赤ちゃんの痰が絡む危険性は?効果的な取り出し方や、受診する目安も解説

【医師監修】赤ちゃんの痰が絡んでいると、心配になりますよね。ここでは、赤ちゃんの痰が絡む症状が出る病気や、〈透明〉〈黄色・緑色〉〈粘り気がある〉など種類別の注意点を解説します。効果的な取り出し方や、病院に行く目安も参考にしてみてくださいね。

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Contents
目次
  1. 赤ちゃんの痰が絡む原因は?
  2. 赤ちゃんが痰が絡む症状が出る病気は?
  3. 赤ちゃんの痰の種類
  4. 赤ちゃんの痰の放置は危険?
  5. 赤ちゃんの痰の効果的な取り出し方は?
  6. 赤ちゃんの痰で病院に行く目安は?
  7. 赤ちゃんの痰に関する体験談!
  8. 赤ちゃんの痰は要注意な場合も!

急性副鼻腔炎の多くは風邪の後に起こる病気です。細菌やウイルスによって鼻の奥の副鼻腔という部分に炎症が起こり、膿(うみ)がたまります(※3)。この膿は粘り気のある鼻水となって出てきますが、喉に流れ込むこともあります。喉に流れ込んだ鼻水が喉に溜まってしまうと、痰が絡むのと同じ状態になるのです。

マキ先生

小児科医

一般的には生後数ヶ月の赤ちゃんはまだ副鼻腔がきちんと発達していないため、いわゆる大人のような蓄膿状態にはなりにくいとされています。

アレルギー性鼻炎

花粉やハウスダスト、ダニなどにアレルギーを持っている赤ちゃんは、そのアレルギーによって鼻炎を起こすことがあります。大人の場合も花粉症などがありますよね。アレルギー性鼻炎によって出た鼻水が喉に流れ込むと、痰が絡むのと同じ症状となります。

(赤ちゃんのアレルギーについては以下の記事も参考にしてみてください)

新生児のくしゃみが多い…原因や対処法は?アレルギーと風邪の違いは?

肺炎

肺炎は主に細菌やウイルスに感染して起こります(※4)。気管支炎などを起こしていると抵抗力が弱まるので、細菌やウイルスが肺まで入ってしまい、炎症を起こすのです。高熱や脱水症状、呼吸困難に繋がる場合もあります。赤ちゃんの月齢が低いほど重症化しやすく、命に関わる場合もあるので、注意が必要な病気です。

クループ症候群

クループ症候群の多くはウイルス感染により、喉の奥の声を出すあたりの部分が炎症を起こして腫れる病気です。泣くときは声が枯れたようになり、息が漏れているような「ヒーヒー」という音が聞こえます。「ケンケン」という犬の吠える声のような咳や、オットセイの鳴き声のような咳が特徴的です。

初めは風邪のような症状ですが、突然呼吸困難になったり、顔色が紫色になったりすることがあります。症状が急に悪化する場合があるので、その時は迷わず救急外来を受診しましょう。(※5)

(赤ちゃんの声のかすれについては以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんの声が枯れる・かすれる原因は?風邪の症状?治し方・予防策を紹介!

乳児喘息

アレルギー体質や、埃・ダニ・タバコの煙などによって喘息(ぜんそく)が引き起こされることがあります。気管支が狭くなり、呼吸のたびに「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」といった音がすることが繰り返し起こります。発作が出る前には、機嫌が悪くなるなどのサインが出る場合が多いです。

マキ先生

小児科医

最近はまだワクチンの打てていない赤ちゃんでの百日咳も散見されます。息がなかなか吸えないほど咳き込んだり、呼吸を止めるような発作が出たりする場合もあり、月齢が低い赤ちゃんで特に注意が必要な病気です。

赤ちゃんの痰の種類

赤ちゃんの痰は色や状態などで種類を分けられ、種類を見極めることで、赤ちゃんの体の状態を確かめるのに役立ちます。赤ちゃんの痰の種類と、それぞれの症状の危険度を見てみましょう。

透明な痰

赤ちゃんの痰が透明でさらさらとしていれば、特別心配する必要はありません。埃や冷たい空気から受けた刺激によって、一時的に痰が出ていると考えられます。赤ちゃんにアレルギーがあれば、アレルギー反応が原因の場合もあります。

赤ちゃんが風邪ウイルスに感染した場合も出ることがありますが、透明でさらさらとした痰か、少し色がついていてもうっすらと黄色がかっている程度なら、軽い症状であるでしょう。

黄色・緑色の痰

赤ちゃんの黄色や緑色の痰は、ウイルス感染が治りかけの場合に多く見られますが、細菌感染が原因である場合もあります。赤ちゃんの顔に鼻を近づけると、痰のにおいがすることもあります。クループ症候群や副鼻腔炎などの病気にかかった場合は、黄色や緑色の鼻水が出るので、それが喉に流れ込んだ場合にも、黄色や緑色の痰として確認することができるでしょう。

細菌感染が原因だった場合は、放置すると悪化の危険性があります。痰の色が濃いと思った場合は病院を受診すると良いでしょう。