ウエスト症候群(点頭てんかん)とは?症状・原因は?治療法や予後についても!

ウエスト症候群(点頭てんかん)について知っていますか?この記事では、ウエスト症候群(点頭てんかん)とは?という疑問をはじめ、症状、原因などについて解説します。さらに、ウエスト症候群(点頭てんかん)の治療法や、予後についても解説します。

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Contents
目次
  1. ウエスト症候群(点頭てんかん)とは?
  2. ウエスト症候群の症状は?モロー反射の違いも!
  3. ウエスト症候群の原因
  4. ウエスト症候群の検査・診断
  5. ウエスト症候群の治療法
  6. ウエスト症候群の予後
  7. ウエスト症候群について知っておこう

子供が難病であるウエスト症候群を発症したら、自分のせいで発症したのではないかとママは気に病んでしまいますね。なぜウエスト症候群を発症するのでしょうか? ウエスト症候群の原因を以下から見ていきましょう。(※2)

●結節性硬化症
●脳の先天的な形成異常
●頭部への外傷
●染色体異常(ダウン症候群)
●胎内感染症
●新生児仮死などの周産期の異常
●メープルシロップ尿症
●フェニルケトン尿症
●ミトコンドリア脳症などの先天性代謝疾患

約80%の赤ちゃんは、これらの原因によって脳の発育異常を起こし「症候性ウエスト症候群」を発症します。一方、残りの20%は「潜在性ウエスト症候群」と呼びます。

潜在性ウエスト症候群にかかっても、発症するまで症状がありません。また、発達にも異常が見られません。

(赤ちゃんの病気については以下の記事も参考にしてみてください)

心筋炎とは?子供に多い病気?症状の特徴や原因、治療法・予防法も!

ウエスト症候群の検査・診断

ウエスト症候群は、脳波を検査して診断します。特徴的な発作を確認してから脳波を検査するので、赤ちゃんが発作を起こした時に動画などで記録しておくと診断に役立ちます。

ウエスト症候群だと診断するためには他のてんかんと違うことを確認しなければいけないので、脳波やMRIなどの検査を行うケースもあるでしょう。

ウエスト症候群の治療法

赤ちゃんがウエスト症候群のような病気にかかったら、なるべく早く完治させてあげたいですね。

ウエスト症候群の症状をできるだけ早く治すためには、ウエスト症候群の発症後1ヶ月以内に治療を開始する必要があります。気になる症状があったら、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

ウエスト症候群の治療には、発作を止めるほか、赤ちゃんの発達を助ける目的もあります。以下から治療方法について詳しく見ていきましょう。

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)療法

ウエスト症候群には、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)治療が行われます。

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)治療とは、点頭てんかんの発作や脳波を改善させることを目的とした副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の筋肉注射です。

この治療によって、ウエスト症候群の赤ちゃんのうち50~80%の発作を抑制できると言われています。

抗てんかん薬

ウエスト症候群の治療に特化した抗てんかん薬「サブリル(ビガバトリン)」が使われることもあります。抗てんかん薬を使用すれば、約20~40%の患者の発作を抑えられます。

ただし、サブリル(ビガバトリン)には副作用として視野障害や視力障害などがあるので、服用する時は指定された眼科で検査をすることが重要です。

食事療法

薬で改善しない時や手術ができない時は、食事療法が行われることもあります。ウエスト症候群には、脂肪が多く炭水化物(糖質)が少ないケトン食療法が有効だとされています。

ただし、ケトン食療法には体重減少や低血糖、発育障害などの副作用があるので、医師の指示に従いながら行うことが重要です。

手術療法

ウエスト症候群の原因になっている脳の異常部位が明らかな時は、病変切除術や脳葉離断術が行われます。発作の緩和を目的とした脳梁離断術が行われるケースもあります。

ウエスト症候群の予後

発作や発達の遅れなどの症状があると、ママはとても心配になってしまいますね。なるべく早く症状を完治させたいと感じるでしょう。ウエスト症候群の治療をすれば、症状はすべて治まるのでしょうか?

残念ながら、発作が完全になくなる可能性は極めて低いと言われています。てんかん発作は慢性的に起こることが多いですし、およそ90%の赤ちゃんに知的障害や行動障害などの発達遅延が残ります(※1)。

自閉症を合併する確率も高いので、赤ちゃんの成長に大きな影響を与える病気だと考え、常に赤ちゃんの体調を気に掛けてくださいね。