされています。またエストロゲン（卵胞ホルモン）が水分を溜め込む作用をすることもむくみに繋がります。特に下半身は胎児の成長で骨盤が圧迫されることもありむくみやすくなります（※6）。

体が冷えていると体内循環も悪くなりむくみの症状は悪化します。体を温かくしたり、足を高い位置に置いて寝たりするなど工夫すると症状が軽くなります。

妊娠20週目で注意しなくてはいけないことも色々と出てきます。日常生活の中で特に注意すべきことを紹介します。

妊娠20週目に入りつわりもおさまり反動で食欲が増すという話はよく聞きますが、この時期はそれだけでなく上で述べたような便秘とむくみがセットになって体重増加を手伝ってしまいます。血液量も増えるため、ほんの少しの気の緩みで一気に体重は増加します。理想としては妊娠中期の体重増加は5kgまで。一週間500g以内に抑えたいところです。

極度の食事節制や激しい運動などはいけませんが、増えすぎには注意が必要でしょう。まずは日々自分の体重を測り、意識することから始めてみてはいかがでしょうか。