【医師監修】妊娠22週の妊婦・胎児の状態は?症状と注意点!胎動はある?体験談も!

妊娠22週多くの方が胎動を感じ、母親になる実感がより一層ある頃でしょう。安定期に入りどんどんお腹も大きくなっていき、腰痛や背中の痛みなどトラブルが増えるのもこの頃です。妊娠22週のお母さんと胎児の状態やこの期間の注意点について、体験談も交えて紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 妊娠22週妊婦さんの身体の状態や変化は?
  2. 妊娠22週の胎児はどんな状態?
  3. 妊娠22週のエコー写真の赤ちゃん
  4. 妊娠22週に多く見られる症状やトラブルは?
  5. 妊娠22週早産に関する注意点
  6. 早産の原因に多い絨毛膜羊膜炎とは?
  7. 妊娠22週切迫早産に気をつけましょう!
  8. 早産や切迫早産のリスクを減らすためには?
  9. 妊娠22週は胎動を感じるようになります
  10. 妊娠22週出産に向けて話し合いましょう!
  11. これからのより良い妊娠期間や出産に向けて

「不顕性」の絨毛膜羊膜炎は抗菌薬で細菌の増殖や感染を阻止し、子宮収縮抑制薬の投与により妊娠を継続させるよう治療します。一方「顕性」の絨毛膜羊膜炎は、胎児にも炎症の悪影響が及ぶ可能性があるので、子宮収縮抑制薬を投与し妊娠を継続させることが胎児によって最善策とは限らないのです。

妊娠26週未満の胎児は肺機能が未成熟なため、抗菌薬や副腎皮質ステロイドを使用しなるべく妊娠を継続させるよう処置した上で、慎重に経過を診ていくことが重要です。妊娠26週~妊娠34週の場合で、肺機能がある程度成長していると判断されれば、誘発分娩や帝王切開などですぐに出産させることもあります。

現時点において「顕性」の絨毛膜羊膜炎の治療法は確定されていないので、その時々の症状により医師の判断で治療がなされているのが現状です。

カズヤ先生

産婦人科医

「顕性」の絨毛膜羊膜炎の治療法は、基本的に子宮収縮抑制、抗生剤、ミラクリッド洗浄などで、ステロイドの使用は限定的です。また、胎児の状態が危険と判断された時はターミネーション(分娩を終了させる)になります。

絨毛膜羊膜炎感染のリスクを減らす注意点は?

絨毛膜羊膜炎に100%の予防方法はありません。しかし細菌性膣炎に罹患しないよう、腟内の細菌のバランスを保つため妊娠中の性交渉はコンドームを使う、腟内を洗いすぎないなど注意することは重要です。

また歯周病があると早産のリスクが7倍になる説が、日本産科婦人科学会により発表されています。歯周病菌が血液中に入り全身をめぐることにより絨毛膜羊膜炎を発症させる可能性があります。歯周病や虫歯など、気になる症状があれば早めに治療をおすすめします。

「不顕性」のうちに気づかず進行し「顕性」になった場合、早産や胎児へ感染のリスクが高くなりますが、「不顕性」で早期発見できれば早期の治療ができ妊娠継続の可能性が高くなります。また絨毛膜羊膜炎の要因になりやすい細菌性腟炎は、妊娠20週までに治療することで早産を予防できる可能性が高くなります。このことから妊婦検診はきちんと定期的に受診し、気になることがあれば主治医に相談しましょう。

妊娠22週切迫早産に気をつけましょう!

前の項で説明したように「早産」とは妊娠22週~妊娠36週までの間に赤ちゃんが産まれてしまうことです。切迫早産とは早産になる一歩手前の状態です。本来なら妊娠37週~妊娠41週6日の正期産の期間に起こるべき頻繁な子宮収縮やお腹の張り、子宮口の開き、破水して羊水が漏れ出てしまう状態が妊娠22週~妊娠36週の期間に起こる状態を切迫早産といいます。

妊娠22週お腹の張りに注意して!

妊娠22週目頃からお腹の張りを感じることも増えてきますが、横になり休んでもお腹の張りが治まらなかったり、下腹部の痛みなどを感じる時は切迫早産の可能性があります。お腹の張りは個人差がありそれぞれ違いますがいつもよりお腹の張りが強かったり、お腹の張りが30分以上治まらないなどの場合は主治医に相談しましょう。

通常妊娠中のお腹の張りは横になって休むと治まります。しかし治まってもすぐまたお腹の張りを感じるなど、不安な症状が現れたときは主治医に相談することをおすすめします。

切迫早産になった妊婦さんの体験談

切迫早産と診断された妊婦さんたちの体験談を紹介します。

先輩ママ

30代

全く自覚がなかったのですが、定期健診で子宮口が開きかけていると診断されました。家で寝たまま絶対安静で、それができないなら即入院しなさいと言われました。家事は全て主人にしてもらい自宅で夫婦で乗り切りました。

切迫早産と診断された帰り道、漫画や本をたくさん買い、しばらく外でご飯も食べられないからと外食して帰りました。翌日から本当にしんどくて起きあがれなくなりました。お腹の張りも強く自宅で2週間の安静期間を過ごし、その後お腹の子はなんとか妊娠37週まで胎内で過ごしてくれました。

先輩ママ

20代

お腹の張りが頻繁にあり、お腹の張り止めの薬を処方してもらっていましたが、安静の為実家に一時戻ることになりました。気を付けていたのに出血があり1ヶ月入院しました。ずっと点滴を打たれ、シャワーも一週間禁止。情けない気持ちと辛さでずっと泣いていましたが、毎日お見舞いに主人と母が来てくれ、お腹の中で動く赤ちゃんに支えられがんばることができました。

先輩ママ

30代

妊婦22週目頃切迫早産になりました。お腹が張りつらかったのですが、立ち仕事でなかなか休めなかったため疲れがたまったのが原因だったようです。仕事より赤ちゃんが大事なので過信は禁物、疲れたらすぐに休むことが大切ですね。

お腹の張りや腹痛については以下の記事も参考にしてみて下さい。

妊娠中期のお腹の張りの原因は?対処する方法はあるの?
妊娠中期の腹痛の原因は?注意すべき下腹部痛・胃痛はどんな痛み?

早産や切迫早産のリスクを減らすためには?