熱性けいれん〜小児てんかんへ移行する?症状の違いや原因は?予防法や後遺症についても
1、2歳の乳幼児に多くみられる「熱性けいれん」とは、どんな病気でしょうか。通常は乳幼児の発達とともに症状は収まりますが、症状の種類、原因、小児てんかんとの違い、小児てんかんへ移行、後遺症など、熱性けいれんの全般について説明します。ぜひ参考にしてください。
熱性けいれんとは?小児てんかんに移行する?
熱性けいれんとは、生後6カ月ごろから5歳ごろまでの乳幼児に起きやすい疾患のことです。風邪やインフルエンザにかかって子供が38度以上の高熱を出した時に起こります。乳幼児のおよそ10人の1人弱(約7〜8%)が発症するといわれています。
子供の体がけいれんする様子はとても重症に思えますが、ほとんどの熱性けいれんは良性の疾患です。過度に心配しすぎる必要はありません。(※1)
熱性けいれんは未熟な脳神経細胞が急な体温上昇に対応できないときに起きると考えられています。このため子供が小学校に入学する頃にはなくなる場合がほとんどです。しかし、まれに8~9歳ころになっても発作を繰り返すことがあり、その場合は小児てんかんへの移行が考えられます。(※1)
熱性けいれん いずれ発症しなくなる
熱性けいれんは未熟な脳神経細胞が急な体温上昇に対応できないときに起きると考えられています。このため子供が小学校に入学する頃には発症しなくなる場合がほとんどです。しかし、まれに8~9歳ころになっても発作を繰り返すことがあり、その場合は小児てんかんへの移行が考えられます。(※1)
3~5%小児てんかんに
熱性けいれんは、将来3~5%程度が小児てんかんに移行するといわれています。脳波検査や抗てんかん剤での治療が必要になるケースもあるでしょう。なかでも複雑型熱性けいれんや、家族に無熱性けいれん(遺伝性)がある場合、1歳未満で最初の発作を起こした場合などは、小児てんかんへの移行が高まります。(※1)
(子供のけいれんについては以下の記事も参考にしてみてください)
熱性けいれん・小児てんかんの違い
熱性けいれんと小児てんかんでは、症状に違いがあります。まずは、熱性けいれんと小児てんかん、それぞれの症状を紹介しますので、違いをチェックしてみましょう。
(子供の病気については以下の記事も参考にしてみてください)
熱性けいれん 発熱時に起きる
子供の熱性けいれんはその名の通り発熱時に起き、熱の上がりはじめに症状が出やすいとされています。発作の症状としては、子供の意識がなくなり、けいれんを起こすのが一般的です。「ひきつけ」と呼ばれるものです。
熱性けいれんの症状はさまざま。手足を急にかたくして突っ張る強直性けいれんや、手足がピクピクさせる間代性けいれんなどがあります。さらに、はじめは体を硬直させその後にピクピクしはじめる強直・間代性けいれんという症状もあります。いずれの症状も体全体で起きる場合や、体の片側だけ起きる場合など症状の出方もさまざまです。(※1)
熱性けいれんの発作が起きた時、子供の目が見開いて焦点が合っていない場合や、左右どちらかに偏っている場合があります。また、けいれんをしている間は呼吸が十分にできていないため、チアノーゼ状態となったり、嘔吐(おうと)や失禁したりすることもあるでしょう。(※1)
熱性けいれん 通常は2~3分ほど
子供の熱性けいれんは、通常は2~3分ほどで収まります。しかし、20~30分と長く続くこともあり、長く続く症状をけいれん重積症といいます。熱性けいれんは、收まってもしばらく子供がボーとしていますが、自然に意識は戻ります。(※1)
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