妊娠後期の頭痛!痛みの種類と原因・対処法!妊娠中毒症の可能性も?

【医師監修】「妊娠後期から頭痛に悩んでいる」という方はいませんか?「風邪の症状かな」と軽視されがちな頭痛ですが、あまりにひどい場合は「妊娠中毒症」や「妊娠高血圧症候群」のサインである可能性もあります。今回は妊娠後期の頭痛の種類や原因、対処法などについてご説明していきます。

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専門家監修
増田 陽子
内科医 、救急医。平成22年St. Methew School of Medicine大学医学部卒業 、Larkin Hospital、J.N.F Hospitalにて勤務。日本医師資格に加え、・・・
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Contents
目次
  1. 妊娠後期の頭痛が辛い
  2. 妊娠後期の頭痛の種類について
  3. 妊娠後期の頭痛の原因は?
  4. 妊娠後期の頭痛は予防できる?
  5. 【種類別】妊娠後期の頭痛の対処法は?
  6. 【原因別】妊娠後期の頭痛の対処法は?
  7. 妊娠後期に頭痛薬は飲んでもいいの?
  8. 頭痛が辛いときは医師に相談しよう
  9. ひどい頭痛は妊娠中毒症の可能性も?
  10. 妊婦後期の頭痛には注意しよう
妊婦は頭痛薬に要注意!妊娠中でも安全な薬、避けるべき薬とは?

頭痛が辛いときは医師に相談しよう

ここまでご説明してきたように、妊娠後期に頭痛を引き起こす原因はさまざまです。自身の対処で和らぐレベルのものもありますが、危険な病気のサインである可能性も否定できません。「痛みが強すぎる」「頭痛に加えて身体が熱っぽくだるい」といった症状がみられる場合、産婦人科の医師に相談することをおすすめします。

ひどい頭痛が長期間続く方は、「妊娠高血圧症候群」とも呼ばれる「妊娠中毒症」の疑いがあります。これらのような危険な病気のサインを見落とさないためにも、病気の特徴や原因について理解を深めておく必要があると言えるでしょう。では、妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群とはいったいどのような病気なのでしょうか?

ひどい頭痛は妊娠中毒症の可能性も?

妊娠後期にひどい頭痛が長く続いている場合、妊娠中毒症の可能性があります。「風邪のだるい頭痛がなかなか治らないと思っていたら、妊娠中毒症だった」というケースも少なくありません。ひどい頭痛が長引いていると感じたら、早めに産婦人科を受診しましょう。妊娠中毒症が重症化すると、頭痛以外にも多くの体の不調に見舞われることになります。

妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の原因や症状は?

妊娠中毒症は「妊娠高血圧症候群」とも呼ばれ、妊娠後期に高血圧になってしまうことが原因で起こる病気です。「妊娠前から高血圧の傾向がある」「前回も妊娠中毒症になった」という方は発症のリスクが高いとされています。また、妊娠後期の急激な体重増加やストレスによって妊娠中毒症になる場合もあるため注意が必要です。

妊娠中毒症の症状としては、頭痛のほかに「むくみ」「尿たんぱく」「高血圧による血管障害や臓器障害」「目の前の閃光感」などが挙げられます。妊婦健診の尿検査で尿たんぱくがみられた場合は妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群の可能性を指摘されるでしょう。

妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の対処法は?

妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群の対処法は食事療法と生活スタイルの改善です。軽度の妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群であれば、塩分の制限や高たんぱくで低カロリーなバランスの取れた食事で快方に向かうでしょう。重度の場合は、食事療法と同時に薬を処方する薬物療法が必要です。安静が必要だと医師が判断すれば入院することもあります。

また、妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群は赤ちゃんにも悪影響を与える病気です。「産後に後遺症が残った」「緊急帝王切開で早めに赤ちゃんを取り出した」というケースも少なくありません。最悪の場合、妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群の影響で死産になることもあります。風邪と症状が似ているため見落としがちですが、非常に危険な病気であると言えるでしょう。

妊婦後期の頭痛には注意しよう

今回は妊娠後期の頭痛についてご説明しました。妊娠後期は身体がだるいと感じることが多く、風邪もひきやすい時期です。そのため、頭痛が起きても「ただの頭痛だから」と気に留めない方も多くみられます。しかし、妊娠後期のひどい頭痛は妊娠中毒症や妊娠高血圧症候群のサインである可能性も否定できません。妊娠後期に頭痛が続くときは注意してくださいね。