赤ちゃん・子供の咳が止まらない！長引く原因や受診の目安は？家ですべき対処法も！

赤ちゃんや子供が体調を崩すと、とても心配になってしまいますね。特に咳が止まらない場合は何が原因なのかと不安になってしまうことも多いでしょう。咳は口から肺につながる気道のどこかにホコリや風邪菌、ウイルスなどの異物があった場合に異物を排除しようとする防御反応です。赤ちゃんや子供の中では発熱と並ぶくらい病気の代表的な症状ですよ。

赤ちゃんや子供の咳にはさまざま原因があります。よく見られるのは気管支喘息のほか、ウイルスや細菌に感染して起こる呼吸器感染症、副鼻腔炎などです。

一般的に、咳をしている期間が比較的短い時は急性の感染症を起こしている可能性が高いと言われています。咳は身体の異常を知らせるために出るものなので、子供の咳を軽視せず、注意深く見守るようにしましょう。

咳は、原因によっていろいろな特徴があります。子供が咳をしている時の音を聞くと、乾いた感じの「コンコン」湿った感じの「ゴホンゴホン」という咳のほか「ケンケン」と犬が吠えるような咳をしているケースが多くあります。特に犬が吠えるような咳をしている場合は重症の病気に感染している可能性があるのですぐに病院に連れて行きましょう（※1）。

咳の音のほかに、咳が続く期間に注目することも大切です。病院では3週間未満で収まる咳、3～8週間続く咳、8週間以上続く咳……と3つの基準で区別しています。病院に行く際は、子供の咳が何週間くらい続いているのかを確認してみてくださいね。

なお、子供がかかる、咳を伴う感染症は子供の月齢や年齢によって少しずつ異なります。以下から発熱と咳が主な症状になる、感染症の種類を詳しく見ていきましょう。

（赤ちゃんのカンジダ皮膚炎については以下の記事も参考にしてみてください）

一般感冒は、よく言われる風邪のことです（※2）。ウイルスが鼻から感染して3日程度で鼻水が出て鼻がつまり、その次に咳が出ることが多くあります。赤ちゃんから大人まで、誰でもかかる病気です。

ケンケンと犬が吠えるような咳がクループ症候群の特徴です。主にウイルス感染によって喉の奥が炎症を起こし、呼吸困難を起こしてしまう危険があります（※1）。風邪のような症状に続いて起きることが多く、悪化すると入院が必要になる場合もありますよ。

急性気管支炎は主にウイルス感染によって気管支に炎症を起こす病気です（※3）。急性気管支炎にかかると発熱し乾いた咳をした後、痰を伴う湿った咳が出ます。基本的には痰が出やすくなる薬や咳止めなどの薬を飲ませ、様子を見ることになるでしょう。

ただし、赤ちゃんや子供が高熱を出し膿のような痰を出す場合は細菌感染の可能性があるため、抗菌薬が処方されることもあります。

肺炎は、発熱や咳、多呼吸などの症状を見せる病気です（※4）。赤ちゃんや子供の肺炎は、年齢によって原因菌が異なります。

新生児期には大腸菌などの腸内細菌やB群連鎖球菌などが原因で肺炎になることが多い一方、1～2歳の子供は肺炎球菌・インフルエンザ菌・ウイルスなどに感染し、肺炎になることが多くありますよ。

また、2～6歳の子供の場合はインフルエンザ菌・肺炎マイコプラズマ・肺炎クラミジア・肺炎球菌、学童期の子供は肺炎クラミジア・肺炎マイコプラズマなどが原因で感染することが多いでしょう。なお、学童期になると肺炎球菌やインフルエンザ菌で肺炎を発症することが多くなるので、抗菌薬を投与することが推奨されています。

百日咳は名前の通り、長い期間咳が止まらないことが特徴です。百日咳・ジフテリア・破傷風の三種混合のワクチン接種率が向上したことで百日咳にかかる人は減少していますが、地域によっては小規模な流行を起こすこともあります（※5）。

乳児などの赤ちゃんに感染することが多いと考えられてきましたが、最近では学童期以降の子供や、成人にも発症すると分かってきました。

赤ちゃんが少し咳き込む程度であれば、過剰に気にする必要はありません。しかし、頻繁に咳き込みむせる、咳が長く続く、咳が酷く眠れない、という場合は病院に行った方が良いでしょう。風邪と同じような症状だったので放置していたら別の病気だった、ということも有りえるからです。

特に生まれて間もない新生児は体力がないので風邪をこじらせると肺炎などの合併症を起こしてしまう可能性もありますよ。