【医師監修】人工授精の着床時期は?着床後の症状ってどんなの?

たくさんの検査や治療を経て実際に人工授精を行った後もうまく着床するのか、着床時期はいつ頃でどんな症状が出てくるのかと不安になってしまうものです。今回は人工授精後の着床時期と、着床後に見られる様々な症状について見ていきましょう。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 人工授精後の着床時期はいつ頃?
  2. これって着床のサイン?着床時期に見られる人工授精後の症状
  3. 注意すべき人工授精後の時期に出る症状
  4. 人工授精後から着床時期までに気をつけたいことは?
  5. 人工授精後に着床する確率を高めるには?
  6. 着床後に気をつけたいことは?
  7. 人工授精後はリラックスして過ごそう

人工授精後の着床時期はいつ頃?

人工授精は、排卵時期に合わせて精子を直接子宮内へ注入することによって受精の可能性を高める方法です。人工授精後は、自然妊娠と同じ時間をかけて着床に至ります。

人口授精で精子を子宮内に注入後、卵子と授精するまでにかかる日数はおよそ1日から3日です。受精卵は子宮内膜に着床するまでの間、7日間程子宮の内側に留まります。その後、受精卵が子宮内膜に潜り込むまでに5日程要するので、人口授精から着床までにかかる期間は約2週間となります。

妊娠するためには、受精卵が着床するまでの7日間は子宮の外に出ずに内側に留まっている必要があるため非常に重要な期間と言えます。

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これって着床のサイン?着床時期に見られる人工授精後の症状

着床後の症状は、生理前と似たような症状が現れます。人工授精後、早い人では受精卵が着床する2週間後あたりから様々な症状が出てきます。それでは、具体的にどんな症状が現れるのか見てみましょう。

出血

受精卵が子宮内膜に潜り込む際に絨毛(じゅうもう)が子宮を傷つけてしまい、その際に軽く出血してしまう場合があります。この出血が生理のように体外に出てきたものを「着床出血」といい、およそ2%の人が経験すると言われています。

着床出血の色や量には個人差がありますが、ほとんどの場合おりものに少し色が付いた程度です。生理と同じような出血をする方もおりますので、着床か生理か判断しにくい場合は基礎体温の高温期が2週間以上続いているかが一つの判断材料になります。

(着床出血については以下の記事も参考にしてみてください)

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腹痛・腰痛・下痢などのお腹周りの症状

着床時期に腹痛、腰痛、下痢などの症状を訴える方が多く見られますが、受精卵着床時に足の付け根やお腹がチクチク痛くなったりすることを「着床痛」と言います。生理時のような腹痛や腰痛は、排卵や子宮の変化により引き起こされると考えられています。

また、妊娠時に分泌されるホルモンの影響で腰痛や下痢が引き起こされる場合があります。腰痛は、妊娠時に骨盤を広げるホルモンの分泌によって骨盤が緩むことにより腰に痛みが出る場合があります。下痢も同様に、妊娠による女性ホルモンの分泌により自律神経が刺激されたり、腸の動きが鈍くなることで引き起こされます。

下痢の場合は、脱水症状を起こさないようしっかり水分補給をしましょう。また、強い痛みと出血を伴う腹痛の場合はすぐに医師に相談しましょう。

(着床痛については以下の記事も参考にしてみてください)

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