熱性けいれん〜小児てんかんへ移行する?症状の違いや原因は?予防法や後遺症についても
1、2歳の乳幼児に多くみられる「熱性けいれん」とは、どんな病気でしょうか。通常は乳幼児の発達とともに症状は収まりますが、症状の種類、原因、小児てんかんとの違い、小児てんかんへ移行、後遺症など、熱性けいれんの全般について説明します。ぜひ参考にしてください。
子供の熱性けいれんは親にとってはとても衝撃的です。二度と見たくないと感じるものです。一度熱性けいれんを起こすと「繰り返すのでは?」と不安になってしまいます。また、熱性けいれんを繰り返すことによる障害や後遺症が心配になることもあるでしょう。熱性けいれんの再発率や予防法について詳しく解説していきます。
(子供の病気については以下の記事も参考にしてみてください)
熱性けいれん30〜50%繰り返す
子供が熱性けいれんを起こすと、30〜50%の子が繰り返すといわれてえます。1歳未満で発作を起こした場合や両親のどちらかに熱性けいれんの経験(遺伝性)がある場合などは、繰り返す確率が高くなるといわれています。また、発熱してからけいれんが起こるまでの時間が1時間以内と短い場合や、けいれんを起こした時の体温が39℃以下だった場合も繰り返すことが多くなると考えられています。
ジアゼパム座薬で予防も副作用
子供の熱性けいれんの予防に有効とされる座薬がジアゼパム(商品名ダイアップなど)です。ただ、日本小児神経学会は副作用(幼児には作用が強くなる)が懸念されるとして限定的な使用を提案してます。使用はけいれんが15分以上続く けいれんを繰り返すなど諸症状が重なったときとしています。この薬の使用については医師とよく相談しましょう。(※1)
インフルエンザ予防で高熱回避
インフルエンザにかかると高熱が出やすいため、熱性けいれんを併発することはよくあります。このため、インフルエンザワクチンを接種してインフルエンザを予防し高熱を回避できれば、熱性けいれんを抑えることにもつながるでしょう。
熱性けいれんを発症した後にインフルエンザワクチンの接種する場合は、最後の熱性けいれんから2、3カ月後という医師が多いようです。発症した子へのワクチン接種は担当医の同意を得てからにしましょう。
熱性けいれん 障害も後遺症もないが‥‥
子供の熱性けいれんが原因で後遺症や障害が残ることはほぼないといわれています。発達は予後は良好です。ただ、発達が遅れ、障害や後遺症が残る他の重い病気の場合も考えられるので各種検査が必要です。
他の重い病気なら障害、後遺症も
熱性けいれん以外に子供がけいれんを起こす病気に髄膜炎や脳炎などの重い病気があります。(※1)
重い病気が疑われる場合は、熱性けいれんの時間が長かったり、子供の意識回復が遅かったり、けいれんを繰り返したりする場合です。また以前から知能障害や発達の遅れ、神経の病気があったという場合にも重い病気が隠れているおそれがあります。発達に支障が出て、後遺症や障害が残る可能性があります。こうした症状のときは早急に小児科(できれば小児神経専門医)で診てもらってください。
熱性けいれんと小児てんかんについて知っておこう
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