大泉門と小泉門とは?赤ちゃんの病気・異変がわかる?頭蓋骨の穴の閉鎖時期は?

【医師監修】赤ちゃんの頭部にある謎のへこみのことを大泉門・小泉門と呼びます。詳しく大泉門・小泉門の意味や大きさを紹介していきます。また大泉門を押してはいけない理由のほか、大泉門・小泉門が開始する時期、大泉門・小泉門のへこみや膨らみの原因を詳しく紹介していきます。

Contents
目次
  1. 大泉門・小泉門とは?
  2. 大泉門を押してはいけない理由は?
  3. 大泉門・小泉門が閉鎖する時期は?閉鎖しないのは病気?
  4. 大泉門のへこみ・膨らみの原因は?病気の可能性も?
  5. 赤ちゃんの頭蓋骨はとってもデリケート!

大泉門・小泉門とは?

赤ちゃんの頭の位置には柔らかいへこみが存在しています。赤ちゃんの頭部に柔らかいへこみがあると「病気なのかな、なにか異常があるのかな」などとても心配になりますよね。しかし、心配することはありません。この柔らかいへこみは赤ちゃんにとって必要なのです。

まず赤ちゃんの頭がどのような状態になっているのかを紹介していきます。

産まれたばかりの新生児の頭の大きさは、男の子で約33.5cm、女の子で約33.0cmと胸の大きさよりも大きいサイズです。また、頭の直径は身長の4分の1の大きさです。赤ちゃんの脳の重さは330gから360gで大きいため、身体の重心は上にあります。生まれたての赤ちゃんは首が据わっておらず、頭も重たいためぐらぐらとして不安定です。

産まれたばかりの赤ちゃんの頭の状態は、大人の頭蓋骨のようにつながっておらず、一部骨が無い状態の所があります。赤ちゃんの頭は頭蓋骨と縫合と呼ばれる結合組織と、骨がない柔らかい状態の位置である『大泉門』『小泉門』でできています。

赤ちゃんは産まれてくる時にとても狭い産道を通ります。その時にスムーズに通れるように頭蓋骨の一部分を重ねるようにして、頭の形を変形させながら下りてくるのです。そのため、出産まで時間のかかった赤ちゃんの頭はとんがった形をしていることもあります。しかし、生後1週間ほどで丸く戻るので心配することはありません。

赤ちゃんの頭はとても柔らかいため、生後2.3週間の新生児の期間に寝ている時の向き癖があると頭の形が変形することもあります。しかし、頭の形が変形していても特に心配することはありません。成長していくにつれて脳が大きくなり頭蓋骨が広がることで、頭の形も丸くなってきますよ。

赤ちゃんの頭には脳と頭蓋骨がありますが、その間には脳脊髄液という髄液で満たされています。また、赤ちゃんの脳はしっかりと固定されていない状態で、硬膜と橋静脈という血管でつながっているだけなのです。もしも頭をぶつけてしまった場合は、この橋静脈という血管がちぎれてしまい、硬膜下血腫という病気を引き起こしてしまいます。

大泉門とは

大泉門とは頭頂部、おでこの上のあたりに位置している、柔らかい骨のないところのことです。おでこの上のあたりに位置していて、正面から見ると頭頂部がへこんで不思議な頭の形に見えることがあります。(※1)

大泉門の大きさは産まれた時は約3cmほどです。1ヶ月検診などの検診で大泉門が産まれた時の大きさ約3cm以上になっている場合は、何らかの病気の可能性もあるため、精密検査を受けなくてはなりません。

小泉門とは

小泉門は『後泉門』とも言われます。この小泉門とは後頭部のほうに位置する骨のない柔らかい部分のことです。小泉門は大泉門よりは小さく、ほとんどの赤ちゃんが生後2~3ヶ月で閉鎖します。

生後2~3ヶ月を過ぎても閉鎖しなかったり、産まれた時よりも小泉門が開いてしまっていると感じた場合は先天性の病気の可能性もあります。なるべく早めに病院で確認してもらいましょう。

大泉門と小泉門はなぜ必要なの?

赤ちゃんの頭蓋骨の一部がくっついていない理由には、先程も紹介したように狭い産道を通るためや、赤ちゃんの脳は産まれた時から1歳になるまでに約2.5倍にも成長するためです(※2)。そのため、大泉門と小泉門の位置で空洞を作っておくことで、脳が成長しても骨が脳の成長の妨げにならないようになっています。

大泉門を押してはいけない理由は?

大泉門を押してはいけない、ということを知っていますか?赤ちゃんの頭頂部がへこんでいるとついつい気になって触ってしまいますよね。ではなぜ押してはいけないのか、もしも間違って押してしまった場合はどうしたら良いのか紹介していきます。

大泉門を押してしまうと脳に損傷を与えてしまう