母乳は飲み過ぎに注意!鼻詰まりや泣いてうなるのは過飲症候群の症状?

【医師監修】母乳育児において、赤ちゃんが母乳を飲まないことも心配ですが、母乳を飲み過ぎることも心配のひとつでしょう。1日の母乳の量の目安や、赤ちゃんが出す飲み過ぎサインを紹介します。飲み過ぎの原因、過飲症候群の症状の特徴や、対処法も紹介します。

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Contents
目次
  1. 母乳は赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませてもいいの?
  2. 赤ちゃんの1日の母乳量の目安は?
  3. 赤ちゃんが出す母乳の飲み過ぎサインは?
  4. 母乳の飲み過ぎの原因は?
  5. 母乳の飲み過ぎは過飲症候群の可能性も?症状は?
  6. 母乳の飲み過ぎ・過飲症候群の対処法
  7. 赤ちゃんのおっぱいの飲み過ぎに注意

生理が始まるなど、母体に変化があることで母乳が出にくくなるケースもあります。乳腺のつまりであればおっぱいのマッサージなどで母乳が出にくくなった悩みなどを解決できることでしょう。しかし、母乳量が減ったのに母乳にこだわっていると、赤ちゃんが栄養失調になってしまいます。ミルクと母乳を混合して、適切な量を与えることが大切でしょう。

赤ちゃんが出す母乳の飲み過ぎサインは?

多すぎても少なすぎても、母乳は赤ちゃん生育に大きく関わります。しかし、母乳量の調整は、搾乳して量を毎回測るといったことを行わなければ難しいでしょう。ミルクの量が多かったり、予想より多い母乳の分泌に、知らず知らずのうちに飲み過ぎているケースも考えられます。

もし、飲み過ぎていた場合、赤ちゃんはシグナルを伝えています。それがわかれば、飲み過ぎに気が付くことができるでしょう。どういった行動や状態が伝えているのでしょうか。

母乳の飲み過ぎで見られる赤ちゃんの状態

母乳を飲み過ぎている場合、次のような症状や動作が赤ちゃんに見られます。紹介する症状がみられた場合、気を付けたほうがいいでしょう。

・ミルクを吐き戻しやすくなる
・授乳後にしゃっくりをよくする
・よく泣く
・お腹がパンパンに膨れている
・鼻から飲んだミルクが出てくる

赤ちゃんは胃が小さいことに加え、お腹がいっぱいになっても、満腹感がわからず飲み続けることがあります。そのため、授乳をしたあとにミルクを吐き戻したり、鼻からミルクが出てくる場合は飲み過ぎていると考えられるでしょう。

母乳の飲み過ぎの原因は?

赤ちゃんはなぜ母乳を飲み過ぎてしまうのでしょうか。それには、赤ちゃんならではの理由があります。また、よく飲むと気にせず飲ませていたら、母乳を飲み過ぎだと1ヶ月健診で専門家に指摘されて気が付くママも少なくありません。その場合は、周りの大人やママたちに原因があるでしょう。

このように飲み過ぎる原因がさまざまなところに潜んでいます。どういった理由が考えられるのでしょうか。

赤ちゃんの満腹中枢が発達していないから

赤ちゃんが母乳を飲み過ぎる原因として、満腹中枢が発達していないことが考えられます。月齢の低い頃は、満腹中枢は充分な機能をはたしていません。そのため、お腹がいっぱいでも赤ちゃんはわからず吸い続けてしまうのです。

さらに、赤ちゃんの胃はまだまだ小さく、わずかな量の母乳しか入りません。少しの母乳で胃は許容量をオーバーしてしまうことも理由でしょう。

吸てつ反射をするから

吸てつ反射とは、赤ちゃんが産まれた時から備わっているおっぱいを飲む反射のことです(※3)。吸てつ反射があるため、誰かに教えて貰わなくても赤ちゃんはママのおっぱいを飲むことができます。

しかし、赤ちゃんの胃はまだ小さいです。反射で母乳を飲むため、母乳が出るだけ飲んでしまい、胃の許容量を超えてしまうのです。この吸てつ反射も母乳を飲み過ぎてしまう原因のひとつと考えられます。

ミルクを与えすぎているから

意外と多いのが、ママがミルクを与えすぎているケースです。赤ちゃんが泣いていると「母乳が足りていない」とママも周囲も勘違いをし、ミルクを与えようとします。しかし、赤ちゃんの胃は母乳でいっぱいであるため、その結果ミルクを飲ませ過ぎているケースは少なくありません。

新生児や月齢が低い頃は赤ちゃんがなぜ泣いているのかもわかりにくいことでしょう。しかし、赤ちゃんは泣くことでしか周囲に伝える手段を持ちません。母乳をしっかり与えているはずなのに泣くようであれば、ほかの原因を考えて赤ちゃんをあやしましょう。

渡邉恵里

小児科医

赤ちゃんがどうしても泣き止まず、結局おっぱいに頼ってしまう…なんていうのは、当然、仕方のない事です。よほどの症状がない限りは、飲ませすぎという事にそんなに神経質になる必要はありません。ゆとりのある時に、他の泣き止ませ方がないかなど、授乳について振り返ってみて下さいね。

(ミルクについては以下の記事も参考にしてみてください)

ミルクの安全な作り置き!常温・冷蔵庫での保存方法は?何時間持つ?

ママのおっぱいが母乳過多だから

母乳過多とは母乳が必要以上に出てしまうことです。母乳過多の場合は水分量が多い母乳が出ます。水分の多い母乳を飲むと、赤ちゃんはすぐにお腹がいっぱいになってしまいます。しかし、水分量の多い母乳は脂質の量が少ないなど栄養バランスが悪く、短時間でお腹が空いてしまうのです。そのため、赤ちゃんは母乳を飲み過ぎる傾向にあります。

また、勢いよく母乳が出るため赤ちゃんが上手くおっぱいを吸えず、空気も一緒にたくさん吸ってしまうためお腹が張りやすくなります。ママが母乳過多になる原因はさまざまありますが、出過ぎることに悩んでいるなら、医師や専門家に相談するといいでしょう。

(母乳過多については以下の記事も参考にしてみてください)