早期流産(妊娠初期の流産)とは?原因や確率、予防策は?手術は必要?

【医師監修】妊娠が判明して喜び溢れる妊娠初期。嬉しさだけでなく流産の不安に駆られる時期でもありますよね。特に心配になる早期流産を予防する方法はあるのでしょうか?また、早期流産にはどのような原因があるのでしょうか。今回は早期流産のあらゆる「なぜ?」についてご紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 早期流産って?
  2. 早期流産の兆候は?
  3. 早期流産の原因は?
  4. 早期流産の予防策は?
  5. もしも早期流産になってしまったら…手術は?
  6. あまり早期流産の心配ばかりしないで
妊娠初期の流産には兆候が?確率は?症状や原因を知っておきたい!

早期流産の原因は?

早期流産の時期と確率をご説明した上で、次に妊婦さんが気になるのは「どのような原因で早期流産になってしまうか」ですよね。流産の原因はいくつかありますが、今回は中でも流産の原因になると言われている原因をいくつかピックアップしてご紹介します。


早期流産の原因は?【胎児の染色体異常の場合】

早期流産の原因の大部分は胎児(胎芽)の染色体異常が占めています。染色体異常の場合はどのような処置をしても、残念ながら流産を防ぐことは出来ません。染色体異常は卵子と精子が受精した時点で運命が決まっており、安静にしていたとしても流産の予防にはなりません。染色体異常の発生は母体の年齢と、高齢化に伴う卵子の老化が大きく左右していると言われています。

早期流産の原因は?【子宮外妊娠の場合】

子宮ではない卵管などに着床すると臓器破裂などの問題もあるため、妊娠を継続することはできません。通常は妊娠5週目頃にエコーで確認が出来るものですが、ごくまれに角度などの問題からエコーでは見えず、子宮外妊娠の確認が遅れてしまうこともあります。子宮外妊娠の場合は母体の安全性のためにも、一刻も早く手術で胎児(胎芽)を摘出する必要があるのです。

発見が遅れ、卵管が破裂する程に胎嚢が成長してしまった場合は、大量出血と共に激しい痛みなどの症状が発生します。大量出血でショック状態になる可能性もありますので、このような場合は迷わず救急車を呼び、医療機関で迅速な処置が必要です。

カズヤ先生

産婦人科医

子宮外妊娠などの異常妊娠を早めに診断するためにも、月経が遅れていて妊娠の可能性があるならば、早めに産婦人科医を受診する必要があるのです。 稀に、妊娠12週以降になって初めて産婦人科医を受診される患者さんもいますが、もし異常妊娠であった場合、非常に危険な状態になります。

早期流産の原因は?【不育症の場合】

初期流産を繰り返したり、死産を経験されたりした方の中には「不育症」である方がいらっしゃいます。不育症とは字の通り「胎児(胎芽)の発育が不良になってしまう症状」です。一口に不育症と言っても、血液が固まりやすかったり、ホルモン値が正常ではないなど症状があります(※2)。

不育症だからと言って確実に流産するとは限りません。しかし、適切な治療で不育症の症状を予防しなければ高確率で流産してしまうのです。不育症検査は自費の項目が多く、5万円~10万円程の検査費用がかかりますが、一度流産を経験されている方は不育症検査を受けてみることをおすすめします。

(流産の原因については以下の記事も参考にしてみてください)

稽留流産が原因でつわりがなくなる?兆候は体の変化に現れる?
妊娠初期の流産の症状と原因は?出血量や基礎体温に兆候がみられる?

早期流産の予防策は?

上記でもご説明した通り、妊娠初期の流産は胎児の染色体異常である場合が多いです。そのため母体がいくら気を付けて流産を予防しても防ぐことは難しいでしょう。しかし、流産の確率を下げたり、多少なりともリスクを避けるために、少なくとも下記のようなことは守りましょう。

早期流産の予防策は?【体をできるだけ冷やさない】