妊婦の歯医者での治療はいい？臨月はNG？妊娠中の麻酔は胎児に影響が？

歯医者での治療・検診時には、妊娠していることを歯科医に伝えましょう。母子健康手帳を交付されている場合には必ず持参してください。医師も妊娠中であることを考慮して、適切な治療法や麻酔などを行ってくれるでしょう。また、妊娠中であることを把握してもらえば、「体調が悪い」「治療中の体勢が辛い」といった際にも相談しやすくなります。（※2）

妊娠超初期にあたる妊娠0～3週の期間は、歯医者での治療は一通り行うことができるでしょう。ただ、医師によって妊娠の可能性がある場合の投薬や麻酔、レントゲン撮影に対する考え方には違いがあります。受診の際には必ず妊娠の可能性があることを告げてください。

また、つわりの時期に入ってしまうと治療の継続が難しくなります。治療中の中途半端な状態でつわりを迎えると、口内環境がますます悪化してしまう可能性も否定できません。念のため、いつまでに治療が終わるかについても確認しておくと良いでしょう。

（妊娠超初期については以下の記事も参考にしてください）

妊娠初期にあたる妊娠4～15週は、胎児の重要な器官の成長が著しい時期です。この時期における投薬は慎重に行う必要があるため「胎児に影響のない薬を使用したい」という希望を医師に伝えてくださいね。

また妊娠初期はつわりで体調が落ち着かず、長期間の治療が困難になります。つわりの症状がみられるようであれば、ひとまず応急処置までに留めてもらうのがおすすめです。根本的な治療はつわりが落ち着き次第、いつから治療再開が可能なのか歯医者に相談してみましょう。

「妊娠中の歯医者の治療はいつからいつまでが最適な時期なの？」と気になっている妊婦さんも多いでしょう。妊娠中期にあたる妊娠16～27週が、歯医者で治療を受けるのに適していると言えます。理由としては、つわりが治まる時期であるこ、この時期に胎盤が完成して母子ともに安定することが挙げられます。

「歯医者での治療はいつから始めても良いのでは？」と考えている妊婦さんも多いのですが、母体や胎児への影響を考えて妊娠中期に治療を始めるのが良いでしょう。可能であれば、妊娠中期のうちに治療や歯科検診を終えてしまうのがベストです。

（妊娠中期については以下の記事も参考にしてください）

妊娠後期にあたる妊娠28週～35週の期間も、歯医者での治療ができないわけではありません。ただ、胎児の成長に悪影響を及ぼす可能性が高まるため、治療には制限がかかることもあるでしょう。また歯医者では椅子を倒して仰向けで治療するので、妊婦さんの血圧が急激が下がる「仰臥位（ぎょうがい）低血圧症候群」が起こる可能性があります。

仰臥位低血圧症候群にかかると「気分が悪い」と感じる妊婦さんがほとんどで、重症の場合は気を失うこともある病気です。妊婦さんが気絶状態になると、胎児は低酸素状態を引き起こし心拍数も低下します。このため、妊娠後期の歯医者での治療は応急処置に留めておくと良いでしょう。（※2）

（妊娠後期については以下の記事も参考にしてください）