点頭てんかんの前兆は?症状や原因、治療法は?診断遅れで死亡するケースも?

小児てんかんの中で完治が難しい病気が点頭てんかん(ウエスト症候群)です。点頭てんかんに気付かず発見が遅れると重い障害を招き、死亡する場合もあります。点頭てんかんの前兆、症状、原因、治療法、薬について説明します。実際の発作を撮った動画も参考に見てください。

Contents
目次
  1. 赤ちゃんの点頭てんかんの前兆・症状
  2. 赤ちゃんの点頭てんかんの原因
  3. 赤ちゃんの点頭てんかんの発作はどんな様子?【動画】
  4. 赤ちゃんの点頭てんかんの治療法!完治する?
  5. 赤ちゃんの点頭てんかんは診断遅れで死亡するケースも?
  6. 赤ちゃんの点頭てんかんについて知っておこう

赤ちゃんの点頭てんかんの前兆・症状

何かをしているときに突然、意識がなくなったりするのが一般に知られている「てんかん」です。中学生までの子どもにこうした発作が起きるのが小児てんかんです。薬で発作を抑えることができます。しかし、乳幼児に発作が起きる点頭てんかんは完治が難しい病気です。

それでも早期治療ほど、赤ちゃんの発達を促します。点頭てんかんの前兆や症状をあらかじめ知って、赤ちゃんの動きに注意を払いましょう。

(子供のてんかんについては以下の記事も参考にしてみてください)

熱性けいれん〜小児てんかんへ移行する?症状の違いや原因は?予防法や後遺症についても

点頭てんかんとは

点頭という漢字は頭を下げてうなずくという意味です。点頭てんかんとは、このうなずきを突然したり両腕を急に上げたり、脚をピクッと震わせたりする発作を繰り返す病気です。イギリスの医師ウエストがわが子の症状を報告したことから初めて知られるようになり、ウエスト症候群とも呼ばれています。生後3~11カ月の赤ちゃんに発症することが多く、難治性てんかんの代表的な病気です(※1)。

 てんかんは大人も含めて人口100人あたり0.5〜1人にみられる病気です。患者数は日本全体でおよそ100万人に上ると推定されています。このうち点頭てんかんは出生1000人あたり0.16〜0.42人で男児がやや多いといわれています。日本全体では約4000人に上ると推定されています。

早期発見、早期治療

点頭てんかんは、てんかんの発作を抑えて脳に大きな障害が起きる前に一刻も早く治療することが重要です。早期発見、早期治療で赤ちゃんの知能、運動面に大きなダメージを与えないで済むケースもあります。

(発達障害については以下の記事も参考にしてみてください)

3歳になっても喋らない原因は?発達障害を診断する方法や、体験談も多数紹介

点頭てんかんに前兆はあるの?

点頭てんかんは赤ちゃんの脳波の異常が原因といわれています。このため発作が起きる前から、あやしても笑わなくなる、不機嫌になるなどの前兆を示すことがあります。

また、首がすわっていたのに首がすわらなくなってしまったり、今までできていたお座りができなくなったりするなど、発達退行が前兆としてみられる場合もあります。

先輩ママ

30代

声を出して笑うようになり「子育ても楽しくなっていくんだ」とワクワクしたのもつかの間、1週間もたたないうちに笑わなくなってきて、おかしいなと思っていたら、突然両手を広げてびっくりするようなポーズを5回くらいしました。

点頭てんかんの赤ちゃんの脳波は、ヒプスアリスミアと呼ばれる特徴的なてんかん性異常波がみられます。ヒプスアリスミアが赤ちゃんの不機嫌や発達退行の原因だと考えられています。「最近笑顔が少ない気がする」「なんだか不機嫌なことが多い」といった前兆と思われる仕草に気をつけましょう。

また、おもちゃなど周囲のことに無関心になるという症状も見られます。

(赤ちゃんの笑顔が少ないことが気になったら以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんが笑わない…!親が原因?障害との関係性、よく笑う子に育てるコツも!

点頭てんかんの症状

点頭てんかんの赤ちゃんは突然お辞儀をするように頭をがくんと下げたり、体を前にかがめたりします。両手足を一瞬縮めるような動きもみせます。通常のてんかんの発作とは違います。

点頭てんかんの発作は、生まれて間もない赤ちゃんが急にビクッとしたりするモロー反射(正常な原始反射)と似ています。このためモロー反射と誤診されることがあります。