妊婦の歯医者での治療はいい?臨月はNG?妊娠中の麻酔は胎児に影響が?

【医師監修】妊娠中に歯医者で治療をしていいの?レントゲンは大丈夫?と悩んでいるママもいるでしょう。妊婦の歯医者での治療の是非、臨月はNGなのか、妊娠中の麻酔は胎児に影響がないのか、などについて先輩ママの声や産婦人科医の指摘を基に説明します。参考にしてください。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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目次
  1. 妊娠中の妊婦さんは歯医者で治療しても大丈夫?
  2. 妊娠中の妊婦さんが歯医者で治療する際の注意点
  3. 臨月の妊婦さんの歯科治療はNG?
  4. 妊娠中の妊婦さんが麻酔を受けると胎児に影響がある?
  5. 妊娠中の妊婦さんは歯医者でレントゲン撮影しても大丈夫?
  6. 妊婦さんは妊娠中に歯医者での治療を済ませておこう

妊娠中の妊婦さんは歯医者で治療しても大丈夫?

妊娠中に歯や歯茎の不調を感じている妊婦さんは多いものです。しかし「妊娠中はいつからいつまで歯医者での治療や検診ができるの?」「胎児への麻酔やレントゲンの影響が不安」といった悩みのせいで、なかなか歯医者に足を運べない方も少なくありません。実は、妊娠中の妊婦さんも一定の期間中は歯医者での治療・検診を受けることができます。

歯や歯茎に関する病気の中には、悪化させると早産・流産の原因となってしまうものもあります。「歯医者での治療が胎児に悪影響だったらどうしよう」と治療の影響を気にし過ぎるあまり、歯や歯茎の不調を放置してしまうのは非常に危険です。

近年、日本歯科学会で報告されたのが「歯周病が流産・早産の原因にもなる」という説です。妊娠中に分泌される女性ホルモンの影響で、妊婦さんは歯周病にかかりやすいといわれています。歯周病をはじめとする歯・歯茎の不調を早期発見するためにも、妊娠中は定期的に歯科検診を受けてください。

妊娠中の妊婦さんは口内環境が悪くなる?

妊娠中の妊婦さんは生活サイクルやホルモンバランスの乱れにより、口内環境が悪くなりがちです。妊娠中は唾液の量が減少するため、口の中が酸性に傾きやすい状態になります。その点も、妊婦さんが虫歯や歯周病にかかりやすいとされる理由のひとつです。

また、妊娠中は女性ホルモンが増えることによって歯茎から出血しやすくなります。「歯茎からの出血はよくあることだから」と軽視する方も多いのですが、歯茎からの出血を放置すると歯周病が悪化しかねません。最悪の場合、歯が抜けてしまうこともあります。妊娠中の歯科検診で歯や歯茎の不調が見つかった際は、しっかり治療しましょう。(※1)

カズヤ先生

産婦人科医

原則として、妊娠中の歯科治療に制限はありません。 むしろ、齲歯(むし=虫歯)、歯周病を放置する方が妊娠経過にとって悪影響を与えますので、妊娠の初期から適切に歯科医と相談し、治療していくことが大切です。

(ホルモンバランスの乱れについては以下の記事も参考にしてください)

不正出血はストレスが原因?ホルモンバランスの乱れが影響している?

妊娠中はつわりで歯磨きがおろそかになることも

妊娠中はつわりで歯磨きがおろそかになることもあります。妊娠中のつわりで体調がすぐれない期間は、歯ブラシを口に入れただけでも気分が悪くなるものです。「つわり中は歯磨きが一番辛い」という方も多いでしょう。

しかし、口内環境の悪化を防ぐには「口内を清潔に保つこと」が重要です。歯磨きをするのが困難な場合は、こまめなうがいを心がけましょう。キシリトールガムや歯間ブラシを取り入れるのもおすすめです。

(つわりについては以下の記事も参考にしてください)

つわりがひどい…!楽になる方法10選!入院が必要な場合も?体験談あり
つわりの症状まとめ!妊娠初期以外もある?タイプ別10の対処法!

妊娠中の妊婦さんが歯医者で治療する際の注意点

歯の治療が終わる前に妊娠してしまったり、歯科検診で異常が見つかったりした場合には、妊婦さんも歯医者で治療を受けることになるでしょう。その際には、治療を受ける時期によって異なる注意点があります。注意点を把握せずに治療を始めてしまうと、「妊娠中に治療が終わらなかった」「別の不調で治療が続けられない」といったことにもなりかねません。

妊娠中に歯医者で治療する際の注意点について説明します。

歯医者での治療の際は妊娠中であることを伝える