赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の症状・原因は?薬など治療法は?自宅ケアの仕方も!

かゆみがつらいカンジダ皮膚炎には赤ちゃんや子供もかかります。「えっ、赤ちゃんもかかるの?」と、知らない人もいるかもしれません。赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の治療法、受診の目安、薬などの治療法、自宅でのケア方法などについて説明します。参考にしてください。

Contents
目次
  1. カンジダ皮膚炎の症状とは?おむつかぶれとの違いは?
  2. 赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の原因
  3. 赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の受診の目安
  4. 赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の薬などの治療法
  5. 赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の自宅ケア方法
  6. 赤ちゃんのカンジダ皮膚炎について知っておこう

カンジダ皮膚炎の症状とは?おむつかぶれとの違いは?

カンジダ皮膚炎と聞くと、婦人科で治療をする皮膚炎かな?と思う人が多いかもしれませんね。しかし、赤ちゃんや子供でもカンジダ皮膚炎になることがあります。カンジダ皮膚炎は、カンジダ菌(カビ)による皮膚の炎症です。赤ちゃんのお尻や股(陰部)に赤いブツブツが現れ真っ赤にただれる症状が多くみられます。男女問わず赤ちゃんに起こりやすい皮膚炎の一つです。(※1)

カンジダ皮膚炎とよく間違われるのがおむつかぶれです。赤ちゃんのおしりや陰部周辺に赤い湿疹が現れるため、肌を見ただけでは区別が難しいでしょう。おむつかぶれの場合、基本的におむつをあてているところが赤く炎症を起こします。汚れたおむつを長時間あてていると皮膚に炎症が起こる(おむつかぶれになる)ため、清潔にすることが大切です。

体の免疫力が極度に低下していると、カンジダ菌が体の奥深くや血流の中まで浸入することがあります。まれですが、全身に炎症が広がる深在性カンジダ症を引き起こすケースがあります。内臓や血液にまで影響が出るため、特に赤ちゃんは気を付けたいですね。ただの皮膚炎と思わず、完治するまでは根気よく治療をしましょう。

カンジダ皮膚炎とおむつかぶれの炎症範囲

カンジダ皮膚炎とおむつかぶれの炎症範囲は異なります。カンジダ菌は皮膚に常在しているため、皮膚の状態が良くないところならどこでも炎症を起こします。一方、おみつかぶれは文字通りおむつ内での炎症です。このため、症状がおむつの外でも現れていたら、カンジダ皮膚炎の可能性が高いでしょう。

カンジダ皮膚炎はブツブツがひどくなると水泡になり、膿(うみ)のようになることもあります。症状はおしりまわりに限らず、荒れている肌や皮膚のくびれ、しわの内側に現れることもあるでしょう。カンジダ皮膚炎には抗菌薬が有効ですので、病院を受診して処方してもらいましょう。

カンジダ皮膚炎とおむつかぶれは治療法が異なる

カンジダ皮膚炎とおむつかぶれは治療法が異なります。カンジダ皮膚炎の原因はカンジダ菌のため、抗菌薬が有効です(※1)。おむつかぶれは、肌が弱くなって炎症を起こしている個所へ塗り薬を使用します。塗り薬はおむつかぶれの程度によって変わります。保湿薬や非ステロイド薬で改善が見られない場合は、ステロイド薬を使用することもあるでしょう。

間違ってカンジダ皮膚炎なのにおむつかぶれの薬(ステロイド)を塗ってしまい、肌の炎症が悪化するケースがあります。その際はすぐに病院を受診して新しい薬を処方してもらいましょう。少し赤くなるなどの軽いおむつかぶれであれば、おむつ替えの度にシャワーで洗い流して清潔にすれば改善するでしょう。どちらの皮膚炎にせよ肌を清潔に保つことが大切です。

(子どもの草木かぶれについては以下の記事も参考にしてみてください)

子どもの草木かぶれの症状に要注意!原因や治療法、予防法、受診の目安など!

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の原因

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の原因は、カンジダ菌です。カビ(真菌)の一種で口の中や陰部、皮膚の表面に常在しています。カンジダ皮膚炎と聞くと、陰部で炎症がおこると認識している方が多いかもしれません。口内にも常在している菌なので、口の中で炎症が起こるケースもあります。通常は無症状ですが、さまざまな原因で菌が繁殖して炎症を起こします。(※2)

ママから赤ちゃんにカンジダがうつることも

ママから赤ちゃんにカンジダがうつることもあります。

妊娠中のママがカンジダ皮膚炎に感染していると、赤ちゃんにうつるおそれが高まります(※3)。自覚症状がなかったのに、妊婦検診で感染が判明した人もいるでしょう。妊娠中は免疫力が弱くなっていて菌が増殖しやすい状態です。カンジダ皮膚炎の治療は長引くこともあり、通院は大変ですが、赤ちゃんのリスクを避けるためにもしっかりと治しましょう。

膣分娩(自然分娩)の場合は、出産時に赤ちゃんへうつるリスクが高いようです。特に低体重児で生まれた赤ちゃんは免疫力が弱いため、カンジダ皮膚炎がうつるリスクは高くなります。

カンジダ皮膚炎が引き起こされる原因

カンジダ皮膚炎が引き起こされる原因はカンジダ菌の繁殖です。体調や肌の状態が悪化すると菌の繁殖が活発になります。特に赤ちゃんや子供はまだ免疫力が低いため、肌の炎症が起きやすいでしょう。カンジダ皮膚炎は誰もがかかる皮膚炎です。引き起こさないためにも、カンジダ菌が繁殖しやすくなる要注意な状況は以下の通りです。おむつかぶれの発症原因とも一部重なります。

・疲れがたまっていて免疫力が低下しているとき
・風邪を引いているとき
・長時間おむつを替えていなかったとき
・皮膚のしわや内側に汚れがたまっていたとき
・大量にあせをかいてそのままにしていたおいたとき
・きついおむつをしているとき

このような状態がしばらく続いていると、カンジダ皮膚炎を引き起こす可能性が高いでしょう。体調不良の際は安静が第一です。また赤ちゃんや子供はよく汗をかきやすく、湿り気はカンジダ菌にとっては絶好の環境です。赤ちゃんや子供は常に湿り気をとり清潔にさせておきましょう。

(おむつかぶれについては以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんのおむつかぶれの治し方・原因は?かぶれやすいのは何故?

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の受診の目安

赤ちゃんや子供の皮膚トラブルは、原因によって受診する科が異なります。皮膚の炎症だけであれば皮膚科でいいでしょう。もし熱や咳(せき)など他の症状がみられる場合は、小児科を受診してください。皮膚に炎症があるときは、赤ちゃんや子供は機嫌が悪くなります。不快感を取り除くためにも早めに受診してください。

カンジダ皮膚炎は発疹の中に白い粘り気の強いかすがあるのが特徴です、診断は皮膚からかすの一部をこすり取り、顕微鏡で調べます。また、かすを培養して菌の種類を調べることもあります。炎症の場所によっては、検査をせずに診断をすることがあるかもしれません。その際、おむつかぶれかも?と感じたら、治療法が違うので検査をお願いする方がいいでしょう。

おむつかぶれで使用する塗り薬(非ステロイド・ステロイド)は、アトピー性皮膚炎やかぶれには最適な薬です。しかし、カンジダ皮膚炎の場合、ステロイドを塗ることで肌が荒れやすくなります。結果的に炎症がひどくなるおそれがあるため、どちらの皮膚炎なのか。診断が欠かせません。

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の薬などの治療法