点頭てんかんの前兆は?症状や原因、治療法は?診断遅れで死亡するケースも?

小児てんかんの中で完治が難しい病気が点頭てんかん(ウエスト症候群)です。点頭てんかんに気付かず発見が遅れると重い障害を招き、死亡する場合もあります。点頭てんかんの前兆、症状、原因、治療法、薬について説明します。実際の発作を撮った動画も参考に見てください。

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Contents
目次
  1. 赤ちゃんの点頭てんかんの前兆・症状
  2. 赤ちゃんの点頭てんかんの原因
  3. 赤ちゃんの点頭てんかんの発作はどんな様子?【動画】
  4. 赤ちゃんの点頭てんかんの治療法!完治する?
  5. 赤ちゃんの点頭てんかんは診断遅れで死亡するケースも?
  6. 赤ちゃんの点頭てんかんについて知っておこう

YOTSUBA専属ライター

30代

初めて点頭てんかんの発作を見た時には、変なくしゃみだと思いました。小さく息を吸い込みながら体を縮めるような感じでした。日を追って発作が増えるにつれて、手足が上にあがるようになり、頭をがくんと動かすようになって点頭てんかんだとわかるようになりました。

点頭てんかんの発作は一瞬ですが、5-40秒ごとに繰り返して続きます。この繰り返しは医学的にシリーズ形成と呼ばれ、1日に何度もシリーズするのが点頭てんかんの特徴です(※2)。ただ、赤ちゃんは発作中も意識はあるようです。

発作は次第に回数が増え、持続時間が長くなっていく傾向にあります。赤ちゃんが寝入った直後や目が覚める前に起きることが多いようです。

赤ちゃんの点頭てんかんの原因

赤ちゃんの点頭てんかんの原因はさまざまです。先天性の脳の奇形など原因がはっきりしているものもあります。これといった原因がわからないのに発症してしまうケースもあります。

点頭てんかんに対する治療効果や予後(その後の発達)は、原因によって大きく左右されます。このため治療前に各種検査を行い、できるだけ原因を明らかにしなければなりません。

原因がわかる症候性

点頭てんかんを引き起こす基礎疾患として次のような疾患が挙げられます。

先天奇形症候群、結節性硬化症、新生児虚血性低酸素脳症、染色体異常症、胎児感染症、外傷後脳損傷、脳腫瘍、代謝異常、遺伝子異常などです。(※3)

このうち、何らかの脳障害を原因とするグループを症候性といい、それ以外を非症候性として区別しています。点頭てんかんの赤ちゃんの約80%が症候性といわれています。

ただ、症候性の点頭てんかんは治療をしても治りにくい傾向にあります。発達面においても、知能面や運動面で何らかの障害が出ることが多く、予後もよくないケースが多いようです。

原因不明の潜因性

点頭てんかんのメカニズムはまだはっきりわかっていません。発症までまったく異常がなく原因がわからない場合もあります。このような原因不明のものを潜因性といい、点頭てんかんの赤ちゃんの約20%を占めます。

潜因性は比較的予後が良く、その後正常に発達できるのは潜因性に限られるとも指摘されています。

赤ちゃんの点頭てんかんの発作はどんな様子?【動画】

点頭てんかんの赤ちゃんの発作を撮った動画を紹介します。点頭てんかんの子を持つ方が、病気の早期発見に役立ててほしいと公開してくれたものです。赤ちゃんの発作の様子などがわかります。参考にしてください。

点頭てんかん特有のバンザイをするような発作の仕草が見られます。この動画では発作がわかりやすいですが、次の動画のように動きが小さくわかりにくい発作の場合もあります。

点頭てんかんの発作では、腕を振り上げるような動きのほかに、うなずくような動きが見られます。頭の動きは次の動画を見るとわかりやすいでしょう。

赤ちゃんの不自然な仕草に疑問を感じたら、ネットで検索して動画を見てみましょう。もしかしたら点頭てんかんでは?と気づくことがあります。

こうした動画は点頭てんかんの早期発見に役立っています。もし赤ちゃんの動きに違和感を感じて、動画と似ていると感じたら早急に専門医で診てもらいましょう。発見の遅れは禁物です。

受診に先立ち、赤ちゃんの様子をスマホなどで撮影しておきましょう。また発作と思われる不自然な仕草が何時にどれくらいの間隔で、何回くらい続いたのかもメモしておきましょう。動画とメモを医師に見せれば診断に役立ちます。