点頭てんかんの前兆は?症状や原因、治療法は?診断遅れで死亡するケースも?

小児てんかんの中で完治が難しい病気が点頭てんかん(ウエスト症候群)です。点頭てんかんに気付かず発見が遅れると重い障害を招き、死亡する場合もあります。点頭てんかんの前兆、症状、原因、治療法、薬について説明します。実際の発作を撮った動画も参考に見てください。

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Contents
目次
  1. 赤ちゃんの点頭てんかんの前兆・症状
  2. 赤ちゃんの点頭てんかんの原因
  3. 赤ちゃんの点頭てんかんの発作はどんな様子?【動画】
  4. 赤ちゃんの点頭てんかんの治療法!完治する?
  5. 赤ちゃんの点頭てんかんは診断遅れで死亡するケースも?
  6. 赤ちゃんの点頭てんかんについて知っておこう

赤ちゃんの点頭てんかんの治療法!完治する?

点頭てんかんと診断されたら、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)療法や抗てんかん薬などで発作の抑制していきます。点頭てんかんの治療法や薬、完治の可能性について説明します。

ビタミンB6や抗てんかん薬の服用

点頭てんかんの赤ちゃんには、まずビタミンB6やバルプロ酸などの抗てんかん薬を内服して様子をみることが多いでしょう。これらの薬の有効性はACTH療法に比べると劣りますが、副作用が少ないことから選ばれるようです。

ACTH療法

点頭てんかんの赤ちゃんに対する代表的な治療がACTH療法です(※2)。ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を筋肉内に注射する治療法で、原則入院です。毎日1回連日注射して2、3週間でやめて状態をみる。またはその後も間隔をおいて注射を続けるなど処方があります。発作が止まるなど半数以上で発作の軽減が見られる有効性の高い治療法です。

しかし、ACTH療法は肥満や心肥大、免疫低下など副作用も大きいと指摘されています。ACTH療法で一度発作が止まっても再発するケースも多くみられます。

ケトン食療法

代表的なてんかんの食事療法にケトン食療法があります。米、パンなどの糖・炭水化物を減らして卵、肉などで脂肪が多くとり、体の脂肪分を増やしてケント体質にすると、難治性のてんかんなどに効果があり、発作が抑えられるといわれいます。(※2)。日本ではあまり普及していませんが、欧米で確立された治療法です。

てんかん外科治療

点頭てんかんを引き起こす脳の異常のある部分がはっきりわかっている場合は、この部位を切除するなどの外科治療が有効になることもあります。

完治は困難でも早期発見で抑制されるケースも

点頭てんかんは完治が難しい病気です。長期的にみると約半数でてんかん発作が持続します。一度発作が止まっても再発することも多く、レノックス・ガストー症候群など他の難治性てんかんに移行することも多いようです(※4)。

また、点頭てんかんは発達に障害が出ることも多く、自閉症などの合併症を発症することもあります。発作が抑制されても抗てんかん薬を服用し、経過観察を続けていく必要があります。

点頭てんかんには、長期にわたって粘り強く対処して行かなくてはなりません。

YOTSUBA専属ライター

生後5か月で点頭てんかんを発症。すぐにACTH療法を行った結果発作がなくなり現在2歳ですが抗てんかん薬の内服だけで再発なく過ごせています。再発しないか常に心配で、発達に関しても少しゆっくりですが、一度はなくなってしまった笑顔が見られるようになり、元気なことが嬉しいです。

点頭てんかんの完治は困難ですが、中には治療によって発作が抑制され、再発しないケースもあります。発育面でも正常に近い発達をする子もいます。

先輩ママ

30代

4ヶ月で発症して、7ヶ月で発作を抑制することができました。それから5年発作は見られていません。発達に関しては、知能は平均程度、言葉は苦手で判断が難しい微妙な感じですが元気に過ごしています。

点頭てんかんは早期治療がその後の予後に大きく影響します。早期に発見して適切な治療を受け、発作の抑制を目指すことがなにより重要です。

(自閉症については以下の記事も参考にしてみてください)

自閉症スペクトラムの幼児の症状の特徴は?原因や診断基準は?親の対応も!体験談多数

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