赤ちゃん・乳児にはちみつはNG?理由は?いつからOK?ボツリヌス症にかかることも!
【医師監修】とろっと甘くておいしいはちみつ!実は赤ちゃんに舐めさせてはいけないと知っていましたか?赤ちゃんにはちみつがNGな理由や、ボツリヌス症の症状などをわかりやすく紹介します。また、赤ちゃんにはちみつはいつからOKなのかや、食べてしまったときの対処法も紹介します!
赤ちゃん・乳児にはちみつは危険?
1歳未満の乳児にははちみつを与えてはいけません。これは母子健康手帳やはちみつのラベルにも注意書きがされています。乳児にはちみつを与えてはいけない理由は、乳児は腸内環境がまだ未熟なためです。このため、ボツリヌス症という感染症を引き起こしてしまう危険性があるのです。
ボツリヌス症の症状や、はちみつはいつから食べられるのかは、しっかり押さえておく必要があります。また、赤ちゃんがはちみつをなめたらどんな対応をすればいいのかもしっかりと把握して、大切な赤ちゃんを守ってあげましょう。はちみつ以外の赤ちゃんに与えてはならない食べ物も紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
(新生児と乳児の違いについては以下の記事も参考にしてみてください)
赤ちゃんにはちみつがNGな理由
赤ちゃんは免疫力や消化吸収機能が未熟であることが、乳児にははちみつが危険だとされる理由です。腸内環境がまだ整っていない乳児がなめた場合、はちみつに含まれるボツリヌス菌が腸内で増殖し毒素を発生させてしまいます。赤ちゃんは少しなめただけでもリスクがあるので注意しましょう。
(授乳中のはちみつについては以下の記事も参考にしてみてください)
ボツリヌス症とは?症状は?
ボツリヌス症は食中毒の一種で、特定の食べ物などに含まれるボツリヌス菌が発生させる毒素によって発症します。赤ちゃんのみならず大人も注意が必要な病気で、全身の神経麻痺を引き起こす神経中毒疾患です。
ボツリヌス菌は、土や砂の中、海や川、湖などに生息しており、果物や野菜、魚、肉に混入する恐れがあります。また、ボツリヌス菌は熱に強いので、100度で5時間加熱処理をしていても注意しなければなりません。ボツリヌス菌を死滅させるには、80度で30分以上の熱処理が必要です(※1)。
赤ちゃんには、はちみつもボツリヌス症の危険が!
はちみつは、赤ちゃんにとっては、なめただけでも危険な食材です。1歳未満の赤ちゃんの場合、便秘や哺乳力の低下、元気消失、首の座りが悪くなるといった症状が出てしまいます。初期症状としては、90%の確率で便秘がみられ、そのほかにも筋肉麻痺による無表情や呼吸困難などがみられます。最悪の場合、死に至る危険性もあるのです。(※1)
日本ではちみつを摂取しボツリヌス症を発症したという事例は少ないですが、平成29年に東京都で生後6ヶ月の乳児がはちみつを食べボツリヌス症で死亡したという事故が実際に起きています。したがって、少しでもはちみつが含まれていると思われる、はちみつ入り飲料や食べ物は満1歳になるまで与えないようにしましょう。
富田規彦
小児科医
1984年に発生した、辛子蓮根によるボツリヌス菌の集団食中毒事件は、真空包装で相当期間冷蔵保管されていたことが汚染を進行させたものとされています。汚染された缶詰めや、真空パックの食品からも感染するので注意しましょう。
赤ちゃんにはちみつはいつからOK?
では、赤ちゃんがはちみつを摂取しても安全なのは、一体いつからなのでしょうか。それは1歳以上になってからです。アレルギーがない赤ちゃんであった場合でも、初めてはちみつを与える際は体調の良い日を選び細心の注意を払いましょう。
1歳を過ぎたら、はちみつ以外の心配な食べ物も徐々に解禁!
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