新生児の生理的体重減少とは?計算式は?体重が戻らない場合は危険?

【医師監修】新生児の生理的体重減少について知っていますか?この記事では、新生児の生理的体重減少の原因や、生理的体重減少率の計算式や〈母乳育児〉〈ミルク育児〉で変わる目安について紹介します。さらに、生理的体重減少がない、減った体重が戻らない場合などについても紹介します。

Contents
目次
  1. 新生児の生理的体重減少とは?原因は?
  2. 新生児の生理的体重減少率の計算式を紹介!
  3. 母乳・ミルク育児での新生児の生理的体重減少率の目安
  4. 新生児に生理的体重減少がない、減った体重が戻らない場合は危険?
  5. 新生児の生理的体重減少は自然な現象!

新生児の生理的体重減少とは?原因は?

新生児の赤ちゃんは一度、出生時よりも体重が減少します。生まれたばかりの赤ちゃんの体重が減ると、ママはとても心配になりますよね。「授乳量が足りていないのでは?」「何か病気があるのかも」と不安に感じるママも少なくありません。

この新生児の体重が一時的に減る現象を、生理的体重減少といいます。生理的体重減少では、生後2〜5日までに10%未満の体重が減少します。ほとんどの場合、生後4~5日で減少のピークを迎え、生後7日目には生まれた時の体重に戻ります。その後、赤ちゃんの体重は増加に転じ、1日20~30gずつ増えていくでしょう。(※1)

パート

20代

赤ちゃんが生まれて3日目くらいに体重の減少がピークを迎えました。けっこう減ったので怖かったけど、ピークでも10%以内なら問題ないと知り安心できた。その後7日目くらいにはちゃんと元に戻り、これが生理的体重減少かーと思いました。

会社員

30代

生理的体重減少という言葉を知らず、新生児の赤ちゃんの体重ががくんと減った時にはショックで怖くて泣いてしまいました…。後からこの現象を知って落ち着いたけど、もっと新生児について勉強しておくべきだったと思ったよ。

生理的体重減少は、どの赤ちゃんにも起こる正常な現象です。そして、この生理的体重減少が起こるのにはいくつかの原因が考えられます。まずは、その原因からみてみましょう。

(新生児の体重については以下の記事も参考にしてみてください)

新生児の体重増加の目安は?増えない・増えすぎは母乳の与え方が原因かも!

飲む量よりも出ていく水分量の方が多いため

新生児の生理的体重減少は、赤ちゃんが飲む水分量よりも体から出ていく水分量の方が多いことが原因で起こります(※2)。生後間もない赤ちゃんはまだ母乳やミルクの飲み方もうまくないため、飲む量よりもおしっこやうんちで出ていく量の方が多くなります。そのため、体重が一時的に減ってしまうのです。

さらに、汗以外に皮膚や呼気からも水分は出ていきます。そのため、身体から出ていく水分量は赤ちゃんが飲む量よりも多くなってしまうのです。

また、体内の水分量が減ることで赤ちゃんの身体のむくみが減少することも、生理的体重減少の原因のひとつとなります。

胎児の時に飲み込んだ羊水が排出されるため

新生児の生理的体重減少の原因のひとつとして考えられるのが、胎便(たいべん)です。胎便とは、胎児の時にママのお腹の中で飲み込んだ羊水が便となって排出されることです。胎便が排出されることによっても、一時的に赤ちゃんの体重は減少すると考えられています。(※2)

(羊水については以下の記事も参考にしてみてください)

羊水とは?色や匂いは?どんな役割なの?少ないと胎児が発達不良に?

基礎代謝が大きいため

新生児の生理的体重減少の原因としては、赤ちゃんの基礎代謝の大きさも挙げられます。基礎代謝とは生命を維持するために必要なエネルギー量のことで、新生児の赤ちゃんの体重1kg当たりの基礎代謝は20歳の大人のおよそ2倍にもなります。

新生児は、体重1kg当たり1日120Kcalものエネルギーが消費されるといわれています。まだまだ飲める母乳やミルク量はそれほど多くないため、生後数日間はカロリー不足の状態となるのです。そのため、赤ちゃんの身体の脂肪が減り体重が減ってしまうと考えられます。

新生児の生理的体重減少率の計算式を紹介!

新生児の生理的体重減少での体重減少率は、計算によって求めることができます。その計算式が(出生時の体重-測定時の体重)÷出生時の体重×100=体重減少率(%)になります。

この計算によって出された体重減少率が、5~6%であれば標準的であると考えられるでしょう(※2)。難しい計算ではないので、新生児の体重減少が気になる時は計算をしてみましょう。

(新生児の体重については以下の記事も参考にしてみてください)

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